オリエンティア Advent Calendar

オリエンテーリングを語ろう。

地域クラブについて

こんにちは。
京大OLC4年目、大阪府の地域クラブKOLA所属、そして日本学生オリエンテーリング連盟の幹事長を務めている藤本拓也です。

私は「地域クラブに入ろう!」という話と、「地域クラブに入る人を増やすには?」という話をしたいと思います。


自己紹介

京都大学2016年度入学、そしてご多分にもれずオリエンテーリングを始めたのは大学1年生のときなので、今年でオリエンテーリング4年目となります。

京大4年といえば岩井が有名ですが、実は彼とは中学の頃から部活同期です。一方で私はというと今までまともな競技成績を残したことがなく、あまり広くないオリエンテーリング界の中でも無名なこと間違いなしの存在です。

が、2年生の頃に関西学連副幹事長に就任したのを皮切りに関西学連幹事長、日本学連幹事長と順調に出世しており(なんとここまで1年先輩の遠藤さんと全く一緒!)、その肩書きもあって今回Advent Calendarの執筆依頼をいただきました。

 

やはり学連のことを書くべきかとも思いましたが、まともな記事を書ける気が全くしなかったので学連と直接は関係ない内容を書きます。すいません。

幹事長の立場としては、昨年度幹事長の遠藤さんの記事 

はとても読んでほしい内容なので、こちらも是非。

 


なぜ地域クラブの話?

自分自身が地域クラブに入っていてみんなもっと入ればいいのに、って思っているからです。

それに加えてもっともらしいことを言うとすれば、「大学卒業後のオリエン離れをなんとかしたいから」です。

JOA競技者登録している人のうち、学連登録者の占める割合はなんと6割弱です。これは学連登録することで自動的で競技者登録できる、というもあるとは思います。

とはいえ、大学卒業後大半の人はやがてオリエンテーリングから離れていくというのは確かなことのようです。たとえば全日本大会の21クラスよりも高齢のクラスの参加者を見てみると各クラス多くても15名前後。

これは「生涯スポーツ」を謳うスポーツとしては寂しくないでしょうか?

 

そこで私が取り上げたいのが地域クラブです。もちろん大学卒業後のオリエンテーリング離れには様々な背景があり、簡単な話では片づけられないと思います。

ですが、地域クラブに所属する人が増えれば、オリエンテーリングを続ける人も少しは増えるのではないか、と思ったのです。日本人は帰属意識が強いと言われていますし。

 


もう少し前置き

私が大阪府の地域クラブKOLAに入った経緯について話したいと思います。

私がKOLAに入ったのは2017年夏、つまり大学2年生の夏です。そんなに早いうちに地域クラブに入る人ってほとんどいないですよね。色んな人に入ったきっかけを聞かれます。

とりあえず「クラブの雰囲気が良さそうだった」とか答えますが、「外堀を埋められたから」というのが正直なところです。

ただ、入ったことは全く後悔していないです。KOLAには競技派な人はあまりいないのですが、毎年必ず3回大会を運営していたり、リレーは複数チーム出したりとゆるいながらもオリエンを参加者としても運営者としてもちゃんと楽しむ雰囲気が僕は好きです。

あと、トリムを無料でもらえました。関西以外の人でも大会会場で見覚えのある人も多いのではないでしょうか(笑)

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そういえば、本日12月19日はKOLA新春大会の申し込み締め切り日です。来てください!お願いします!(唐突な宣伝)
https://japan-o-entry.com/event/view/384

 

前置きはこれぐらいにして本題に移ります。

本記事を書く前に4年生を中心とした現役大学生及び若手OBOGを対象に地域クラブに関する簡単なアンケートをとってみました。

現役生で回答してくれたのは52人、OBOGで回答してくれたのは38人でした。ありがとうございます。

 


地域クラブに入ろう!

◎ 大学卒業後もオリエンテーリングを続けるために

おすすめする理由としては、これが一番大きいです。

実際アンケート結果を見ると地域クラブに入った動機として8割近く「大学卒業後もオリエンテーリングを続けたい」が選ばれていました。

大学生の間は大会に一緒に行く仲間がいますし、申し込みや交通も誰かが取りまとめてくれます。しかし卒業すると(or卒業して数年経つと)それらがすべて無くなってしまいます。

当たり前と言えば当たり前ですが、これはとても大きなことだと思います。無所属だと大会参加のハードルを高く感じる人は多いのではないでしょうか。私はこれが「大学卒業後のオリエン離れ」の原因の1つだと思っています。

 

実際に「地域クラブに入っていて感じるメリット」として、

・(大会に)行こうか迷っている時に行く方に傾くきっかけになる
・知り合いが増えるので卒業してからも大会に行きやすい
・卒業後も競技者登録を取りまとめてもらえる

などの声がありました。

 

また、地域クラブに入っているとリレー大会に出られます。大学を卒業してからもクラブを背負って走ったり仲間を応援したりと、リレー独特の雰囲気を味わえるのは良いことではないでしょうか?そしてそれがオリエンテーリングを続けるモチベーションにもなると思います。

 

さらに、地域クラブに入ると知り合いが増えます。地域クラブのメンバーは出身大学が様々で年代も幅広いです。大学クラブのつながりだけでは聞けなかった話も色々と聞けます。

大学を卒業してしまうと所属コミュニティが狭く小さくなりがちと言われます。そこにコミュニティの1つとしてオリエンテーリングの地域クラブがあると生活が豊かになるのではないでしょうか?

