オリエンティア Advent Calendar

オリエンテーリングを語ろう。

私の長期海外遠征の思い出

皆さん、こんにちは。17日のAdvent Calendarを担当します皆川美紀子です。

 

現在、埼玉県の地域クラブ『みちの会』に所属し、大会にもよく参加してます。
オリエンテーリングは大学からはじめ、競技歴かれこれウン十年にもなりますが、いまだに下手くそなミスをやらかしているので、まだまだ精進していきたいと思います。

 

さて、今回、何をテーマにしようか迷いましたが、昔の思い出を語らせていただきます。オリエンテーリングという競技に出会わなければ、絶対に経験し得なかったであろう約5か月間の「海外での修行&大会遠征」をテーマにしたいと思います。

 

さかのぼること、いよいよ新社会人となる、入社前のこと。

当時の私は、世界選手権(WOC)で日本人過去最高順位を達成するという目標を掲げ、何よりもオリエンテーリングを優先して生活したいという想いでいました。

オリエンテーリングを強くなるには、北欧でのトレーニングということで(当時、北欧でのオリエンテーリング経験はありませんでした)、個人コーチにも相談し、「海外での修行&大会遠征」を決意したわけです。

内定をいただいた会社の社長に直談判し(小さな会社のメリットですね)、4月入社を9月入社に変更いただき、その期間で遠征をさせていただきました。今思うとよく言ったもんだ(若さの強み?)…いやいや思い切って周りに相談して本当によかったと思います。勇気をもって、熱い思いを話してみれば案外理解を得られるものだなと感じています。

 

遠征スケジュール

遠征スケジュールは、下記のとおりです:4月~8月末、6か国、7大会出場。

※この年の目標とする世界大会は、『WOC@デンマーク』と『ユニバーシアード(WUOC)@スロバキア』でした。

 

スウェーデン(10MILA)→◆デンマーク(WOCトレーニングキャンプ)→◆エストニア(ワールドカップ)→◆ノルウェー→◆WOC選考会のため日本に帰国→◆フィンランド(JUKOLA)→◆ラトビア(JWOCオフィシャル)→◆フィンランド(FIN5)→◆スウェーデン(O-ringen)→◆デンマーク(WOC)→◆スロバキア(WUOC)

 

このようにじっくり滞在し、トレーニングをするというよりは、転々と移動し、いろんな国での経験を積むことを目的としました。大会も多く、日本人チームとともに過ごしていたので、孤独感はあまりなく過ごしてました。

 

今回はトレーニング、競技的な話というより、海外の大会の面白さ、楽しかった思い出について記載したいと思います。

 

 

春のオリエンテーリングシーズン始まりをつげる10MILAスウェーデン

北欧では冬季は降雪のためクロスカントリースキーをされるようで、4月末に行われる10MILAがオリエンテーリングシーズンの始まりです。10MILAは、夜中にスタートして、明け方にフィニッシュをする10人リレーです。スウェーデンはじめ北欧では地域クラブが充実しており、地域クラブ同士の対決です。基本的に10人リレーは男性で構成されますが、子供、女性向けにも昼間にはリレー大会が行われ、クラブ員みんなが一弾となって臨む大会です。

オリエンティア(以降、ティア)なら、この大会は見たほうが良いということで、リンシャーピンのクラブに日本人の方が所属されており、その方のつてで、リンチャーピンのクラブの方々に同行させいただきました。会場は広大で、人がいっぱい、大スクリーンと、この規模にまず驚かされました。さすがオリエンテーリング発祥の国。これだけでも興奮してしまいます。そして、ヘッドライトの光が林の中をさっそうと走っていく風景に、なぜこんな暗闇を走れるのか、海外選手のパフォーマンスに感動でした。せわしなく、朝のトップゴールを見て次の地へ出発したのですが、本場の主要大会に触れて興奮しました。

 

