皆様こんばんは、京葉OLクラブの稲毛です。
毎年読者として楽しんでいたAdvent Calendarですが、2年連続お誘いいただいたので参加を決めました。はじめに断っておきますが、極度の行動タイプであるため文章を書くのが大変苦手です。文章の向こうにある熱意を、少しでも感じ取っていただけたらと思います。
スポーツが好きになった背景と自己紹介
そもそも私が運動をはじめたのは、人生の中で食べることが何よりも好きで、気持ち良くたくさんのご飯やお菓子を食べるためでした。激しく動くとよりお腹も空いてたくさん食べられて幸せなので、自然と運動バカな生活を送ることとなりました。幼少期に毎日砂浜を走り回って強靭な足を育て、小学校のサッカークラブで男に競り負けない体をつくり、中高で剣道を通して気合いと根性を鍛えてきました。食欲から生まれた副産物、恐るべし。
オリエンテーリングとの出会いは、自宅裏の公園(小金井公園)で行われた東大OLKの新歓に偶然たまたま何となく参加したことです。あっという間にこのスポーツにはまり、大学生時代はオリエンテーリングと飲みとスイーツビュッフェ三昧の日々でした。
社会人になって熱くなれる目標とトレーニング習慣を失い、平日1日も走らない月も当たり前にあるような生活になりました。この期間はお金も時間もあったため、世に言う高級スイーツや、ホテルのモーニングビュッフェに行き優雅な暮らしをしていました。
しかし何か満足しきれない、オリエンテーリングへの気持ちはくすぶり続け、ある飲み会で後輩に火種をもらったのをきっかけに2年前の冬に選手復帰を決めました。トレーニングを再開すると、もちろん食欲も再び燃え上がり、職場のランチでは足りずタッパーにみしみし詰めたお弁当を毎日頑張って作りました。
そして、オリエンテーリングのために食を制限するという予想しなかった逆転現象が起き始めます。今年の春からは半年ほど無職を謳歌しながらトレーニングに打ち込み、3食基本自炊、飲み会も控えめ、スイーツはご褒美に(結局食べてる)、そんな生活のお陰で人生一番の引き締まった身体を手に入れました。
更には再就職先も決まり順風満帆かと思った矢先、10月末に1ヶ月入院するケガ。入院中は足を曲げることも歩くこともほぼ許されず、ベッドで過ごす日々の大きなストレスにはハイカロリーすぎる病院食(出された食事が1日1900kcalだった)を残すこともありました。
退院後はそのリバウンドで、退院祝いにかこつけて何個もケーキを食べたりジャンキーご飯をしてしまったりですが、最近許可が降りて少しずつリハビリ運動も初めています。ぐったり疲れるまで走って空ききったお腹でご飯を食べられる日を待ち望む今日この頃です。
面白かったマイナースポーツいろいろ
簡単な自己紹介のつもりが人生を振り返ってしまいました。やっと本題です。
社会人になって一時オリエンテーリングの競技から離れていた時期に、いろんな世界を知りたいと興味があるものは片っ端から経験してみようとはじめました。世間に知られていない未知な体験の方がワクワクするため、自然とマイナースポーツが多くなりました。競技復帰後も遊び半分、トレーニング半分で気になるスポーツを取り入れています。これらの経験は、新たに好きなものを見つけられると同時に、今まで好きだったものへの想いをさらに強くしました。
今回は、気軽に挑戦できて面白かったものをいくつかご紹介します。
もやはマイナーではないこのスポーツから。私がいろんなスポーツに手を出すようになったもの、ボルダリングが最初でした。きっかけはグルーポンというネットクーポンサイトで80%offクーポンを見つけ、大学生の頃から名前は聞いていたもののお洒落なシティボーイ、ガールが楽しむものだと思っていた場所に行ってみることにしました。
つま先を使った繊細な動作が求められるので、専用の靴は通常履いているサイズより0.5cm小さいものを勧められます。初心者の人は簡単な安全講習を受けられますが、早くやりたい気持ちが抑えられずスタッフの話を適当にしか聞いていなかった私は、壁から離れたらすぐに靴も脱ぐようにというアドバイスを聞き損ね、ぎゅうぎゅうの靴で足が痛いのを我慢しながらやる苦行スポーツだと勘違いするところでした。登るとき以外はこまめに靴を脱ぐのを忘れないでくださいね。