 

大学を卒業して、「これからもオリエンテーリングを続けたい。けれど、面倒だな…知り合いも少ないし…」と思っている人、将来そうなりそうな人には地域クラブに入ることをおすすめします

 


◎ いつ入れば良い?

院進するかしないか、居住地が変わるかどうか等があり、人によってタイミングが全然違いますよね。

ですが、私は地域クラブに入るなら早い方が良いと思います。院進・就職するとほとんどの人はオリエンテーリングの頻度が減少します。日々の生活も忙しくなります。そうなってから地域クラブを選ぶのは結構大変だと思います。

 

就職したら移住するし…という人は年度始めの各クラブ主催のイベントに行ってみて雰囲気をつかんでみることをおすすめします。4月~6月あたりの時期は多くのクラブが大会や練習会を開きます(はっきりと「新歓」と名のついたイベントもありますね)。

 

これから今住んでいるところを離れる予定だけれど、知り合いのいないクラブに入るのは…と感じる人は、今のうちに地元のクラブに入っておくのはどうでしょうか。住んでいる場所から遠い地域のクラブに所属してCC7は走りに行く、運営は行けたら行く、というスタンスの人も結構います。私も4月からそうなる予定です。

 

あと、地域クラブに早く入っておいて損をすることはほとんどないと思います。次の大会運営に入るよね?とか、リレー出るよね?とか、そういう雰囲気ではないです(たぶん、多くのクラブでは)。学生なら会費タダですし(たぶん、多くのクラブでは)。

深く考えずに入ってみるのも悪くないと思います

 


地域クラブに入る人を増やすためには?

ここからは地域クラブ目線で自分たちのクラブに入ってくれる人を増やすにはどうすればいいのかについて考えてみます。

地域クラブに入ったら、やっぱり自分の所属するクラブにたくさん人が入ってほしいですよね。お隣のクラブは最近どんどん会員が増えているのにどうしてうちには…って思う人も多いのではないでしょうか。

 

前述したアンケートの中で既に地域クラブに入っている人・入ることを検討している人に対して「地域クラブを選ぶ上での決め手」を聞いてみました。

選択肢は「クラブの雰囲気」「知り合いが多い」「活動拠点の場所」「リレー大会で強い」「参加費補助等の金銭面」「運営している大会が魅力的」「その他」で、複数選択可および一つ(最大の決め手)選択の2つの質問をしました。

 

結果は「クラブの雰囲気」「知り合いが多い」「活動拠点の場所」の3つは半数以上の人が選び、その他の選択肢を選んだ人は僅かでした。まあ当たり前だと言われればそうですね。

一方で最大の決め手に関しては、上記3つが拮抗していました。これはちょっと意外でした。3要素のどれもが重要だということです。この結果を踏まえていくつか考えてみます。

 

◎ 全日本リレーに出場する学生選手にアピール

全日本リレーに出場する学生選手は、普段とは異なり都道府県を代表として走ります。前日には同じ宿で決起会を行う都道府県も多いと思います。

これこそ絶好のタイミングではないでしょうか。出身地や居住地が近い人が集まるのは当然として、社会人と学生が交流することで学生にクラブの雰囲気を知ってもらうことができ、学生にとっての社会人との心理的距離も縮まります。

 

◎ 若手クラブ員が積極的に勧誘

大学生や若手OBOGから見たクラブのイメージは、同じ年代・知り合いのクラブ員から感じることが多いのではないでしょうか。若い人から勧誘される方が心理的ハードルはかなり低くなると思います。勧誘する方としても同じ年代の人が増えるとより楽しくなるのでwin-winですね。

私も今まで若手としてチヤホヤされていました(たぶん)が、これからは頑張ります(たぶん)。

 

SNSの利用

今や広報活動においてSNSは欠かせない存在です。たとえば大学の新歓でTwitterを見て来た、と言ってくれる人は多いですよね。

学生オリエンティア御用達のSNSTwitterは地域クラブの広報にも使えるのではないでしょうか。定期的に普段の活動や運営について流すことができれば効果的な宣伝媒体になると思います。

 


ぼんやりと3つ挙げてみましたが、結局のところ大事なのは「学生との接点を増やす」ことだと思います。ほとんどの学生には地域クラブとの接点がそもそも無く、どこの地域クラブに入るか以前に地域クラブに入ること自体のイメージが湧かないのだと思います。

 

オリエンテーリング界は狭い世界ですが、その中でも地域クラブに入り、さらに自分たちの地域クラブを選択してくれる人というのはごくわずかな割合になります。大学等でオリエンテーリングを知らない新入生たちを相手に新歓をするときのように、クラブとして戦略を立てることが必要なのかもしれないですね。

 

最後に

取りとめのない文章になってしまいましたが、この文章を読んで少しでも多くの人が地域クラブに入ることについて考えるきっかけになれば幸いです。

 

もちろん、KOLAも会員募集中です!

http://kola1975.mbsrv.net/