ごく難テレインとしても有名なハルデンでのティアとの出会い@ノルウェー

4月末に行われるエストニアのワールドカップは、珍しく女子選手のみの参加で、競技もテクニカルミーティングも選手のみで行いとても楽しかったのですが、その話は別の機会にして・・・ノルウェーでのトレーニングの話です。ノルウェーと聞くだけで、難しいという印象でしょうが、ハルデンはなかでも難しく、世界のティアがトレーニングをしに集ってくるほどの地です。私もぜひハルデンでのトレーニングをしたいと思い、日本チームの外国人コーチのつてで、ハルデンに在住の選手をご紹介いただき、その方にハルデンでの滞在のサポートをしていただきました。私が滞在させてもらったのは、アメリカやイギリス、フランスなどいろんな国々からトレーニング目的できた選手が入所している、シェアハウスのようなところです。練習会に参加したり、ジョグで少しいけばテラインなので、地図を持ってテラインを走ったりしましたが、やっぱり地図と現地の把握が難しく、残念ながら最後まで適応できたという実感なく、苦戦をした日々でした。ただ、オリエンテーリング好きの人たちとオリエンテーリングのことだけ考えて過ごす日々は、今考えても貴重な時間でした。そして、そこで出会った方々、見ず知らずの日本人に本当に親切で、「世界中、ティアはだれでも友達だよ」という言葉がすごく印象的でした。どんな国でも、どんなレベルでも、オリエンテーリングという競技がつなげてくれる人とのきずながあると、うれしくなりました。

 

本場7人リレー、ユッコラ。お祭りイベントFIN5フィンランド

この遠征の中でもフィンランドの体験はすごく楽しく、充実していました。実は4月の出発前の段階では、フィンランドの滞在場所が決まっておらず、どうしたものか頭を悩ませていました。しかし、そんな時(確か)ワールドカップフィンランドのオフィシャルの方とたまたま話す機会があり、私がトレーニング遠征をしてフィンランドの滞在先が見つかっていないというような話をしたら、「それならうちにおいで」と言ってもらえるラッキーがおこりました。そして、ホームスタイのような形でお世話になることになりました。さらに、その方の旦那さんはパイミオという地域クラブチームのコーチをやっている方で、近辺の地図もたくさん持っているし、アドバイスもいただけてちょーラッキーでした。

豊富な地図で自主練(常設コントロールもある)をするだけでなく、フィンランドも平日の夕方に練習会があり、その練習会に連れて行ってもらうなど、本当によくしていただきました。

ユッコラの7人リレーに出場するのは難しいのですが、パイミオのクラブの4人リレーの1枠に参加させていただき、ユッコラを走ることもできました。ちなみに、ユッコラも夜通し走るのですが、ちょうど白夜のとき開催されるので、暗くはなりません。気候も穏やか夜は更けないということで、大スクリーンの前で白夜の薄暗い光を受けながら、ゴロゴロしながらトップ選手の走りを観戦させてもらいました。
日本のクラブカップ7人リレー、その起源でもあるユッコラのように、さらに盛り上がる大会となり、地域クラブの充実が図られることを願っています。

 

そして、2回目のフィンランド訪問は、FIN5の参加のために訪れました。そのときはFIN5とマウンテンバイクオリエンテーリングMTB-O)が同時開催だったようで、見知った顔の人々にも出会え、ほっこりしました。スウェーデンのO-ringenは有名だと思いますが、O-ringenのフィンランド版のような、5日間大会でのトータルの成績を競う大会です。ここではWOC前の足慣らしという意味合いで、レベルを落としたクラス(D21B)へエントリーしました。そしたら、参加人数も少なかったこともあり、初日はけっこう大きくミスをして順位が低かったのですが、日々順調に順位を上げ、優勝をさせてもらいました。クラスの選択が適切だったか恐縮な思いでもありましたが、海外大会で優勝、表彰を受けるのは特別感があり、やはりうれしかったです。ちなみに、優勝賞品はコーヒーメーカーでしたので、お世話になったパイミオのクラブの方へお渡ししました。その他のチェーンソーとか、地元色強いお品がならんでました。FIN5は、またぜひ参加したい大会の一つです。

 

ティアなら一度は参加しては?!初めてのO-ringenスウェーデン

O-ringen、その名を聞いたことがある人は多いと思います。私らの学生のころはオリエンテーリングのお祭り海外遠征と言えばこれ。ハードフロアーにみんなで雑魚寝。走っては夜宴会して、本当に楽しく仲間と過ごす、こんなイメージがあります。

