オリエンティア Advent Calendar

オリエンテーリングを語ろう。

わたしのオリエンテーリング

今年茨城大学を卒業した椎名麻美です。

だれだか分からない人も多いと思いますが、大学卒業後のあるオリエンティアの話だと思って読んでくださればありがたいです。

 

*大学卒業後の環境とオリエンテーリングに対するきもち*

諸事情により、私は現在、福岡の北九州に住んでいます。学生時代の3月までは、茨城県に住んでいたので、オリエンテーリングの聖地である矢板や日光まで1時間30分ぐらい、埼玉、東京などの関東近辺のテレインは3時間くらい、静岡や長野まではかかっても5時間くらいでした。しかし、今は栃木までは電車、飛行機、バスと乗り継いで7~8時間で、長野の方は飛行機があまり飛んでなく、かなりお高めなので、電車、夜行バス、高速バスを乗り継いで、まる一日ぐらいかかります。オリエンテーリングへの交通の利便性は学生のころと比べると断然不便で、オリエンテーリングから遠ざかったように感じました。

そんななか、私は4月からトレーニングを始めました。その理由は、単純でもっとオリエンテーリングが速くなりたかったからです。

 

*学生の時の私わたし*

オリエンテーリングを始めた大学1年生の頃の私は、山を走る体力もなく、地図もほとんど読んだことなく、電車の乗り換えもできませんでした。なので、コースを速く回ってこようとも思ってなく、この時は、森の中でキノコを探していました。大学2年生になると、少しだけうまく回れるようになってきたので、速く回ってくることを楽しいと思い始め、そこから3年間は速くなることを目指し頑張りました。

しかし、学生の頃はインカレなどで全く成績を残せませんでした。レース1本、1本に緊張していて、レース前日はいつもよく寝れませんでした。元からそんなに力がないのに、それさえも発揮することができず、緊張しているせいかレースの時は概ね体調が悪くなってしまい、本当に苦しかったです。学生時代の自分に向けて、「成績を残そうとしなくていいから、楽しむことに集中しなさい。」と伝えたいです。

 

*最後のインカレが終わった時の気持ち*

あっけなく終わってしまいました。これで現役時代が終わってしまうのか、成績を残せなかったなと思いました。最後のインカレでは、リレーで勝つことを目標にしていました。体調がちょっと悪いなと思っていたら、リレー前日の夜はほぼ寝れず、30分に1回ぐらいトイレに行っていました。リレー当日、何も食べれず、そのままレースは始まりました。体が重く、全く走れず正直走っている時に泣きそうでした。本当に悔しかったです。今でも、一緒に走った二人には本当に申し訳ないと今でも思っています。

 

*私が強くなるために必要なこと*

大学生時代のさまざまなレースをもとにどうしたら強くなれるのかコーチと考えました。体調管理はもちろんのことですが、管理していても本番にいいコンディションで望めないときもある。たとえ、39度の熱が出ていても、その日が本番だったら普段と同じようなレースをしなければならない。だからどんな悪い状態の時でもいい状態とあまり変わらないようなレースをできる強い心を鍛えること。緊張をうまく使えるようになること。もちろん、強靭な体力をつけることも❢

 

*地方でオリエンテーリングをつづけるには*

オリエンテーリングをやりたい欲が増していく中、諸事情で住む場所は茨城→大阪→福岡とオリエンから遠ざかって行ってしまったように感じました。本当にオリエンをやりたければ、住む場所もそれから決めればよかったのですが、どうしても譲れない考えがそこにあったので、住む場所は選びませんでした。

 

案外、よく探してみると近くで大会をやっていることが分かりました。

 

@香月市民の森大会@

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@岩国市民大会@

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佐賀県大会@

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行くのが楽ちんで、普段は走れないような観光地を走れ、大会参加ついでに観光もできます。参加費も安く、おもしろい参加賞がいっぱいもらえます(´艸`*)

 

福岡に住んでいてもこんなにレースに参加できて嬉しかったです。また、このような大会では、昔オリエンをやっていたような感じの方々?大きい大会にはいなそうな人が多く参加しているのを感じました。自分の住んでいる近くでオリエンの大会がやっていると、オリエンで速くなりたいから毎日トレーニングしていますという人だけでなく、休日のアクティビティーとして参加する人が多いのかもしれません。地方大会が増えていけば、卒業した学生がオリエン難民になる数が少なくなり、無理なく楽しく続けていけるのではないかと思います。また、このような気軽な大会を増やし、裾野を広げることによって、大学でやっていなかった方(一般人?)も参加しやすくなり、日本でオリエンをはやらせることができるのではないか❢❢と思います。

実際、私のお姉ちゃんにオリエンやってみたいと言われたときに、大会に行くのも、やるのも初めての人を自分がいかない大会に送り込むのはかわいそうだなと思いました。オリエンやったことのない人がディズニーランドみたいな感じで休日いくだけで気軽に楽しめるオリエンの大会があったらいいなと思うし、作りたいなと思いました。