ボルダリングのコースは、同じ色・形の目印がついている突起のみを使ってスタートからゴールまで進みます。傾斜が90度以上になると握力腕力の問題になってしまいすぐに限界がきてしまいますが、垂直もしくは90度より少ない壁で難易度を上げていくと長くできるしとても楽しいです。初心者がやるボルダリングの醍醐味は、「プラン」が上手にできてコースを攻略できた時だと思います。登り始める前に、壁全体を見てどの順番でどの突起を使っていくかを考えます。そして実際やってみると、身体がねじれてしまったり思ったより届かない距離だったりで落ちてしまうのですが、その都度また作戦を練り直していくのです。
ある時、どうしても攻略できないコースに友人と2人で1時間以上粘り続けていたら、その熱意に感動したスタッフさんが特別に滑り止めの粉を提供してくれたうえに、指の関節で引っ掛ける技と、腕の長さ以上に遠い突起に移る技を教えてくれたことがありました。こじんまりした空間でやっていると、近くの人が助けてくれることは度々あります。やり方がわからなくても、筋力に自信が無くても、気軽にトライして楽しめるものだと思います。因みにその日は4時間壁に張りついて、翌日はペットボトルの蓋を開けるのすらままならない筋肉痛に襲われました。
八ヶ岳レジャーセンターにも導入されたと聞くスラックライン、ざっくり言うとゴム紐の上で歩いたり飛んだりするバランスゲームです。どこにでも設置できて競技場所を選ばないこのスポーツは二子玉川やお台場で大会が行われており、5cm幅のラインの上でアクロバティックな技を披露する様子をニュースで見たことがきっかけでした。調べてみると府中にボルダリングとスラックラインが併設されているジムがあると聞き、何度か通いました。
初心者は、地面から10㎝くらいの低いラインを使って、前後に歩く練習から始めますが、長さは10m以上あるので上下にだけでなく左右にもぶれてしまいまい、思ったよりとても難しいです。身体の軸を意識して一歩一歩、動きはゆっくりなのにじんわりと汗をかいてきます。この日も思うように動けず悪戦苦闘していると、隣の高いラインでバック宙を練習していた上級者が、バランスをとる時のコツは手のひらを上にして腕は肩の高さを定位置にすると教えてくれました。言われたとおりにしてみるとすぐに歩けるようになり、調子に乗った私はすぐに高いライン(腰くらい)にもチャレンジし、弾みすぎて敷かれているマット外に落ちて痛い思いをしながらもスラックラインを楽しみました。身体を大きく使った方が良いという学びは、オリエンテーリングにも活きています。ボルダリングで腕と頭が疲れたら、スラックラインでインナーマッスルを鍛えるという充実した時間でした。
↓【参考動画】
Slackline WorldCup @ Freakwave 2013 - Director's cut - YouTube
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スカッシュ
室内で行う壁打ちテニスのようなものです。ボールはゴム製で4面の壁を使ってバウンドさせられるため、場外という概念ないうえに思いっきりラケットを振りぬけて、普通のテニスでは暴球ばかりの私もゲームを楽しむことができました。狭いコートでゴムの球を打ち合う割と手軽なスポーツかと思いきや、狭さゆえに展開が激しくストップ&ダッシュの連続に10分経たないうちに汗だくになります。最初はラリーを続けることに必死でしたが、しばらくすると横の壁を使ったり、相手を出し抜くショットを打てるようになり、運動量も成長感も大変満足でした。
