オリエンティア Advent Calendar

オリエンテーリングを語ろう。

今年度インカレスプリントへの準備

自己紹介

  どうも、神戸大学4年生の築地孝和です!自己紹介として、あまり目立った成績はありませんが、先日のcrazy festivalでは極で優勝、昨年度のインカレスプリントでは5位、先月のインカレスプリントでは4位に入賞しました。と、言えば分かってくださる方は多いのかと思います。

 

 あと、競技面以外の活動としては、一時期部員が0になった神大OLKを東海出身の同期と復活させたこと、現日本学連事業部長(インカレミドル開会式や後夜祭・講習会の運営してる人)であることくらいですかね。

 

 事業部長の仕事に興味がある大学2年生は、ぜひ僕に連絡ください!

 

 

 自己紹介が長くなりましたが、今日はお題の通り

  • 今年度インカレスプリントへの準備(1選手目線)

について書こうと思います。ちょっと大学生向けな部分が多く、それ以外の方には少し退屈かもしれませんが。

 

 

今年度インカレスプリントへの準備

 僕自身、フォレストよりもスプリントのほうが得意で、今年のインカレスプリントでは優勝を目指して頑張ろうと思い、あれやこれやと対策をしていました。主に2のほうにかなりの時間を割きました。

 

1、スプリントの練習機会を増やす。

 

 スプリントの練習会(それに準ずる自主トレも含める)って山に比べて運営が楽です。だから、時間があればどんどん練習会を開きましょう!

 

 一番いいのは、やはりキャンパスOですね。神戸大学のキャンパスはそこそこ難しいコースを組むことができるので、朝練を開いたり、あとは、一緒に活動させていただいている大阪大学の吹田キャンパスにお邪魔したりしました。

 

 関西ではパークOツアーというのがあります。パークOとはいえ、地図自体はJSSOM準拠で、距離感やレースの緊迫感に慣れるのにはちょうどいい機会です。

 

 これはとにかく慣れようっていう、やつですね。個人的にはフォレストよりもスプリントのほうが基本動作の確認がしやすくて、まだオリエンテーリングに慣れていない人には良いのかなと考えております。

 

 そういえば、Facebookでちらっと拝見した中国の特殊な競技形式「100m」を先日見よう見真似でしました。

縮尺は1:1000(1:4000のものを拡大して使用)

実走距離約1km

ウイニング3~4分

 

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(これが正しい形式かは判断できませんが、)大縮尺な分、素早い判断力が必要で、動作の確認をするにもよく、かつ、狭い範囲でできるので、おすすめです。クイックO・スプリントエクササイズみたいな感じで、大会後のおまけレースとかであっても面白いかも?

 

 練習を増やせばうまくなりそうですよね。(雑)

 

 

2、予想コース

 こちらがメインです。どんなコースかを予想することが楽しくて楽しくて、色々と考えたことをつらつら書きます。とても長くなるのと、メリハリがなくて読みにくいかもしれませんが、来年の参考になることがあればいいかなと。

2.1 地図調達

 まず予想コース?を組む前に、その下絵となる地図がないとどうしようもないですよね。今年のインカレでは、親切なことに旧図があげられていたので、それを使おう!と思ってみたら、なんだかスプリントっぽいコースが組めなさそうだなと思い、頑張って作ってみるかぁと思って作りました(協力者:某同期と某後輩)。

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↑僕が作ったもの

 

 

旧図や実際の地図と比較してみてください。

旧図は開催地 | インカレスプリント・ロング2016 

実際の地図は報告書で掲載されると思うので、そちらで。

 

 版権云々のことがわからないので、解像度下げたり、自分を宣伝する字を並べたりしましたが、もしダメなら消します。

 

2.2 地図作成

 どのように作ったかというとかなり原始的。ocdデータは持っていないので、以下の3点を使って作りました。

 

・旧図(開催地 | インカレスプリント・ロング2016

・航空写真(Google マップ

ストリートビューGoogle マップ

・ネットに落ちてる画像・動画

 

旧図と航空写真は主に下絵として。ストリートビューとネットに落ちてる画像・動画については、下絵がきちんとあっているのかというところと、植生(特に生垣・花壇・植込み[色green100%,black50% ])、その他通行禁止なところの確認に利用しました。この通行禁止というのが予想コースを立てるのに非常に大事だと僕は考えております。

 

 ネットに落ちてる画像・動画ですが、探せば結構出てきます。特にびっくりしたのが、公園を散歩している動画ですね。しかも、かなりきれいな映像で。さらに、驚いたのがほんの数日前あたりからインカレスプリント前日に新しい散歩動画が出ていたこと。

 

オリエンテーリング関係者の可能性??(投稿者の動画を見ているとあちこちの公園で撮っているので違うでしょうが)

 

 これについては本当に映像が綺麗で、もっと早くに出ていれば、さらに正確な地図が描けたのかなぁって。ちなみに、再生回数を見ると結構面白くて、天平の丘公園だけが3桁超えていたので、他の参加者も視聴しているのだと推測できます。