当時、私は初のO-ringeでその規模の大きさに驚き、感動しました。この大会のために作られる橋、そして、スーパーマーケット、一つの街ができあがっているような大会。フィニッシュレーンには、老若男女がひっきりなしに駆け込んでくる。山の中でツボっていれば、おじいちゃんが「こっちにフラッグあるよー」と、「今ここにいるよ」と手を差し伸べてくれる。難しいエリアでは、何人もが自分のコントロールを探しうろうろしていると、子供でも怖いことなく、出走できそうな雰囲気、本当に人が多い。

今回の開催地は「Mohed」というところで、湿地の微地形というより大陸、岩がちなところもあり、少しは走りやすいテラインだったと思います。私はWOC前ということで距離の短いD21Kクラスにでましたが、現地の対応が難しく、ミスが多く、スピードを出して気持ちよく走れたレースではありませんでした。ただ、つぼっててもみんな一緒につぼっているので、笑えてきました。オリエンテーリング大好きな大勢の人たちと過ごす時間に、楽しさばかりでした。

 

勝負の世界大会へ@デンマークスロバキア

遠征最後を締めくくるWOC、WUOCは前者の大会とは気持ちも切り替えた勝負の時間でした。

デンマークのWOCも熱いレースで印象深い大会ではありますが・・・ここでは割愛をさせていただきます。

 

最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。

コロナ禍で、いつになったら国際大会に行けるのかという状況ではありますが、オリエンテーリングは、国内にとどまらず海外でも楽しめるスポーツ、そして、年齢、国境を越えてティアは仲間であるということが、少しでもお伝えできたのなら幸いです。

 

おまけ(雑感)

・若いときほど、自由な時間(長期間の)を持ちやすいと思います。だんだん仕事や家庭、体力面の心配など、諸々制約も出てきますので、若い方々には海外遠征にかかわらず、いろんなことに挑戦をして、たくさんの経験をしてほしいと思います。
まずは、自分のやりたいことを声に出すことです。

・一方で、オリエンテーリング生涯スポーツで、年齢別のクラスがあり、海外でおじいちゃん、おばあちゃんの熱い走りをみました。いつまでも、一生涯つき合っていけるのではと、将来の競技生活もワクワクしてます。
これからも末永く、宜しくお願いします。

・ちなみに、私は英語が不得意ですが、ジェスチャーでなんとなく通じる、おどおどした英語より自信満々の日本語+ジャスチャーの方が通じるというのが持論です。

 

カメラを抱えてオリエンテーリングに行くこと-ファインダー越しのオリエンテーリング

こんにちは。

アドベントカレンダー9日目を担当をさせていただきます、坂 巻 朱 里と申します。

話を頂いたときに、自分が書けることはオリエンテーリングとカメラしかないなと思い、歴代アドベントカレンダーにカメラに関する記事がなさそうだったので(あったら教えてください爆速で追記します)、今日はそんなカメラにまつわる自分の経歴(?)、去年オリエンテーリングを全然していなかった理由、にも関わらず本格的に頑張ろうと思った所以なんかについて、少しお話をさせていただこうと思います。

また、「正しいオリエンテーリングの撮り方」と称して、自己流のテレインや会場の撮り方なんかも添えてあります、一部オリエンテーリングとも関係のない自分語りなので、時間がない方はそこだけ見てってください笑

拙い文章ですが、最後まで読んでいただけますと幸いです。

 

もくじ

 

 

自己紹介

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愛機たち。

手前がこしあん(CANON EOS 7D Mark II )、右がつぶあん(Canon EOS Kiss X9)

ちなみに本編で出てくる銀塩はあずき、ミラーレスはうぐいす。

本題に入る前に、誰だコイツ、となる方がほとんどかと存じますので、自己紹介をさせていただこうと思います。

現在、東大OLKの2年目で、地域クラブはときわ走林会に入っています。茨城生まれ、茨城育ち生粋の茨城っぺです。

 オーラジとかいうよくわからんネットラジオのパーソナリティもやっております。

オリエンテーリングを始めたのは大学に入ってからですが、昨年は主要大会だけ出て、普段はオリエンテーリングとは全く関係のないところで、カメラマンをしていました。

積極的に大会参加をするようになったのは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による自粛期間が明けた7月からです。