どこでこのスポーツを知ったかは忘れましたがどうしてもやりたいと体験できるコートを探し回り、恵比寿のスポーツクラブの1日入会体験の中でスカッシュができることを知りました。午前中に受付に行きましたがスカッシュコートは数時間待ち。そう、知る人ぞ知る人気スポーツなのです。
↓【参考動画】
【スカッシュ】スピードと頭脳が要求されるテニスの派生スポーツ【神業】 - YouTube
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フィールドアーチェリー
森のなかでゴルフのようにコースまわりながら行うアーチェリーで、点数を競います。弓と矢を持つだけでもテンションが上がりますが、的によって射ち上げ射ち下ろしたり木を避けて山なりに射ったりと、変化に富んだ課題に向かいながら楽しめます。初めて弓を持つ人でも、普通の的で真っ直ぐ射る練習をしてからコースをまわれるので安心です。慣れ親しんだフィールドでいつもと違うことをする楽しさに加え、決められた道ですがコースを素早く移動すれば的の前で使う時間がたくさんとれるという点で、オリエンティアにはおすすめのスポーツだと思います。東京だと町田にあるので、気軽にふらっと行けちゃいます。
私の場合は、平地でまっすぐの的に射る方は得意でしたがコースでは力の調整がうまくできず惨敗し、二度とやりたくないと思いながら帰った記憶があります。的の後ろには網があるため許容範囲内なら外しても簡単に回収できるようになっていますが、結構大胆に外してしまい藪の中をガサガサすることになりました。しかし、思った通りの場所にズバンッと矢が飛ぶ快感は然ることながら、的によってどのように矢を流すか考えたりする時間や、背筋の躍動と呼吸を感じながら矢の先に全神経を集める感覚は楽しく、またいつかやってみたいなと思います。
同年代の人には英語の教科書で登場し名前を知っている人が多いのではないでしょうか。「カバディ!カバディ!」と連呼しながら追いかけっこをしているイメージがあると思います。しかし実際の競技カバディを一言で言うなら、人を使ったドッチボール形式の格闘技です。ルール等については割と複雑で長くなるので省略します。
日本カバディ協会のホームページから、都内の女子高を会場に月1回体験回を開いているという情報をキャッチし、乗り込みました。教えてくれるチームには日本代表も多く、直々に代表から教われる貴重な経験でした。わずか1時間の限られた時間で、ルールを理解し、攻防の技を練習し、最後はコートで練習試合までできました。素早く動きまわるだけでなく、逃げる相手を倒すタックルや大胆な技かけが求められます。普段練習することはないものの、私が大得意なことばかりでした。怖がらずガンガン攻めていく姿勢がとても良いと誉められたうえ、チームに勧誘いただきました。オリエンテーリングより先に出会っていれば、今頃カバディ選手になっていたかもしれません。因みにカバディという単語に意味は無く、意味がある言葉だと考えてしまうのでこの言葉を唱え集中を研ぎ澄ますそうです。体験会では集中し過ぎて唱えるのを忘れる参加者が続出していました。
女子でアメフトや相撲をやってみたかった人におすすめです。何人もの人にのしかかられる場合があるため、特に男子は屈強な身体が必要です。インド発祥のスポーツなので、バーフバリ好きは体験会に行ってみるべきでしょう。
↓【参考動画】
【カバディ】この人数から逃げられるのが凄い…神業スーパーレイド集【マイナースポーツ】 - YouTube
日本ではエクササイズとして知られていますが、ブラジルの奴隷たちが音楽にあわせダンスにカモフラージュしながら禁止されていた護身術や格闘技の練習をしていたことが元になっているそうです。なんとこのスポーツも、グルーポンで格安チケットを見つけたのがきっかけでした。調べてみると意外にも多くの場所でレッスンが開催されており、カポエィラ民は全国津々浦々にいることを知りました。
