オリエンティア Advent Calendar

オリエンテーリングを語ろう。

私の登りが速くなった理由(わけ)

オリエンティア Advent Calendar 2021 6日目

「私の登りが速くなった理由(+語りたいこと)

 

はじめに

東北大学2015年度入学の高橋友理奈です。2年連続で依頼を受けましたので執筆させていただきます。深く考えずに喋るのは得意な方ですが、考えをまとめて話すことや文章を書くことが苦手なので大目に見ていただけると幸いです。今回は私の登りが速くなった理由と、そこから派生して語りたいことを思うままに話していきます。途中で論点がどんどんずれていきます。ご了承ください。よろしくお願いします。

 

☆学生時代のオリエンテーリングについて

学生時代の私はいわゆる巡行芸人でした。(しかも巡行芸人のくせに道走りとスプリントが大の苦手でした( ノД`))そんな私ですが負けず嫌いの性格が功を奏し、インカレロングWF39位・ミドルWF33位が、インカレ選手権の部や全日本大会21Eクラスで入賞するレベルまでに到達しました。JWOC、WUOC、AsOCと国際大会にも挑戦させていただき、まさにオリエンテーリングが学生生活の主軸でした。

ちなみに学生時代は毎週末必ずオリエンテーリングをすることで下手さをなんとか補っていたのですが、卒業し頻度が減った途端にさらに下手になってしまいました。

 

☆スカイランニングとの出会い

大学卒業後すぐに、スカイランニングという競技に出会いました。

「地図を読まなくていいゆりなに向いたスポーツがあるよ!」と東北大学のY太郎先輩にお声がけいただき、最初に出場した粟が岳スカイランニング(ワールドシリーズ戦)で5位入賞&賞金1万円をGET✨しました。(しかもスタート地点を間違えて1.5kmも長く全力を尽くしました←)

その時に「この競技は自分に超向いているかもしれないΣ(・ω・ノ)ノ!」と思ったことがスカイランニングをはじめたきっかけです。

 

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びわ湖バレイスカイラン2019(VK)ゴール後の1枚
お手軽に絶景を楽めることもスカイランニングの魅力のひとつ✨
(当時の太腿の筋肉がスカイランナーとしては一番理想的)

 

スカイランニングとは

『山岳などを垂直方向に駆け登る、駆け下る速さを競うスポーツ』です。簡単に言うと快速登山でタイムを競うイメージです。

※水平方向の移動が伴うトレイルランニングとは区別された競技です。

スカイランニングについて詳しくは、2019年度のアドベントカレンダーの初日に公開された、オリエンティア軍団・有賀さんの投稿をご覧ください。

t.co

 

「登りセクションの速さ」を競うバーティカルキロメーター部門において、2019年の全日本選手権で準優勝を果たし、その結果を受け、今年7月にスペインで開催された世界選手権2020(コロナ禍により1年延期)にも日本代表として出場予定でした。

本当は、、去年アドベントカレンダーの執筆依頼を受けたときからスカイランニング世界選手権の話もここに書きたいなと思っていました。

「予定でした」で、出場が叶わなかった理由は、出国前日に自転車に乗っていて下り坂のヘアピンカーブで滑って顔から転倒し、「鼻の下を5針縫う」「前歯を3本折る」など、とんでもなくしょうもない怪我をしたからです。

(なんという運動音痴でしょうか…)

 

応援してくださった皆様、本当に申し訳ございませんでした。この場をお借りして改めて謝罪させてください。

 

(ちなみに私の上の前歯は保険適用の1本5千円の被せ物により元々の歯並びよりきれいになりました...)

 

さて前置きはこのあたりにして、本題に入ります。私の登りが速くなったわけを紹介しつつ、登りを鍛えるとオリエンテーリングにもすぐに活かせるよ!という話をしていきたいと思います。

 

私の登りが速くなった理由

1.東北大学学友会オリエンテーリング部の練習環境

東北大学は自転車で行ける距離にテレインを複数所有しており、週末に山でオリエンテーリングができる環境が整っています。

大学1・2年生の頃は毎週末にママチャリを10~20km漕いでテレインに行き、ロングレース走るという、入学前に思い描いていた✨キラキラJD✨とはかけ離れた生活を送ることに...。

さらに東北のテレインはゴツくて薮いので、フィジカル面と精神面どちらも鍛えることができました。

 

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東北大学所有テレインの一部
代々の先輩方が残してくださった財産です。
どのテレインも大学から自転車で行ける距離にあります🚴

 

また、東北大学青葉山キャンパス(クマ🐻やイノシシ🐗がしょっっちゅう出没します)の裏には、不整地を走る練習にもってこいのトレイルがあります。

・トレイルコース(通称:金博) 往復5km↑290m

・インターバルに適した不整地の坂(通称:太田坂) 400m↑50m

ここで合トレが頻繁に開催されたり、研究室をよく抜け出したりして走っていました。

 

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住んでいたアパートと大学の間にトレイルコース(通称:金博)があったので、
よく登校ランとしても利用していました。

 

毎年年末に行われる冬合宿も、なかなかの強度でした。

静岡テレイン🗻で4日間の日程で行われることが多く、レース・サーキットのほかに恒例のファシュタも必ず行っていました。

学生時代は冬合宿の強度の高さに対して、1ミリもきついと思わなかったことが不思議でなりません。

これらが「東北大はゴリラが多い」という言われる所以ですね。。

 