 

 

まぁこんな感じでいいかな、本題に入ろうと思います。

 

カメラマンの私がなぜオリエンテーリングをしているのか。

カメラ自体は、小学生の時に祖父に銀塩カメラ(フィルムカメラですね、写真屋さん行かないと撮った写真が見れないやつ、長野県松本市にたくさんフィルムカメラ写真屋さんがあります。菅平いったらぜひ。)をもらって、以降趣味のレベルでぼちぼち撮っています。

中学生になってお年玉で安いミラーレス一眼を買いました。そして高校生になり、初めてちゃんとしたデジタル一眼レフを手にして、当時は陸上部でマネージャーをしていたので、陸上を撮っていました。

自分の高校はバイトができなかったので、決して多いとは言えないお小遣いを数か月ためて望遠レンズを買ったりと、ギリギリの状態で写真を撮っていたので、大学生になったら、いろいろなところに行ってたくさん写真を撮りたい、「好きなことを好きなだけ」な大学生になりたい、という理想を抱くようになっていました。

そして、念願の大学生(JD!!)になり、いざ、カメラを抱えて、満を持して、サークル(学生で構成された記事の執筆や撮影を請け負う団体)に所属。アシスタントカメラマンとして、ブライダルの撮影やインディーズバンドのPV撮影などなど…の依頼を受け、カメラを引っ提げて各地を飛び回っていました。

 

その忙しい日々の中で、ふと、「あれ?私が撮りたいものってなんだったっけ?」と疑問に思ってしまいました。

 

その時の自分は、「好きだと思った風景を好きなだけ撮る」という理想の大学生カメラマンとはあまりにもかけ離れたもので、高校生の時に思い描いていた、理想とか夢とかいうものを見失っていたことに、そこに来てやっと気が付いたのでした。

というのも、その当時は、プロのカメラマンさんの近くで写真を学んで、(自分で言うのも…だが)程々に上達していた私は、毎週のように続く撮影とその報告書と執筆作業に追われ、さらに私情でごたごたしていたこともあり、疲弊しきっていました。

 

そんな中で参加した秋インカレ。日本学生最高峰の舞台で戦う、普段気さくに話しかけてくれる先輩。表彰台に登る、つい数か月前まで一緒に山中をさまよっていたはずの同期たち。テレインの中の選手には届かないとしても止まない会場の声援。いろんな色の表情。

それをみて、「撮りたい」という気持ちと、それ以上の「オリエンテーリングをもっと頑張りたい」という気持ちが生まれていました。

 

それから、少しずつ、写真の仕事を断り、山にいくようになり、春の訪れを感じるようになった2月末には、完全にオリエンテーリングの虜になっていました。

 

そのころから中国で広まりをみせていた、新型コロナウイルスは各地で猛威を振るい、あっという間にオリエンテーリングどころか、大学にすら通えない状況になりました。

 

そんな中で、筑波の祖父江くんに声をかけてもらって横国の羽田くんを含めた3人で始めたオーラジや、神戸の浴ちゃん、横市のくりももを筆頭に始まった全国同期zoomは、自分のオリエンテーリング欲を高めるものでした。

 

そして、そんなコロナウイルスが収まりをみせ、徐々にオリエンテーリングができる状況になりはじめた6月、オリエンテーリングを求め、自分の住む茨城県内の、茨城大学筑波大学やときわ走林会が主催する練習会に顔を出し、さらに沼にハマって行きました。

さらに、7月初めの霧ヶ峰ミドルでその6月の練習が生きたのか、全日本のW20のE権を獲得することができ、少し結果が付いてきたことを実感していました。

この霧ヶ峰ミドルの時、それまで、なんとなく遠ざけていたりして、オリエンテーリングには数回、必要なときしかもっていっていなかったカメラを、大会に初めて持ち込みました。

 

そこで、自分の撮りたいものを撮る、オリエンテーリングも頑張る、自分のやりたかった「好きなことを好きなだけ」が、オリエンテーリングで叶えることができるという事実に気が付きました。

