オリエンティア Advent Calendar

オリエンテーリングを語ろう。

オリエンから離れて暮らして思うこと

 12月15日アドベントカレンダーを担当させていただきます。増田健也といいます。簡単に自己紹介をしておくと、東大OLKでオリエンテーリングに出会い、OLK37期(東大でいうと竹内キャプテンや松尾、田中M、出、平山、岬などと同期)の一員としてオリエンバカに囲まれて4年間を過ごし、ただいま社会人OB1年目です。また、入間市OLCの雰囲気と新さんの人柄に惹かれ、大学4年の途中から入間市OLCに加入しています。競技の実績は皆無に等しく、それ以外の実績も第38回東大OLK大会で渉外責任者をしたくらいです。

 

 で、ここからが本題なのですが、社会人1年目で赴任した先はなんと、

 

 東京23区から186km離れた南の島、三宅島なのでした。

 

 山の周辺は自然が豊か…ではありますが、豊かすぎてオリエン不可能なレベルで藪が発達しているところばかり。オリエンティアとして同じ伊豆諸島なら大島に行きたかったです、が、ここで文句を言っても仕方がない。

 

 とはいえ、「三宅島から本州に帰ってオリエンする」には制約も多く

・どんなに頑張っても朝は調布10時着の飛行機

→当日会場入りはパークOじゃないとできない

・帰りは2時前後最終便の飛行機か10時半に竹芝桟橋から出る船

→車遠征で帰りに渋滞にハマろうものなら有給と進捗が飛んでしまう

・船代は6000円少々、飛行機代は10000円弱とバカにならない

・「週末も職場の誰かが島に残らなければならない」不文律の存在

→毎週オリエンしに帰ることはまず不可能

 と、いった具合で月一オリエンティアにもなれず、空いた時間をバレーボールなど他のスポーツや趣味のブログの執筆や睡眠に充てる週末を送っています。

 

 そんなわけで、オリエンという競技やそれを中心としたコミュニティから離れ、一歩引いた視点からオリエンテーリングについて思うところを書こうと思います。

 

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・地図とコースは一期一会。だからこそずっと楽しい

 「オリエンテーリングのどこに魅力を感じるか?」という問いに対し、自分は「未知の地図、未知のコースに挑むワクワク感」と答えます。本州に戻ってきて走ったフォレストテレインは「赤城」「日光例幣使街道」「深良財産区」の3つ、そのうち2つは既に走ったことのあるテレインです。しかも大学時代より確実に体力は落ちている状況。でも、「楽しかったなあ」と思ったのです。

 

 「同じテレインばかりで飽きるのではないか」という意見もあり、自分も現役時代はそう思っていたのですが、ニューテレインになかなか遠征できない状況に置かれて、地図表記やコース距離や切る地形が違えば、同じ場所でもほとんど違うテレインに見えることに気づかされました。それゆえにワクワク感は何度同じテレインに行っても失われないし、技術さえあれば体力が落ちようがオリエンテーリングは楽しいと思えるのではないか、と。

 

個人競技で、細かい結果が出るからこそ、仲間が気になる。

 これは、ラップセンターで色々な人の結果を追っていて思ったことです。

 例えば、遠くに住んでいる友人がバレーの大会に出たとしても、勝ち負けと本人の主観による感想(スパイクが決まった、あまりスタメンで出られなかったなど)しかわからないのではないでしょうか。

 一方で、オリエンテーリングに関しては、個人競技ゆえ順位が分かり、地図もネットで見られるし、かつラップを見ればどんなレースをしたかも分かります。「◯◯は今日ミスなく纏めたんだな」、とか、「ここでみんなミスするんだな」とか、「おい、OKリーグでポイント取れてないじゃん」とか、仲間のレースが詳しくわかるゆえに気になって色々考えていたりします。自分がボロボロの走りしかできないことを棚に上げて偉そうなのは気にしない。

 

・あまりにも入り口が少なすぎる

 「オリエンテーリングを外部に発信する」。特定の人や、不特定多数の読者に対してそういう機会が増えて思うことです。

 

 皆様はオリエンテーリングを初めて知った人から「山でオリエンテーリングをやってみたいけど、やり方はどこで教えてもらえるかな?」と聞かれたとき、どう答えますか?

 相手が学生なら、大きめでインカレの学生クラブでいいと思うのです。

 では、相手が社会人なら?…紹介できる組織が限られるように思えてならないのです。特にフォレスト競技の場合、「オリエンテーリングという競技をするのに必要な地形の読み方、道具と使いかた」といったものを教え、オリエンテーリングというスポーツを楽しめるようにする仕組みが、少ないように感じます。

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 ひとまず9ヶ月で思ったことは以上です。他にも色々出てくるのかもしれませんが今回はこの辺にしておきます。

 あ、そうそう、三宅島を観光したい、調査したい、という方は連絡ください。できる範囲で案内、車出し、宿(もしくは自宅の一室)の提供など行えればと思っております。