オリエンティア Advent Calendar

オリエンテーリングを語ろう。

楽しむことと勝つこと


皆様こんにちは。山森汐莉(金沢大学’15入学)です。
これまでもこれからも読む側いるつもりだったこの企画ですがありがたいことに執筆依頼をいただきました。そこで、今回はインカレの結果だけに執着しすぎた私がオリエンテーリングを楽しめなくなったことについてインカレの写真をばらまきながら(話とは関係ないかも)お話ししたいと思います。2019/12/05に投稿された佐藤くんの記事と若干被るかもしれませんがご了承ください。


こんな話を私がしようと思ったきっかけは3つの経験があったからです。

出来事1=インカレ入賞
オリエンテーリングを始めた当初から先輩や全国同期からのいい刺激をうけ、恵まれた環境にいました。1年目こそグダグダなレースをくりかえしていましたが、2年目になるとそういったミスも少し減りメキメキと上手くなるのと同時にオリエンテーリングの楽しさにのめりこんでいました。いいレースをすると楽しい上に勝ちたいという欲求も満たされるからいいレースを安定してできるような選手になることが目標でした。そんな時に2年目までの締めくくりと位置付けて挑んだICML2016でのミドル準優勝とリレー4位はとてもとても嬉しかったことを覚えています。順調に成長していることを実感してオリエンテーリング人生万々歳な競技2年目でした。

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ISMR2016リレーメンバーと入賞確定後の一枚。幸せだった


出来事2=セレ落ち
その後、インカレでの準優勝に続けと言わんばか

りに夢はでっかくインカレで優勝するという目標を掲げました。インカレで入賞できた時の嬉しさは他大会とは違いとてもとてもとても嬉しくて頑張ってきてよかった、次も頑張ろうと思えました。しかし、そんな私に難関が訪れます。それが4年目の北信越学連ミドルセレクションなのですが北信越インカレミドル女子選手権出場権枠は学連枠のみの1枠でした(お察しください)。もちろん目標達成のためのセレ通過


は大前提でした。しかし、目標設定の仕方にも問題があったと思うのですが一つしかない枠を勝ち取ってインカレで優勝しなきゃいけないというプレッシャーに押しつぶされ、見事セレ落ち。初めてセレ落ちした(当時は沢山の枠がありました。)というショックと目標達成が途絶えたショックとが相まってほんとに悔しかったです。こんな感じで3、4年目は2年目のインカレ入賞をまぐれと思われたくないとか、同期が結果を残してるから私も残したいとか、い金大を衰退させたくないとかそういう理由から、勝ちたいという欲求をレースの内容を充実させて満足することではなく結果そのものとして考えるようになっていました。レースの内容がどうであれ結果でオリエンテーリングの存在意義を見出そうとする(もちろんこんなオリエンテーリングは楽しくなかった)という状況に陥っていました。

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1枠を争う舞台となった関ケ原でもミドルセレレース


出来事3=オリエンテーリングをやめた
勝ちたい欲が過剰になりすぎて結果にだけ執着するようになり、オリエンテーリング をするのが苦痛になり勝てないとさらに嫌になり…負のスパイラルに入った私はセレ落ちした時にとりあえず、いったん、オリエンテーリングをやめようと決めました。沢山の人からはやまるな!インカレに行こう!オリエンテーリング しよう!と言われましたが私の決心は固かったです。とにかく、オリエンテーリングについては考えない生活をしました。

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ICSL2017 因縁の関ケ原との初対決。めちゃめちゃミスって既に泣いてる




オリエンテーリングを辞めて気づいたこと
しかし、オリエンテーリングを辞めて2ヶ月くらい。何か生活が寂しい。なんせ4年間オリエンテーリングの予定に合わせて学校やバイトのスケジュールを組んできたので、オリエンテーリング がごっそり抜けると何していいか分からなくなり、ただバイトと学校と布団を行き来する毎日。あぁ、オリエンテーリングしたいな、っておもいました。やりたいって思ったら即行動したい派のなので、さっそく大会にエントリーしました。大会当日まで、早く当日にならないかなとワクワクしたのは1、2年生の時ぶりでした。久しぶりにやりたいと思ってやったオリエンテーリング は現ロスだってしたし、しんどくて沢山歩いたのに、そんなことよりもなんだ!この楽しさは!これこそがオリエンテーリング の本質だ!!!とおもいました。そして、当時死ぬほど苦しんだ私に足りなかったものはレース自体を楽しむこと(レース内容の充実性)なんだと確信しました。オリエンテーリング から距離を置いたことで楽しむことを思い出し、さらに勝ちたい気持ちを結果として具現化するのではなく内容の充実として具現化したいと思えるようになったため、オリエンテーリングの復帰を決めました。

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インカレリレー前夜のリレー抱負発表(Tシャツはかっこよくなったことがない)

 


楽しむことと勝つことの両立のために今私がしていること
この2つを両立するために何をしたらいいか。ここまで答えを引っ張っておきながら申し訳ないのですが正解はわかりません。でも大事なことはオリエンテーリングをやる本質である楽しむことだと思います。結果に執着することでしかオリエンテーリングをやる理由が見いだせなくなり、楽しくもなんともないオリエンテーリングを経験したことで、オリエンテーリングそのものときちんと向き合おうと思うようになりました。純粋にオリエンテーリングを楽しむということを大事にしている現在は昔と同様に勝ちたいという気持ちがありますが、「勝たなきゃいけない」という3、4年目の時のようなものではなく、「この楽しい競技でさらなる高みを目指したい」という1,2年目に近いように思っています。まさかオリエンテーリングまだまだひよっこな、1,2年目の時の私から学ぶことになるとは思いませんでしたが、このスタンスがまた崩れないようにオリエンテーリングと向き合う精神的な面も鍛えたいと思っています。

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ICSL2015 顔は隠したけどそうそうたる面々だった。



最後に
長々と書いてしまいましたが、「勝ちたいならまず競技そのものと向き合い楽しむ」ということに気づいたのはさまざまな経験ができたからだと思っています。気づくのに沢山の時間がかかり気付いたらインカレという、私にとっては特別な舞台はもうなくなっていましたが、いいことも悪いことも含めて経験できるインカ

レという特別な場所が用意されている学生時代は本当に貴重だと思います。勝ちたいと思っているけれども、伸び悩んでて苦しい人は純粋にオリエンテーリング そのものと向き合い楽しむことと自身のオリエンテーリングの充実を両立するということを考えていただければ少しは解決するのではないかなと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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ICMR2017 一番好きな写真