 それからは、冒頭の写真に載せた、つぶあんを連れて、遠征や、大会に参加をしています。また、この間の日曜に行われたICSで運営に混ぜてもらえることになっていたので、初めて、オリエンテーリングに、そのサークルで普段使っていた仕事用カメラの、こしあんを連れていきました。さすがうちの子たちなので、オリエンテーリングでも、いい瞬間を切り取ってくれます。

 

 

いま、私のファインダーには、大好きな景色と大好きな人たちが写り続けています。

 

私は、ファインダー越しの

この景色が

OLKのみなさんや全国同期や、自大の後輩みたいに可愛がってくれる他大の先輩たちが

そしてオリエンテーリングのすべてが

心の底から大好きです。

 

 

そういえばこの間、とある方に「写真を通して広がっていく交友関係って素敵でいいな」って言われました。これは写真に限らず言えることですが、自分の好きなことで広がる交友関係ほど、素敵なものってないと思います。写真やオリエンテーリング(やオリエンテーリングの写真)を通した出会いはそれがなければなかったはずのもの、大切にしていきたいです。

 

これからも、やっと見つけた自分の理想の大学生像を目指して、オリエンテーリングはもちろん、カメラも全力で楽しんでいきたいと思っています。

 

 

実は、自分がオリエンテーリングと全く関係のないところでカメラマンをしていた話は、OLKの同期どころか、自大学の人たちにすら、曖昧な感じにしたまま、きちんと話してこなかったことです。ここで初めて知った方がほとんどだと思います。だから、この文章には、事情をきちんと話さず、ずっと役職や仕事から逃げてしまっていたことに対する謝罪の意も含めています。ごめんなさい。その分、たくさん写真を撮らせてください。

 

そんな話を‪ここでしようと思ったのは、そのサークルを、今年いっぱいで辞める決断をしたから、というのが主な理由です。

夏くらいから辞める話はしていたものの、なんとなく未練が残って、決断できずにいましたが、オリエンテーリングオリエンティアのみなさんと関わっていく中で、私の高校生の頃の理想を叶える「それ」は、もう、カメラじゃなくても大丈夫、と思うようになったからでした。

この場所で、泣く時間がないくらい忙しくて辛いことも、しんどいこともあった半面、様々な可能性を見いだせたし、写真の技術はもちろん、気が付かないで使っていた方言が直った気がしていたりなど(都会にかぶれたいので、たまに出ちゃうのは見逃してください。)、得られたものはたくさんありました。

 だから、大学生1年目で写真を撮ることを選んだことも、今回こうやって、サークル活動や仕事として写真を撮ることから距離を置くことも、何一つ、後悔はしていません。

 

 

私の大‪学生活はのこり約半分、これからは晴れてオリエン一筋の、いつか夢見たキラキラの大学生活だ‬。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正しいオリエンテーリングの撮り方

はい、ということで、ここからが本題といっても過言ではありません。

知らん人の過去の話を聞いてもなぁ、ってなり得るので、有益情報(?)も張っ付けておきます。

 

なぜこんなものが携帯に!?ってレベルの高性能カメラが搭載されたiphoneとかXperiaとかいうようなスマートフォン持ってる人多いですよね?

そのカメラ、最大限有効活用しないともったいなくないですか?

ということで、大会の宣伝に使う機会があったり、Instagramに写真を貼ったり、自分で思い出に残しておいたり、どうせならかっこいい写真が撮りたい!、(あくまでカメラマン歴数年の自己流ですが…)そんな方のための「正しいオリエンテーリングの撮り方」です。

 

(作例に上げた写真は個人的に好きというだけで採用した写真たちなので、そんなに上手いわけでもないですが、よかったらみてってね)

 

その1「地面と平行に撮ろう!

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ICLの会場内のピーク上から。すげぇ景色だった…

 この写真は地面というか、地平線ですね。

よくスマホをななめに傾けて、できるだけ多くのものを収めようと撮られた写真をよく見ます。(一概にそれが悪いとは言い切れないけど)

広角めで撮ることの多いテレインや会場の風景は、直角や平行を意識して撮るとなんとなく感じる気持ち悪さがなくなってきれいに撮れます。

ちなみに、斜めに撮りたいのであれば、45度で撮るといいですよ。

 

 

その2「奥行を意識して!