 実際、インカレスプリント当日に某大のエリートも動画を見たような発言をしていたので、他の大学も情報収集はきちんとしているんだなと感心していました。

 

 あと、インカレの要項3(プログラム)に載っている画像も下絵にしました。というか、それを見て旧図を当てにしてはいけないと感じました。

 

 等高線はこのテレインにおいては必要はないかなぁ(他のもので十分補える)と思い、航空レーザー測量とかその辺のものは使いませんでした。…でも、道とか河川とかの情報くらい取り込んでもよかったかもと少し後悔しましたが。

 

 他に地図をベクタデータに変換して、それをOCADに取り込める形に変換して描くのを試みました。しかし、どうも線が歪んだり、細かい表現が潰れたりでとても役に立つものはできなかったので、上述のような原始的な方法で描きました。

 

2.3 コースの回し予想

スタート、ゴールはいつも予想すると思いますが、今回はテクニカルミーティングの資料より横断箇所が指定されているという点も含めて、回しを予想してみました。

エリート待機所予想

 今回は周辺に収容できそうな施設があまりなく、以下のものに絞れました。基準は

1、ウォームアップできる場所があること。

2、雨風をしのげる建物があること。

3、トイレがあること。

です。

 

・秋山亭(右下の耕作地と駐車場から少し北西の位置にある、小さい建物(右))

メリット:テレイン内にあって、会場からも十分近い。トイレもすぐ隣の建物にあり。駐車場があり、そこをウォームアップエリアとして使えそう。

デメリット:テレインの東部分がスタート地区から見えてしまい、使える範囲が狭くなる。施設の大きさが十分広くない。

 

・栃木県埋蔵文化財センター(会場から道路を挟んですぐ南の大きな建物)

メリット:会場から最寄り。植込みに囲まれているため、テレインのほとんどの部分が見える。広い部屋が借りれそう。この施設は土曜日休館日だから、一般客に迷惑かけることなく借りれそう。

デメリット:近いので、会場でのアナウンスなどが聞こえて、情報が漏えいする可能性あり。休館日だから、そもそも借りれなさそう。

 

以上2つが有力でした。インカレスプリントのテクニカルミーティング(要項・プログラム | インカレスプリント・ロング2016)の資料(6、その他注意点)がとても参考になりました。住宅街ってどこだよってなりましたが、上の2つのうち、住宅街を通すことができるのは秋山亭しかないです(ただ、少し遠回りになるのがどうなのかなという疑問はありましたが)。これで、栃木県埋蔵文化センターの可能性はなくなり、たぶん秋山亭かなぁとなったのでよかったです。

 それでも、デメリットであるテレインの東部分が使えなくなるというのが少し引っかかってました。後々記載のコースの回し予想と関係があるので、そちらで詳しく書きます。

 

 他にも夜明け前(民俗資料館)や近くの空手武道館などが候補として挙がっていました。ただ、夜明け前(民俗資料館)にはそもそも空室はあるのか、また、スプリントとして楽しそうなエリアが十分に使えないとかデメリットが大きかったので、候補からは消していました。

 

あと、スタート方式についても考えていました。プレスタート方式っていうのかな?ブルーシートで1分前枠を綺麗に覆っていたのは、「そこまでするんだ!」という驚きがありました。実際に写真があればいいですが、報告書待ち?

 

横断箇所予想

 スタート地区はほぼほぼ秋山亭だろうと考え、次にテクニカルミーティングの4、道路の横断について、考えていきました。

・2本の車道を横断するということ

・待機所が秋山亭

・会場(ゴール)が北東の場所に位置すること

この3点から、まず間違いなく東西を横切る道路とそこから北に延びている道路の2つだろうなと予想できました。というか、そこしかない。

 

次に、

「片方の車道の横断地点は、 【708 通過地点】で
表されており、約40mの横断区間を設けています。
もう一方の車道には、渡河点の表記はありません。」

について。どちらに渡河点の表記があるかないかは容易に判断できました。明らかに道路の大きさが違うし、渡河点の表記があるのは、東西を横切るほうだと。

 どこに渡河点があるのかを判断するために、僕は以下のような40m渡河点棒を作成しました。

f:id:orienadvent:20161221074611j:plain

↑40m渡河点棒

これを道路に並べて、この辺かなぁと確かめていきました。それと渡らせるのであれば歩道がついているところだろうと予想し、該当箇所があるかどうかをストリートビューで確認していたら、

・夜明け前の駐車場周辺

・会場付近

の2点に絞れました。

ここからさらに、

・コース距離が男子は2.7kmあること

という点で、会場に回すと距離が稼ぐことができないので、夜明け前の駐車場周辺で渡らせて、北西のほうを回すんだろうなと予想しました。ちなみに、この予想はほぼほぼ当たっていたので、レース中歓喜だったんですが、誘導前のコントロールをタッチするのを忘れていて、ミスタイム12秒も計上しています。。。予想の意味。。。

 

ゴール予想

ゴールについてはプログラムに載ってあったので、助かりました。会場を観客を盛り上げるために、可能な限り、会場ゴールではあるかと思いますが。

  