2.ナビゲーションが下手すぎたから

私の場合、ナビゲーションが下手で律速になってしまうことが多く、特に平らな部分ではスピードをセーブしてオリエンテーリングをしていました。

(速いスピードを維持したままのオリエンテーリングを完成させたいと思っていましたが、どうしてもどこかで飛んでしまい、完成させることはできませんでした。。)

一方、登りは体力が律速になってくれるので、全力で登ってもナビゲーションが追い付き、ミスに繋がることが少なかったです。その結果自然と登りの区間を頑張るようになり、登りが速くなったというのが私の仮説です。

学生時代は地形がはっきりしていてナビゲーションが比較的容易なゴリラテレインが大好きでした(笑)

一方、最大の目標にしていたインカレは難易度が高く、特に女子のロングは他の大会と比べて距離も短いうえにアップ率も低いことが多かったため、もっと走らせて登らせて、ミスを挽回できるところ増やしてほしい!と切実に思っていました(笑)

 

3.筋肉と走り方

おそらく私は鍛えると筋肉がつきやすい体質です。

そして斜度によって以下のように脚の筋肉を使い分けています。

・斜度の急な登り➡太腿の大きな筋肉を使ってパワーハイク(大股で歩いて登る)

・斜度がやや急~緩い登り➡太腿にプラスしてふくらはぎの筋肉も取り入れながら小刻みに走る

しっかり筋肉を使って登ることができれば、筋肉と登坂力を鍛えられると思います。

☆走り方のポイント

パワーハイクではかかとからしっかり地面を蹴り前傾・大股で力強く進むこと、やや急な登りを走るときはつま先で着地し小刻みに腿上げをするイメージがポイントです。コンクリートなど反発の強い坂を登るときはかかとから設置し、地面からの反発を前に乗せるイメージで走ると速いです。

 

◎登りの速さはオリエンテーリングですぐに活きる

オリエンテーリングもスカイランニングと同じで速さを競うスポーツなので、足が速くて体力があった方が勝負に勝ちやすいですよね。

特に登りを課題としている人は多いのではないでしょうか。

登りが速くなる分には、ナビゲーションスピードを上げる必要もないので、手っ取り早くタイムを縮めることができます。

平日に陸上トレーニングを取り入れている人が多いと思いますが、平地と登りでは全く走り方が異なりますので、登りに特化した練習(坂インターバルなど、不整地だとなお良い)も取り入れることをおすすめします。

 

 

一周まわってオリエンテーリングがやっぱり楽しい!

学生時代の私は上達して勝負に勝ちたいと強く思っていましたが、「地図を読んでナビゲーションをする」というオリエンテーリングの本質を楽しめてなかったと思います。

勝つために競技に打ち込み、レースで速かったら嬉しい、遅かったら悔しい、つまらないと思っていました。

しかし、大学卒業後スカイランニングという他競技に取り組んだことで、

「地図を読む」「ルートを決める」「ポストにアタックする」

という、自分に対して常に判断力が求められるオリエンテーリングの本質的な楽しさに気が付きました。今は「難しいレッグで頭を使い、上手くポストに辿り着けたとき」に純粋に嬉しさを感じます。

学生時代は競技の本質を楽しめていなかったと思うと述べました。しかし、複雑な要素が絡み合ったオリエンテーリングは奥が深く、一筋縄ではいかない競技だからこそ、時には悩みながらも上達することが楽しくて打ち込んでこられたのだと思います。

現在は平日に一色淡な日々を送っていることも影響しているのか、週末にをフル回転させる刺激的なオリエンテーリングというスポーツを、“純粋に”、“気楽に”楽しむことができています。

(自分は人と話すことが好きなので、オリエンテーリング仲間とお喋りするのが楽しいこともオリエンテーリングを続けていきたい理由の一つです。)

 

最後に

せっかくの機会なのでスカイランニングの魅力も以下に述べますね。

★スカイランニングの魅力★

・絶景をお手軽に楽しめること

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蔵王スカイランニング
蔵王連峰御釜の展望が最高でした。今年はコロナ禍の影響でJSA登録選手のみの縮小開催となってしまいましたが、来年以降みなさんに一番におすすめしたい大会です。

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鹿島槍スーパーバーティカル
雪上のスカイランニングもありますよ⛄

 

 

・大会演出の華やかさ

気分の上がる会場BGM、スタート時に全員名前で紹介される、

大会のダイジェスト動画がYouTubeで公開される(スカジャパTV)など、

オリエンテーリングの大会では見られない華やかさがあります。

オリエンティア軍団のYoutubeInstagramTwitter

ぜひチェックしてみてください☆)

 

・走り切った後の達成感(日ごろのストレス発散)

走って追い込んだ後の達成感がたまりません。

特に、私的には登りを頑張ることがストレス発散に最適です。

実際に長く走ったあとには幸福を感じるホルモンが出るそうですね。

まさに健康的なアルコール🍺です。

 

また、オリエンティアでフィジカルに自信がある!という人は、スカイランニングで活躍できるかもしれません。実際に国内外のオリエンティアでスカイランニングの大会で活躍している選手はたくさんいます☆まだスカイランニングをやったことがないよーという方はぜひ一度参加してみてください😊

 

個人的には、オリエンテーリングとスカイランニングの両方に取り組んでいると相互の競技に良い影響を与え合うと感じています。どちらの競技も、体力が持つ限り楽しく続けていきたいなと考えています。

 

おしまい