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こちらもICLから、ビジュアルを走る本庄選手(東京大学2年)

この写真、この日撮った写真で1,2を争うレベルで好きな写真です。どうしても載せたかったので、書きます。
簡単に説明をすると、手前の観戦者(東京大学1年の金子選手)、奥の走る選手(本庄選手)、さらにその奥を走る選手(京都大学2年の平岡選手)という三層があることで、本庄選手をアップ単体で写すより一気にストーリー性が生まれ、(見る人が見ると…?)面白い写真になります。

なかなかこれをオリエンテーリングの中で意識して撮るのは難しいかもしれませんが、うまくハマればすごく味のある写真になります。

 

 

その2「画面は広く使って!

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ICLいい写真撮れすぎました。ビジュアルを走る阿部選手(実践女子大学3年)

「その1の撮り方じゃ写したいものが写りきらない!」、それなら数歩後ろに下がればいいじゃない。最新のスマホは結構広角レンズが付いていたりするので、それより広く写したいならもう自分が下がるしかないわ。

またこれで撮ると、その2にも繋がることですが、周りの情景がわかるだけじゃなくて、その近くで起こっているドラマを収めることができたりします。

この写真だともし選手をアップにしてカメラで追っていたら、隣で声をかけるOLKの方々には気づけなかったですね。

 

 

その4「たまにはローアングルも!

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二ツ塚のまっくろくろすけ(って勝手に呼んでる)

これ、その2の奥行が出る撮り方のひとつで、とってもいい写真が撮れるのですが、1つだけ欠点があります。

スマホでこの方法を使って撮ろうとすると、どうしても被写体に向かって土下座(笑)することになります。明らかに異様です。だからたまに、です。

 

ちなみに土下座の良い(?)例がこちら。

 

その5「対象物を中心からずらしてみて

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全日本ロング選手権の部のラスポ

被写体は不成立となってしまったミドルW21A1位、長瀬選手(お茶の水女子大学2年)

よくみると作例ほぼこれで撮ってますね。これは自分が最もよく使う構図で、「三分割法」と呼ばれる構図です。

画面を三分割して、その上に被写体を配置するもので、簡単にできます。これを使えるだけで、かなり写真がうまく見える気がします。笑

なんかいつも日の丸構図(被写体が中央にくる構図、アー写はみんなこれね)で同じ感じの写真しか撮れないなぁ…、とか、背景ももっと魅せたいなぁ…って方に。

 

 

 

オリエンテーリングで、に限らず、普段写真を撮るときも、少し意識するだけで、ぐっと良くなります。ぜひ実践してみてください!

 

最後に

これを読んで、「あ、自分も写真を撮ってみよ」って思ったり、私のカメラに写りに来てくれたらとても嬉しいです(最重要)。

 

宣伝するほどのものでもないですが、もし興味をもってくれた方がいたら、隔週で、オリエンテーリング界のホットなニュース?(それぞれ参加した大会)を語るネットラジオ、オーラジはこちらから。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

富士見全日本大会運営を振り返って

近藤康満です。

2020年11月21日と22日に開催された全日本ミドルオリエンテーリング大会と全日本ロングオリエンテーリング大会で運営責任者を務めました。2日間で延べ1300人以上の方にご参加を頂き、また難度の高いタフなテレインで日本選手権者を決する舞台を提供する事が出来て感謝でいっぱいです。

そんな中、運営を進める上でこれまでの大会運営の考え方ややり方に疑問を感じることがありました。ほとんど愚痴の様になっているかもしれませんが、ご容赦ください。

この大会では長野県富士見町の富士見高原リゾート様を会場として利用しました。同会場で開催された2015年のインカレスプリントとロングの運営と所々対比させながら、今後大会運営や大会参加がどうなっていくと、より良い物になるか私見を述べます。

「大会運営=大変なこと」から「大会運営=楽しいこと」になる助力になれば幸いです。


【運営パートの簡素化を競技パートの拡充を】

よくある大会運営組織として実行委員長の下に競技責任者と運営責任者が置かれます。競技責任者の下にはコースセッターが、運営責任者の下には渉外・広報・資材・宿泊交通・会計等の各責任者が置かれ事前準備にあたるというのが、よくある体制です。

2015年のインカレでも同様の体制が採られました。よくよく考えて運営パートってそんなに細分化して人手を掛ける必要があるのでしょうか?

