オリエンティア Advent Calendar

オリエンテーリングを語ろう。

ロングセレMF35位がインカレエリートになるまで

こんにちは.2020年度オリエンテーリングアドベントカレンダーの3日目を担当させていただきます宮嶋哲矢と申します.

 

簡単に自己紹介をしますと,現在千葉大学の4年生(2017年度入学)で,地域クラブの京葉オリエンテーリングクラブや長野県協会の一員としても活動をさせていただいています.大会での目立った実績はほとんどありませんがインカレの選手権クラスに出場できるくらいにはオリエンテーリングを頑張っています.

 

今回アドベントカレンダーを執筆するにあたり私にはこれと言って自慢できることが無くどうしようか悩みましたが,オリエンテーリングを始めてからの4年間で競技面でどのようにオリエンテーリングに向き合ってきたかを書かせていただきたいと思います.というのもオリエンテーリングは未熟だけどインカレで活躍する選手たちに憧れていつか自分もあの舞台に立ちたい!という方々はたくさんいらっしゃると思います.何を隠そう自分もその一人でした.インカレ入賞や日本代表までとはいかなくともまずはインカレエリートになりたい!そういった人たちにどのようにオリエンテーリングに向き合えばインカレの舞台までたどり着けるか,私の場合を知っていただきたいと思いこのテーマにしました.(過去の自分に向けたテーマでもあるわけです.)

 

まず私のバックボーンについてお話しします.高校時代の部活は山岳班でした.普段の練習は特になく,月一くらいで週末に登山に行くという超ゆるゆるの部活でした.そのため特に足が速かったり体力があったりするわけではありませんでした.またオリエンテーリングの才能もなく,いわゆる「ド素人」「凡人」でした.タイトルにもあるように,1年時の関東学連ロングセレではMF35位であったほか,新人戦では約60人中44位でした.はい.オリエンテーリングが好きなのは今でも変わりませんが,当時はいくらやってもミスばかりでモヤモヤしていたのを今でも覚えています.

インカレとの出会い

そんな小僧だった私の中で大きなターニングポイントとなった出来事は1年の秋インカレでした.私は会場で選手権クラスが始まるのをのほほんと待っていましたが,少しずつリズムに合わせた応援がポツポツと聞こえてくるのです.そしていつしか会場中が応援の声で埋め尽くされていきました.そこでは各大学のメンバーたち全員が自分の大学やクラブのエリート選手たちを声が枯れるまで応援していました.ロングにしてみれば1時間以上,届いているかもわからない声援を送り続けているのです.先輩方が口酸っぱく言っていた「インカレ」「エリート」がこんなにアツく価値のあるものなのかというものを実感した衝撃的な出来事でした.

 

その時から「インカレ」を4年間の明確な目標にしてオリエンテーリングに取り組むようになりました.

続けて,インカレのエリートになるにはどうすればいいのか,自分で考えたり先輩に聞いたりしました.その結果一番の近道はトレーニングを積むことだという結論に至りました.

エリートへの道① トレをしよう

幸いにも当時の千葉大にはいつも暇そうに部室にいる先輩がいました(誉め言葉).その先輩たちにトレしましょう!と言うといつでも一緒にトレをしてくれたのでそのおかげで毎日トレーニングをするという習慣がついていきました.1年生のうちにこの習慣がついたのは今思えば本当に大きかったと実感しています.

 

トレの内容についてですが,1年生の時から多少変遷はありますが,主に次のようなことをしてきました.

・稲毛防風林

大学から2.5kmほどの場所に通称「防風林」と呼ばれるちょっとした林があります.トレ内容としてはジョグで行って1周600mのコースを6周して帰ります.不整地かつアップダウンがあるところを3~4km走り続けるのでオリエンテーリングの実践に近いトレーニングができます.

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稲毛防風林.ガチA薮が広がります.

・ポートタワー

大学から4.5kmのところの千葉市の名所 (?) です.街中を走るので信号が多いですがそれを逆手に取って,信号から信号までは全力で走り,赤信号の数十秒間休むといった中距離のインターバルをしています.日によってどの信号で止まるか変わるので精神的にも鍛えられます.

千葉公園

大学から2kmの公園です.公園内に100mごとに目印のある1周600mのコースがあるのでそこで400m-400mのインターバルを5,6周やります.

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千葉公園

 

これらのメニューに共通しているのはメリハリがしっかりしているということです.トレーニングのどこかで自分の限界に達する場面があり,そこで踏ん張ることで力になっていることを実感しています.特にインターバルをメニューに取り入れた2年生の途中あたりから体力がみるみるうちについていったのでインターバルの効果は絶大だと思います.

これらのメニューを中心にジョグやスプリントを混ぜながら平日のトレーニングをしています.レストデーは週1くらいです.このような内容で月間180kmくらい走っています.

 

この月180km,多いか少ないかは人それぞれではありますが個人的には決して多いほうではないと思っています.というのも当時先輩たちにはインカレエリートのボーダーは月200kmとも250kmとも言われてきたからです.黄金世代と呼ばれる15年度入学をはじめとしてその時の選手のレベルが高かったのもあるとは思いますが,それでもこれだけの距離で体力がついていったのは継続できたこと,そしてメリハリのあるトレができたことだと思います.だから100kmでも50kmでもきちんとメリハリのあるトレができていれば確実に力はついていくと考えています.

エリートへの道② オリエンに行こう

普段のトレ以外にも大事なのはオリエンテーリングに行くことです.特に私のようにセンスのない人間はとにかく数をこなしてテレイン内の距離感や地形のスケール感や方向感覚を養ったり,森の中での走り方や速いルートの見極めやペース配分などを経験で掴んだりする必要がありました.また,当然ですが森を走るのを速くなるためには森を走るのが一番です.体力的にも実際にオリエンテーリングをすることで向上させることができると考えています.

 

ざっくりではありますがこのようにして私はコツコツと泥臭くオリエンテーリング競技に向き合ってきました.

ですが初めてインカレセレを通過したのは3年のロングセレでした.実に2年以上かかりました.自分なりにストイックに頑張ってきたという思いもあったため,なかなか上達しない状況が非常につらい期間でした.特に年に数回訪れるセレ落ちの直後はガツンと堪えるものがありました.(もちろんトレの内容が薄い,足りないというご指摘もあるとは思いますが.)

 

それでも腐らず頑張れたのは,インカレという舞台で活躍する先輩方や同期からの刺激,オリエンテーリングを通して出会った繋がり,先輩たちとトレをした日々,そして何よりオリエンテーリングが好きだったからです.「好之者不如楽之者」(これを好む者はこれを楽しむ者に如かず)とはよく言ったものだと思います.

まとめ

言いたいことをまとめます.ひとまずインカレエリートになるということだけを考えたとき,臭ぇな!と言われてしまうかもしれませんが,努力は必ず報われます.ちゃんと言うと,オリエン向いてないかも…という人でも焦らずトレとオリエンの継続をしていれば4年間で必ずその目標は達成できます.自分がそうだったからです.だから自分を信じて続けていってほしいです.すごく精神論っぽくなってしまいましたがだまされたと思ってぜひ頑張ってほしいです.そうすれば必ずあの最高の舞台に立つことができます.

 

中途半端なことしか書けませんでしたが以上でお話を終わりにさせていただこうと思います.最後になりましたが改めて私はオリエンテーリングが大好きです!そんなオリエンテーリング界を支えてくださるすべての方々に感謝をして締めとさせていただきます.

ありがとうございました.