オリエンティア Advent Calendar

オリエンテーリングを語ろう。

テレインクイズとは…?

こんにちはorこんばんはorおはようございます。杏友会であざおOLCの橋本と申します。東大OLKでは36期にあたります。

皆様クリスマスイブはいかがお過ごしでしょうか。
こんな神聖な日にAdvent Calenderの記事を書く機会を与えて頂けて光栄です。

 

簡単に自己紹介をしますと、オリエンテーリングを始めたのは中学2年の時です。東海中高から東大OLKへと進み、現在はOB1年目でオフィシャルをやっています。国際大会にはAsOC2010とJWOC2012に出場させてもらいました。
その後はなんちゃってガチ勢だったので、インカレでは何度か枠落とししてしまいろくな成績を残せずに引退しました。個人戦の最高順位も10位と非常にしょっぱい…。

 

早速ですが皆さん、この画像のテレインはどこか分かりますか?

 

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真ん中の岩と西側のぐにゃっとした鞍部で一発解答できますね。答えは二ツ塚峠(東京都青梅市/東大OLK所有)です。テレインオタクの方々なら1秒で答えられますよね。簡単すぎてすみません。
一方で、こんな一部だけ見せられても分かんねえ…とお思いの方も多いと思います。
というわけで、本日はこんなマニアックな(しかし非常に面白く興奮する!)クイズについて紹介します。

 

皆さんはテレインクイズって聞いたことありますか?
東大OLK以外で行われているのは聞いたことないのですが、東大OLKの夏合宿でここ3年間行われています。
ここ3年間の出題者及び優勝者は、
2015年度:出題者:自分と竹内(東大OLK37期) 優勝者:堀田さん(トータス)
2016年度:出題者:竹内 優勝者:自分
2017年度:出題者:自分 優勝者:宮本樹(東大OLK38期)
となっています。
毎年優勝者はもちろん、各期のテレインオタク達が自分の知識を総動員して真剣に競っています!

 

それでは、具体的にどんなことをしているか見ていきましょう。
東大OLKでは、決勝を観戦してもらいつつ盛り上がるために、インカレのように予選決勝方式を採用しています。

 

予選
予選は受験生さながらにペーパーテストで行います。この成績上位者から決勝進出者を決定します。予選では先述の画像問題ではなく、決勝でも十分戦える知識を持っているかを試すために旧図名やインカレの地図名といった基本的な知識を問う問題が出題されます。

 

以下例題

・2016年度インカレミドル・リレーテレインで使われた地図名を正しく答えよ。

・通称「希望が丘」と呼ばれる、2011年度ICMRが開催されたテレインの地図名を答えよ。

・次の中で、長野県のテレインではないものを選べ。

    A:AMIGASA    B:アルプス公園    C:根の上高原   D: 駒ケ根高原

・次の中で、選択肢内のどのテレインとも隣接していないテレインを選べ。

   A:番匠峰古墳    B:塩谷田所    C:前高原    D:矢板片俣

・1992年に長野県で行われた、インカレショートの試行大会が初めて開催されたテレイン名を答えよ。

良かったら皆さんも考えてみて下さい。最後以外はやや易~標準レベルの問題です。最後は難。

 

このようなペーパー試験を乗り越え、数いるテレインオタクたちの中で激戦を勝ち抜いた上位陣が決勝に進出します。

 

決勝

ここからは出題者及び優勝者の観点から決勝での問題の傾向とその対策について書きながら、どのような問題が出題されるのかを見ていきます。今後もし参加する機会があったら是非参考にして下さい。

 

①元祖テレインクイズ
始めにお見せしたような、地図の一部を見てテレイン名を答える問題です。オーソドックスながらも、普段から地図全体をしっかり見ているかどうかが問われる一番の基本問題です。
早押し形式もあるので、今までの地図画像を瞬時に思い出す、特徴を記憶から引っ張り出してくる力も必要ですね。

 

②テレインプロフィールクイズ
俗にいう3-hintクイズです。いくつかのテレインの特徴を表す文章からテレイン名を解答します。初めのヒントで答えると4点、次のヒントで3点というようにより少ないヒントで解答すると高得点になります。
対策としては、プログラムに記載されているテレインプロフィールをしっかりと読んでおくことです。特に、インカレや全日本大会では情報が多く書かれることがあるので狙われやすいです。出題者側としても複数のヒントを用意しやすいので。

 

Ⅰ:標高約650mに位置し、「?」の北東に伸びる山塊を中心とした、国内屈指の高速走行可能テレインである。

Ⅱ:倒木、シダなどによって走行可能度が極端に落ちてしまう箇所があり、ミクロなルートチョイスに注意する必要がある。

Ⅲ:山塊の上部にはのっぺりとした緩斜面が広がっており、斜面からの変化の切り替えが難しい。

Ⅳ:AsOC、インカレ、全日本リレーで使用。

(2017)