 

*オリエンとの付き合い方*

私は、中学校吹奏楽部、高校帰宅部で、いっさいスポーツをしてきませんでした。その分を取り戻すには相当頑張らないといけないし、時間が必要です。

だから、今、オリエン難民の時期を与えられたのであり、トレーニング集中すべきときだとお告げをうけたのだと思っています。集中できる環境に変えられるのならそうするに越したことはありませんが、そう簡単ではないと今は思っています。長くオリエンテーリングと付き合っていくには、自分の人生とマッチングさせた関わり方が重要だと思っているので、その時の環境に応じて、いい方に解釈し、オリエンテーリングを楽しんでいきたいと思います。

 

そして、最終的な目標は全日本大会とマスターズでコーチと優勝することです。

ラップを支える技術

自己紹介

犬塚です。わんわん と呼ばれています。
あんまりオリエンテーリングをちゃんと競技としてやっていたわけではありませんでした。ときどき計算センターとして練習会や大会を運営します。

はじめに

計セン,つまり計算センターは,かなり謎が多い(と思われている)パートです。なんか オタク PCが得意な人たちがぱちぱちやっている部署と思われがちですが,実を言うと大したことはやっていません。
今回の記事を読んだあなたは「計センってなにやってるの?」に大してなんらかの答えを持つとともに,みなさんの日々のラップがどのような技術によって作られているのかをなんとなくわかっていただければいいと思っています。

スタートリストの作成

計センの仕事のうちとても重要かつ早めに動き出さなければいけないのが「スタートリストの作成」です。
エントリーリストと呼ばれる,名前,所属,クラス,Eカード番号が一緒になったものをクラスごとにまとめ,ランダムに並び替えることでスタートリストを作成します。Excelには RAND() という関数があり, 0以上1未満の乱数が生成されます。その値を元に並び替えると,ランダムなスタートリストを作ることができます。

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そこから得たデータに対して,行ごとに色を変えたり,数字を読みやすいフォントに変えたりすると,一般的にみなさんがよく見る「スタートリスト」が完成します。

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Mulka2のセットアップ

基本的には当日のすべての業務は Mulka2 というソフトを通して行います。これは的場さんという方が開発してくださった非常に優秀なソフトで,業務としては以下の通りになります。

  • コース・クラス設定
    • コース・クラスに応じたポスト番号を設定します(前日までにやっておくことも多い)
  • 機材設置・ネットワーク確認
  • 試走・ポスト確認
    • 大会によっては競技者がレースをする前に前走をして,ポストが正しく動いているかどうかを確認します
  • 当日参加者の入力
    • 基本的には手打ちです。当日参加が多いと大会会計としてはうれしいですが,計センとしてはとても大変にはなります…。
  • E-Card/SI-Cardの読み取り
    • ゴールとか会場とかで読み取っているアレです
    • バックアップ計時と参照したり,ペナだった人にはペナレポートを印刷したりします。
  • 成績速報印刷
    • さいきんはWebでも速報が出るようになりましたが,紙の速報も味があっていいですね(特にセレクションなど)
  • 出走管理・未出走者入力
  • 表彰の準備
  • 未帰還者確認

このへんのことが全部ひとつでできるのでとても楽ちんです。
以上が当日の業務で,あとはラップを編集してLapCenterに上げれば計センの仕事は終わりです。


ここまでで計センの業務についてはひととおり解説し終わったので,ときどき聞かれることについてちょっとずつ書いていこうと思います。

Mulka Cloud

前章のMulkaに関連して,さいきんでは Mulka Cloud というのができて,かなり業務が楽になりました。
計センのサーバがクラウド上にあるので,スタート,計セン,フィニッシュがすべて同じデータを参照できます。出走者・未出走者の管理,未帰還者確認などのデータが常にアップデートされるため,今まで紙やLINEで行っていたコミュニケーションがかなり省略されることになりました。
Webで速報や順位をリアルタイムで出せるようにもなったため,オリエンテーリングの楽しさといった部分にもかなり貢献しています。

SIカードとEカードの違いについて

これはかなりよく聞かれるのですが,まとめるとこんな感じです。

  • Eカード
    • それ自体が 計時機能を持つ
    • スタートユニットを上げたらストップウォッチが始まる
    • ユニットにパンチするとラップタイムが押される
    • そのうち電池が切れる
  • SIカード
    • それ自体が 計時機能を持たない
    • ユニットにパンチすると通過時刻が押される
      • ユニットに時計合わせが必要
    • 電池が切れない
      • タッチフリーSIは切れる

だいたいこんな感じです。いちばん大きな違いはそれ自体が計時機能を持つかどうかで,あとはそのデータを使ってスタートからゴールまでの差分を算出します。

計時の信頼性について

「縁の下の力持ち」的な立ち位置である計セン業務は,多くの人にとって「うまくいっている」ことが前提です。しかしながら,人が運営している以上我々も完璧ではないので間違いは生じてしまいます。競技不成立となるのが最も悲しいことですが,そうならないような対策はとっています。

バックアップ計時

ステーションがうまく電子的に通過を記録できなかったときのためにバックアップ計時が存在しています。Eカードにおけるバックアップラベル,SIカードにおけるバックアップ欄です。
またそれ以外にも,主にビデオカメラによるバックアップ計時を行っています。フィニッシュ通過時刻を映像として残しておくことで,仮に電子記録がうまくいかない場合でも,競技者ごとのレース時間が算出できます。

ぶっちゃけ計センってむずかしいの?