渉外については稀に人海戦術が必要なこともあるかもしれませんが、広報と言っても殆どはオリエンティア相手、資材もほぼオリエンティア相手、宿泊交通の実務は業者任せ、会計は殆どが大会後に動くのに、なぜそこまで細かく分けるのでしょうか?

1000人規模の殆ど身内でサービスマージン(大会による利益)も出していない様な大会なら、最低限1~2人で回せば十分な様に思えます。準備にあたる人数を増やすことで各業務の進捗管理やフォローの工数が嵩みます。それをやるなら運営責任者なる人物が全部自分でやっても大差ないでしょう。寧ろ総工数は少なくなります。

今回の全日本大会でも運営パートの事前準備は、基本的に私一人で行い、どうしても拾いきれなかった部分だけ他の方にお願いするという形で行いました。少し追いつかなかったシーンはありましたが、従来の様に多くの人をあてなくても十分に回しきれる感覚を得ました。

一方で大会の根幹であるはずの競技パートは、なぜ北斗神拳が如く競技責任者とコースセッターという一子相伝の体制なのでしょうか?

競技パートではコースを組む以外にもやることがたくさんあります。地図・計測・競技資材確保・競技中誘導の設計・渉外との連携・複数日の場合はエリア配分等。一子相伝体制だとコースを組む以外の部分は自ずと競技責任者が負うことになります。しかもこれらは拾い損ねると大会の成否に関わるものばかりです。

競技責任者が全体を俯瞰して競技の品質管理ができる様、実務寄りの部分は専任の担当者を厚く配置すべきだと思います。最近イージーミスによる競技不成立の事例が見受けられますが、この競技パートを俯瞰して確認できる人がいない(実質的な競技責任者の不在)がその一因の様に思えています。


【地元との手組みとその為に普段のクラブ活動を】

オリエンテーリングの大会を行うにあたって肝要なのが、その大会によって恩恵を受ける人が誰かを見つけてその人を巻き込むことだと考えています。

分かりやすい例だと、会場となる施設や周辺の宿・温泉等が挙げられます。1回きりのイベントや不定期な開催ではなく、少なくとも年1回はオリエンテーリングイベントを行い定期的な収入集客を行うことで、地元からの信頼は厚くなると捉えています。

今回本大会の開催に向けてご尽力を頂いた会場でもある富士見高原リゾートのご担当者様は、2015年インカレ以来のお付き合いです。2015年のインカレ実施以降は1~2月に1回はコンタクトを取り近況のご報告等を差し上げていました。また、毎年の合宿などで富士見付近のテレインで実施の際には施設利用料をお支払いするという仕組みを設けました。これにより「オリエンテーリングの人と付き合うと多少なりともメリットがある」という考えをもって頂けているのではと思っています。

肝要なのは「①定期的」な「②メリット」があるということです。これは昨年のAdvent Calendarでも書かせて頂きましたので、詳細はそちらをどうぞ。

田舎から渇望されるスポーツになろう - オリエンティア Advent Calendar

①については、過去自分が事業者として施設運営をしていた経験からも言えることで、都会集中のオリエンテーリング業界が陥りがちなことです。「A.不定期だけどたまに沢山来てくれる」と「B.少しだけど定期的に来てくれる」では有り難みが全く違います。AのあとにBに繋げられるかが、全うな「地域クラブ」と「倶楽部」の違いだと思っています。

②については、何も金銭的なメリットでなくても、山のゴミを拾ってくれるであるとか、草を刈ってくれるなどの便益でも十分だと思います。

今回大会で会場との折衝や渉外があっさり終わったのは、2015年のインカレで富士見高原リゾート様との関係が始まった後に、①②を満たした関係性を維持できたからこそ、宿や施設だけでなく公有林の渉外協力までしてくださったのだと思います。