 

③テーマ問題
よく分からないかもしれませんが、これは出題例を見ていただくと分かりやすいと思います。

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本問題のテーマは「陸上競技場」ですね。このように、あるテーマに沿った画像が出題され、そのテレイン名を答えます。各々の特徴物の形だけではなく、方角や(ヲタクになると)地図の色合いからも判断できます。


また、次のように局所的ではなくテレイン全体の概観図を把握しているかどうかを問う問題も出題されます。

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(2015)

これらは概して難易度が高いです。地図は満遍なく見ておくようにしましょう。

 

④テレイン書き出し問題
あるお題に対して適するテレイン名を制限時間内にできるだけ挙げるという、シンプルだけど数多く捻りだす力が求められる問題です。地図画像というよりは、走った(あるいは見たことのある)テレイン名をしっかり覚えているかということが問われます。
実はこのお題ってそんなに考えることができないので、気になるお題があったら色々見ておくのが対策のポイントかもしれません。何かいいお題があったら是非教えてください。

 

・「矢板○○」と名の付く地図をできるだけ多く答えよ。旧図も含めてよい。(2015)

・地図内に鉄道の駅が含まれる日本のテレインをできるだけ多く挙げよ。(2017)

 

⑤元祖テレインクイズ(応用編)
さて勝負も終盤戦。最後に待っているのは①で出題されたテレインクイズの応用編です。先ほどは地図の局所的な部分ではあったものの藪やコンタ、道などの情報が全て載っていましたが、応用編ではよりレベルアップしてコンタだけ、藪だけ、r1だけというようにさらに情報が限られた中で解答する必要があります。ここまでくるとさすがに気持ち悪いですね…(特大ブーメラン)

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(2017)

 

⑥最終問題
最終問題はこちらです。

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(2017)

 

いやいや白紙見せられても笑って思われたかもしれませんが、ご覧の通り地図枠から地図名を答える問題です。これだけでも分かる人いるんですよね…さすがにキチガイ

対策としては地図枠の色と縦or横のレイアウト、あとはOLKのロゴマークの位置が最大のヒントとなるのでそこをしっかりおさえておくところでしょうか。去年の最後の問題分からなかった…。

 

以上、簡単ではありますがテレインクイズの紹介でした!
良かったら是非自団体のレクリエーションや合宿の企画に採用してみて下さい。きっと新たな才能の持ち主が見つかる…はずです。

 

※地図画像の掲載などまずかったら連絡下さい。

 

 

オリエンテーリングのトラブルマニュアル、学生大会の魅力

こんにちは、advent calendarの12月23日を担当させていただく前野と申します。

書く内容としては、

オリエンテーリングのトラブルマニュアル

学生大会の魅力(+おまけ)

の2本立てです。そんなに内容は濃くないです。

 

 自己紹介

多分僕のことを知っている人はほとんどいないんじゃないかなあと思うので、とりあえず自己紹介をします。

名古屋大学の3年です。競技成績としてはパッとするものがありません、マジで。ここに記事を投稿する人の大した成績じゃないってのは大体嘘みたいなもんですが、僕はホントのやつです。この前のICSLでは、両方セレクション次点の繰上りで何とか出場して、どちらも30位台というコメントに困りすぎる順位でした。

明日24日に控えるミドルセレも、某予想順位によると通過次点で、謎の圧力を感じます。推薦結果待ちの胃腸を考えると順位で通過したいものです…。

 その他の経験としては、大会運営では名椙大会の実行委員長と、技術局レース(公開練習会みたいなもの?)の競技責任者ぐらいです。あと名古屋市内の公園の地図を作ったり、大学のキャンパス地図を拡大調査したりと地図調査。今は名大の主将をやっていて、その過程でadvent calendarに記事を投稿することを思いつきました。

 

第一部:オリエンテーリングって危なくね…?

というのも、部内で必要性を感じた時にOCADだったり練習会だったり、色々なマニュアルを作ってました。何でもかんでもマニュアル化すればいいというものでもないんですけどね…。

で、今年の夏だったり秋だったりに割と大きなトラブルが起きて、これはまずいぞと感じました。なんか皆危険意識なさすぎじゃね…?と。これを受けて、トラブル対応マニュアルなるものを作ることにしました。またか。多分名椙生は僕のことを狂ったようにマニュアルを書き続けるやべーやつと思っていることでしょう。

作ったのちに、外部に公開することを勧められたので、今回こうしてadvent calendarを通して外部の方々に公開する、というのがいきさつです。

 

マニュアルの現物がこちら。

www.dropbox.com

www.dropbox.com

何かコメントがあれば気軽に連絡してください。加筆・修正も気が向いたときにまとめてやるので、その辺も。

マニュアル内で触れていますが、このマニュアルを作る際に多数の資料を参考にさせていただきました。重ねてお礼申し上げます。また、添削してくださった仁多見さん、とても助かりました。ありがとうございました。

で、以下に僕が思ったことをテキトーに書いておきます。テキトーーに読んでもらえればと思います。マニュアルは真剣に読んでください。ぜひ!!