我々としてはむずかしくはないと思っています[要出典]
ただしある程度パソコンやExcelに詳しくないと仕事ができないので,そんなにだれでもできる仕事ではないと思っています。設置も撤収もないし雨風に晒されず会場にいられるのはそこそこいいところなのかな,とは思っています。

計センやってて楽しいことは?

今までの長ったらしい文章はすべてこれを書くための前座です。そこそこスキルを活かせるとか色々な理由はありますが,最も大きいのは 誰よりも早くレース結果を知れる ことですね。セレ通過ボーダーを知るのも,優勝候補者のペナを知るのも,優勝確定までの時間を知るのも,優勝者を知るのも,いちばん早いのは計センである我々なのです。
そこが最も楽しいし,それを競技者だけでなく観戦者にも伝えて,オリエンテーリングというスポーツが公平かつ楽しくあるようにするための基盤を技術で支えるのが,計算センターであるといえます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

私がオリエンテーリングをする理由

オリエンテーリングは、健康には決して良くはないです。レース中も、ずっとすごくきついし、大ケガや動物に襲われる危険性さえもあります。
では、なぜ私はオリエンテーリングをしているのか?それについて書こうと思います。

私は、趣味としてオリエンテーリングに取り組んでいます。
日曜日の夜気分良く眠りについて、翌朝からまた新しい一週間を始めるための息抜きの手段が、私にとっての趣味であり、それが私の場合はオリエンテーリングです。

私の競技レベルは月並みだし、オリエンテーリング界の巷で語られている様々なことにもいまいちついていけていません。
ですが、オリエンテーリングは、進み方を決めてその通りにできる限り速く進む、という競技だということは理解しています。そして、そんな単純なものであるはずなのに、すごく速くまわってくることは難しく、私にはなかなかできるようになりません。
それでも、趣味としてオリエンテーリングをしている以上は、たまに大会で表彰されたり、今日は良い走りができたと感じられるほどではいたいです。そのために、週末はオリエンテーリングの練習をして、普段も家に帰ってから走っています。また、全日本選手権という場が存在している以上は、その場で他の選手と競いたいとも思っています。

また、最近では、オリエンテーリングの無い休日には、家族でロゲイニング大会に出ることもあります。私にとっては、長時間引きずられ続けるだけの苦行なのですが、作戦がうまくいったりすると、楽しいなと感じます。それに、この苦行はオリエンテーリングをする上での体力の強化にもつながります。

大学卒業後、オリエンテーリングを辞めていた時期があります。走ることも辞めていました。走ることを再開し、オリエンテーリングも再開しました。それからクラブチームにも入会し、新しい仲間もできました。また、幸運なことに家族の趣味もオリエンテーリングで、いつも一緒に遠征に出かけたりしています。

私は、仲間や家族と共にオリエンテーリングに取り組むことで、楽しく生きられています。
楽しく生きるために、自分にできる範囲で、趣味であるオリエンテーリングが速くなりたいし同時にオリエンテーリング選手でいたいです。

それが、私がオリエンテーリングをする理由です。

いつかもっと嵌まることに出会うか、飽きる時が来るまでは、これからもやっていきます。

末筆になりますが、オリエンティアAdvent Calendarへの寄稿を要請してくれた京葉OLクラブの田中君、また、お読み頂いた方、ありがとうございました。

★プロフィール★
|谷川* 理恵(たにかわ りえ)*旧横山|
 1991年生まれ(26歳)、愛知県出身・滋賀県在住、OLCルーパー所属

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オリエンテーリングの経歴】
 2009年冬(高3) 競技としてのオリエンテーリングを知る
 2010~2013年度 金沢大学オリエンテーリング部所属
 2015年秋     オリエンテーリング再開
 2016年春     OLCルーパー入会
【主な戦績】
 ・日本学生選手権:個人戦入賞2回、リレー優勝1回・入賞2回
 ・全日本スプリント・ミドル選手権:入賞1回ずつ
 ・全日本リレー選手権:入賞2回
♪発信中♪
 ・競技や練習のこと: りえのジョグノート
 ・個人的雑感(Twitter): @olvvry
 ・日々の暮らしのこと(Twitter): @tanikawake