通行禁止箇所の把握

ここについては2.4で話す予想レッグと関係が少しあります。
昨年度の第一回インカレスプリントのコースプランナーY城さんと優勝者のG味さんがそれぞれイベントアドバイザーとコースプランナーということで、まず間違いなく昨年度のようなルートチョイスが大事になるコースに仕上がるだろうという予想を立てました。
ルートチョイスを生むためには、コントロール間に遮蔽物、すなわち、通行禁止(通行不能)なものがなければなりません。そのために、把握しようねということです。

天平の丘公園で使えそうな通行禁止の特徴物(範囲)は
・生垣や花壇などの濃緑で表されるもの
・岩崖
・公園中心の古墳周りのお堀(テクミ資料が出たときはビンゴ!ってなりました)

・柵
・水系、池
・植物園の範囲(オリーブ色)

今回、建物自体があまりなかったので、そんなに重要だと考えませんでしたが、来年度の市街地(予定)インカレスプリントでは、建物がとても重要になってくるので、予想が大変そう。あと、去年のインカレスプリントみたいなテレインだと等高線は必要だと思います。

で、これから以下の範囲を使うのかなって予想しました。

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 ↑紫斜線が使用しそうな範囲

実際は北西が使われず、北東のほうが使われていました。

 

 ちなみに、地図作製のときもこれは意識していて、「まばらに木の生えた開けた土地(402.0)」とオープン+独立樹のような、ルートチョイスにそれほど影響を与えないものについては、それっぽく描きました。逆に、生垣は細かくありすぎて、途中できちんと描くのを諦めましたが。。。。

 

 以上を踏まえ、プログラム掲載の距離に合わせて組んだ予想コースが以下のものです。

 

f:id:orienadvent:20161221224339j:plain

確認したかったのは、

・2.7kmでどれだけ回すことができるのか

という一点でした。

 

これ自体、自分はそんなに大事なものではないと考えています。というのも、同じコースなんて絶対にできないじゃないかっていうのが理由です。回し方、どの地点でどういうところを回されるか、だいたいわかればいいと僕は思います。

 

2.4 予想レッグ

 今回、というか今年に入ってですが、以下の方法でルート検討することがあります。これで結構同じようなレッグがあり、レース中のルート決めが素早くできた(と思っている)ので、したことなかった人は試してみてはと思います。特に、ルートチョイスが分かれそうなところ(右か左かという選択)でこれをすると、効果を発揮するのではないかと。

 以下が実際考えていた一つの予想レッグです。

 f:id:orienadvent:20161221232135j:plain

 

 西のコントロールから東のコントロールへのレッグですが、東には3つの赤色の円があります。

 こういう間に岩崖やお堀などの通行禁止の部分があるレッグはスプリントのコースを組む上では必ず重要になってきます。

 

 で、実際にこれを使って何を考えるのかというと…

 赤の円が上下にどこまでいけば、下から巻くか上から巻くかというのを考えます。ここで知りたいのは、上からも下からも同じ距離となるのはどのあたりかということです。その位置がわかれば、それよりも下の位置にあれば、下から回ればいいし、上の位置にあれば、上から回る、というように特に何も考えずに判断することできます。

 

 でも、実際は距離以外にも走りやすさ、曲がりが急でスピードが落ちないか、などなど、様々な要因を考えなければならないので、こんな簡単には決まりません。だから、あくまでも一つのルート選択法ということで。

 

 ちなみに、上の地図では、一番下の赤の円が大体上からと下からの距離が同じになります。上下でなくても左右でも場所によってはルートが大きく変わることもあるので、いろんなレッグを作って、試してみてはいかがでしょうか。

 

2.5 当日

 あとは、もうレースでどれくらいあっているかの答え合わせです。といっても、会場周辺の景色は待機所移動までに見ることができるので、どんな感じなのか、実際の目で確かめることができるので、それだけでも面白かったです。

 実際、会場の北の建物が工事していたこと。そのさらに北の林の走行可能度が高かったことがわかり、北東まで回すのかなぁと予想を補正(というか、あれだけ準備している様子が見れたら、予想でもないか)することもできました。

 

 実際にレースを走ってみて、楽しさにおいては予想を遥かに上回るもので、レース後はエリートで走れて幸せな気分に入り浸っていました。。。

 

 

最後に

 あまり時間が割けず、まとまりがない文章で、読みにくくなりました、すみません。僕は以上の対策をして、インカレスプリントに臨みましたが、4位入賞留まりでした。結果自体は悔しかったです。でも、課題であったルートチョイスについてはかなりクリアできたと思っていて、そういう意味では嬉しい気持ちでいっぱいでした。課題をクリアできたときの嬉しさはオリエンテーリングの面白いところの一つだと思っています。もし、同じような課題を持っている人がいれば、以上のことを試してみたらいいかと思います!ただ、むちゃくちゃ時間がかかりました笑。たぶん、作図やらなんやら全て含めて、50時間くらいかけてるんじゃないかな。走るのが嫌いな人はM西さんのと僕の記事を読んで対策すれば、インカレのエリートの舞台でも十分戦えるのではないかなと思うので、来年度どなたか試してみてください笑

 

 長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。