 

 

皆さんオリエンテーリングを普通にやっていると思いますが、その危険だったり、危険への対処法について考えたことはありますか?遭難した時の捜索や、起こり得る怪我とその応急処置とか。

特に大学クラブでは、新人生だったりクレイジーな上級生だったり、どっちが北でどっちが南かわからないまま走り回る人がいるはずです。八ヶ岳のインカレロングFクラスでゴルフ場にたどり着いたり、菅沼守義でF1サーキットっぽいものを見たり、岡崎中央総合公園で逆整地したまま1km走り続け、岡崎の市街地を見て気づいたり…。とにかく信じられないマップアウトの仕方をするものです。そんな新入生やクレイジーな上級生の遭難を防ぐにはどうしたらいいのか…。また、遭難した時にどうやって捜索したらいいのか…。

怪我とか熱中症とかも同様です。巴山の激斜を下るときとか、鳥追窪の亀裂を超えるときとか、転んだ拍子に頭を打ったり骨折したりって考えちゃうことありますよね…。体感ですが、これまでオリエンしてきて見てきた傷病者の多くは新入生だったり、たまーに部活に顔出す人のような気がします。

 何が大変かって、そんな新入生やレアキャラに事前に防ぐ方法だったり応急処置法を教えようとしても聞く耳を持たない、聞いたとしてもすぐ忘れてしまう、ということなんです。大学クラブに所属している以上、上級生の人たちはその辺をちゃんと知っておき、進んで動けるようになっておく必要があるのではないでしょうか。

 

とは言うものの、全部の内容を覚える必要は正直無いと思います。部の資材の中に入れておいて、必要に応じて読むぐらいでもいいのかと。

ただし、認識しておいてほしいのは、大きなけがだったり重度な熱中症だったり、救急車で運ばれるような、時には命にかかわるような事故がいつでも起こり得る、ということです。もしもそんな大きな事故が起きれば、本人やその周りの人はもちろんですが、オリエンテーリング界やクラブ全体も大きなダメージを受けるのではないでしょうか。オリエンテーリングではありませんが、ちょうど今年の秋にトレイルランナーが崖から落ち、命を落としてしまうという事故が起きました。この事故に関する記事を読むと、コメント欄に『危険なスポーツ、やめさせるべき』というようなコメントが見受けられます。特に地域や世間からの評価が競技ができるかどうかに直結しているオリエンテーリングだからこそ、イメージは大事です。

勿論、自己責任という趣旨のコメントもありますが。それならなおさら意識をしないといけませんね。

ということで、部活やクラブ内の上級生はもちろんですが、競技に参加する全員がその危険性を認識しておいてほしいなあと思います。できれば新歓期とかは講習会的なのを開くといいのではないでしょうか。

ただ、あんまりきつく言いすぎると新入生がビビりすぎて入部しない、とかになりそうなのでその辺はテキトーに。

 

あと、このマニュアルを作っているときに思ったこと。時々誰かがtwitterとかで言ってるのを見ますが、各クラブで起きた渉外問題の例とかを共有するシステムがあればいいなあと思いました。

 

 

第2部:学生大会の魅力

先ほどまでとは全然違う記事です。なんか書きたいなあと思ったので書きます。初めに言っておきますが、全部僕の主観です!!

 

僕は自己紹介で言った通り、名椙大会の実行委員長をしていました。運営をする前に、『地域クラブやプロ運営がある中で、学生大会が勝っている点ってなんだ?』と考えました。

プロだったり地域クラブの運営ってのは、やっぱりすごいです。地図製作はプロによるもので、競技中に惚れ惚れするような精度。コースに関してもしっかりコントロールされたもので、競技性が確保されています。計センも熟練者がやっていて、あまり詰まっているとことに出くわすことは有りません。『オリエンテーリング』という競技そのものに焦点を当てれば、初体験の多い学生大会ではこの洗練された競技性にはなかなか太刀打ちできるものではないでしょう。やっぱり経験は非常に大きなものです。

 

しかし、実際僕が学生大会に参加した時にはどこか地域クラブやプロによる運営とは違う魅力を感じます。抽象的ですが、大会を通して感じるあたたかさだったり、驚きだったり。実際、学生大会大好きです。