新橋の雑居ビルのバレエ教室を借りて行われたレッスンは老若男女が自由に集まってきて、着替えは部屋の隅っこに立てられてテントでする、なんとなく慣れた空気の中で始まりました。初心者コースなので、基本的に先生の動きをひたすら真似てついていくものでしたが、簡単なステップを数パターンできるようになるとすぐに蹴りや護身を混ぜていきます。段々と動きが複雑に、激しくなってくると足がもつれ技が適当になってしまうのですが、気まぐれで先生が相手役になって蹴りを出したり受けたりしてくれるので気が抜けません。地面に伏せて相手の蹴りを避けてからステップを踏んで回転蹴りがお気に入りの流れでした。数回しか通えなかったので2人で組むところまではたどり着けませんでしたが、音楽に合わせて全身隅々まで使う運動はとても気持ち良かったです。どんなスポーツでも、自分の身体の可動域を知って、意識通りに動かすことが大切だと改めて感じる時間でした。
↓【参考動画】
Best Capoeira Brazil - YouTube
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スカイランニング
体力強化の一環としてはじめたこの競技ですが、トレイルランニングとは差別化されており1レースでのアップダウンが非常に激しいのが特徴です。例えば水平距離5kmでup1000mの斜面を駆け上がるだけのレースや、標高2000mエリアでの50㎞以上登ったり下りたりを繰り返すレースもあります。とにかくフィジカルの強さが求められると同時に、スキーゲレンデやガレている場所をよじ登り駆け下りランニング技術も必要になるため、オリエンテーリングをやっている人は誰もがレース攻略の素質を持っていると思います。特に巡行は高くて体力もあるけど地図読みが苦手でなかなか会心のレースができないという人は、スカイランニングに1度参加してみて欲しいです。
昨年から「オリエンティア軍団」という名でオリエンティアも複数名この競技に参加し優秀な結果を多々出しているため、最近では両スポーツ界でお互いの競技の存在が認知されるようになってきました。オリエンテーリングのようにプランする自由や面白さは無いけれど、変化に富んだコースは刺激的で無限回辛いと思った後にたどり着いた稜線や頂上から景色を見下ろす瞬間は最高です。大会も演出賑やかなお祭りで地元の美味しいものも食べられることが多く、短めなコースなら気軽に参加し気持ちよく汗をかいて楽しい時間を過ごせると思います。
↓「オリエンティア軍団のHP」
https://orienteergundan.jimdofree.com/
いろんなスポーツを通してオリエンテーリングを好きになった話
いろんなスポーツをやればやるほど、それぞれの魅力に惹かれ、自分の性格に合ったものとの出会いもありました。でもやっぱり毎回最後には、それ以上にオリエンテーリングがとても好きだと思うのです。広大なフィールドに自分だけの道を敷き、いくつもの地形を越えた先にイメージ通りオレンジのフラッグが見えた時の喜びは何にも代えがたく、こんなにも自由で刺激的なスポーツは他にありません。
また、異なる特性のスポーツをやることで自分の身体や能力について前よりもよく理解できるようになり、トレーニングも改善することができました。この記事を読んで新たなスポーツにはまる人がいても良いし、私と同じく更にオリエンテーリングを好きになる人がいてもとても良いと思います。
さらに、以前はオリエンテーリングを対外的に話すときマイナー競技であることや競技者の母数が少ない中で勝っていることに何となく引け目を感じてしまっていましたが、様々なスポーツとそれにまつわる人々と出会い、こんな環境だからこそ堂々と発信していくことの大事さと、自分が他の競技でもある程度の結果を残せる身体レベルにある自信を見つけることができました。
今はオリエンテーリングについて、誇りと情熱をもって話しています。最近働き始めた会社の採用理由も、面接での自己紹介が公演のように面白かったから、とのことでした。
何かを強く好きだという気持ちは、生活のいろんな場面で大きな力になってくれると感じています。皆さんもそんな何かを見つけられますように、願っています。