そりゃ何年かに1回 都会から押し寄せては山を走り回りたいという人より、毎年/毎月 顔を見せてくれて何か手伝ってくれる人の方が、渉外活動は楽にになります。


【変化を受け入れ、より楽をしよう】

数年前と比較するとオリエンテーリング大会運営時エントリーとりまとめの工数は大きく減りました。明らかにJOYのおかげです。西村さんには感謝しかありません。

技術の進歩というと大げさですが、時代が進むとともに便利な物やサービスが次々と増えていきます。そういう物は躊躇なく取り入れるべきです。「xxxだと使えない人がいるから」と旧来のやり方も継続していたら結局両方ともやる事になるだけで、寧ろ大変になります。それは、進歩や引いては教育を愚弄していると思っています。

今回の全日本大会では、申込みをほぼJOYに一本化、会場事前申込みの撤廃、公式掲示板や当日参加フォームをQRコードを用いてオンラインで運用する等しました。試験的に行なった部分もあるので賛否両論あると思いますが、運営上のメリットがある明らかなものは、今後も改善運用していって欲しいです。


【サービスは有料。簡素化を受け入れて参加する】

オリエンテーリング大会の多くは、大儲けとはいかないはずです。他のスポーツと比較して事前工数が多く当日の参加費だけでペイするのは難しいものが多いでしょう。つまり、大会運営者もボランティアか、良くても割に合わない薄給で動いています。

その一方で、オリエンテーリング大会会場を一流ホテルかの様に、運営者をコンシェルジュかの様に勘違いしている残念な人がいます。社会常識として述べておきますが、分からないことがあったら先ず、自分で考えて解決を試みましょう。幼い子供ならまだしも、いい大人が会場の目の前で「会場どこですか?」と聞いたり、プログラムに明記してあるにも関わらず「配布物はどこで受け取れるのか」と聞くのはやめましょう。大人が聞いて優しく案内してくれるのは追加でお金を払った場合のみです。

今回はそこは割り切って割愛できるものは割愛したつもりです。一部混乱を招いてしまった部分もあるかもしれませんが、これを機に、割愛しても大会の本質に関係ない物と、そうでない物の色分けが進めば幸いです。白書の様に詳細なプログラムや、空港の様な詳細な案内板・上げ膳据え膳レベルの配布物準備は本当に必要ですか? 良いコースをフェアに走れることが核心なのに、そんな枝葉末節に気をとられることは理解に苦しみます。

また、内容をよく確認しないでエントリーし、締め切り後の変更依頼や、そもそも締切を守らない極めて非常識な行動が多々見られました。前述のような状況は運営者にはただの重荷でしかありませんし、ヒューマンエラーの原因にもなります。今回はその様なイレギュラーが30件近くにものぼりました。およそ20人に1人です。今後はその様なイレギュラーを切り捨てても文句を言われる筋合いはないと思います。なぜ確認不足のために何時間もこちらのフリーな時間を削られなければいけないのでしょうか。

前項目とも関連しますが、分からない事を自力で解決できなかったり、変化に適応できないならお金を払って解決しましょう。運営者もイレギュラーに対しては躊躇なく切り捨てたり追加料金を請求して良いと思います。


【運営と参加はギブアンドテイク】

それでもオリエンテーリングの大会が成立しているのは、運営と参加は持ちつ持たれつ、キブアンドテイクの精神が根本にあるからだと思います。

競技者として参加もするし、運営者としても運営をする。双方の視点があるからこそ、相手を慮ることが出来るのだと思います。

どんな小さなイベントでも良いので、年に一回は運営に加わりましょう。また、運営ばっかりしている特異体質の方もたまには競技者として参加してみましょう。

参加だけしている運営だけしているでは、オリエンティアとして片手落ちです。


【終わりに】

他にも細かいことはいくつもありますが、上記が大部分かと思いますので割愛します。

オリエンテーリング大会において何が核心なのかを念頭において、参加者と運営者が双方を慮ることが出来れば運営は必ず楽で楽しいものになると思っています。