 

じゃあ、学生大会の魅力はどこから生まれるのか。僕が思う答えがこれです。

 

➀運営者の人数

例えばですが今年の名椙大会では60人を超える人たちが運営に携わっていました。勿論、責任者のような人もいれば当日だけ運営するお手伝いだけ、のような人もいますが。

人数はバカにならなくて、普通の大会だと看板をドカーンと設置して済ませてしまうようなところや、無機質にペットボトルとコップがあるだけの給水所で、学生大会では役員が笑顔で対応してくれる…。よく言われてますが、東大OLK大会のスタート地区での声かけは圧巻ですね。学生大会に参加するとなんとなーく『あったけぇ…』って感じるのはそういうところなんですかね?

あと、単純に人数が多いと人海戦術的な感じで規模の大きな大会にしやすいですね。

 

➁運営にかける時間

社会人の人たちは休みが週末だけですが、学生は全休があったり、一部のオリエンバカはオリエンのために自主全休を作ることだって可能です。そんなことしなくても、学生には夏休みがありますし、授業が午前だけの日があります。ってことで、時間は無限にあるんです。

週末は普通にオリエンしながら運営を進めていくことも可能でしょう。

時間の量で大きく変わってくるなーと思うのは渉外です。ほかの大会の事情をあんまり知らないのですが、時間があれば実際に現地に出向いて渉外活動ができます。丁寧な渉外は大会成功に直結しますから、ハイパー大事です。協賛企業の量も増え、大会が華々しくもなりますね。

 

③若さ

若さの何がすごいかって、新しいことを吸収していくところ、そして色々なことにチャレンジしていくところです。東大OLK大会ではroute gadgetだったりナビゲーションチャレンジクラスだったり。次回はWREにもなるようで、とにかく感心します。京大京女は全日本ミドルを開催してますし、他にも関東の大学ではルート解説を行ったり、たくさんの協賛を取って入賞賞品にはその協賛品を使ったり。今年の新潟大学なんかは集落スプリントにスキー場ミドル、更には前夜祭と、何もかもが魅力的でした。最近だと、初心者体験会に力を入れている大会もあって、なるほどそう来たか…となりました。あと、KOLC大会の動画は感動しました。すごい。

 

色々言いましたが、僕が思うに学生大会は『オリエンテーリングをする場』としてより良いものを作っていくだけでなく、『大会そのもの』をより良いものにするよう動いている点が魅力なんだろうなと思います。

 

僕のadvent calendarの記事は以上です。構成めちゃくちゃな駄文に付き合ってくださってありがとうございました!

 

おまけ(名椙大会の宣伝)

まだ日程しか出ていませんが、ほんのちょっとだけ、言える範囲で名椙大会の宣伝をさせていただきます!

最近の名椙大会は、『三河地区』で、『ロング』と『リレー』で、よく「毎年同じじゃん!またかよ!」って声を耳にします。

が、次回第12回名椙大会の大会スローガンは『新しい名椙大会』です。詳しくは2月ごろ公開の要項にてお伝えできるかと。学生大会の魅力が詰まった大会になると思います!

第11回までの長い潜伏期間を経て進化した名椙大会をお楽しみに!!

日程は9月1,2日(土、日)です!メモしましょう!

勝ちの価値~勝つことについて真剣に考えてみる~

はじめに

 京葉オリエンテーリングクラブの寺垣内 航です。広島県出身(当然カープファン)、オリエンテーリング歴18年目で、強化指定選手としてナショナルチームにも所属しています。光栄にもクラブの後輩である田中基成氏から記事の依頼を受け、12月22日の記事として投稿します。

 

自己紹介

 本タイトルの記事に入る前に、まずは自己紹介を。

‐大学時代‐

 2000年に早稲田大学オリエンテーリングクラブ(以下早大OC)に入部し、オリエンテーリングとインカレに魅了された大学4年間を送りました。入部時の早大OCはインカレリレーで2連覇する強豪校で、とても恵まれた指導環境でした。毎週末(というかほぼ全行事)山に行き、クラブの定期練習にもほぼ毎回参加していましたが、始めてから1年間はなかなか上達できず、それでもオリエンテーリングが楽しく、少しでも速く、上手になりたいという気持ちを持って練習していました。

 1年生最後のインカレで見た、先輩たちの走りは今でも忘れられず、それからはとにかくインカレで活躍できる選手を目指して残りの大学生活を送りましたが、大学3年の夏から4年の夏までは故障生活が続き、ほとんど走れない状態であったのを覚えています。そして故障明けの4年生秋以降は順調にトレーニングを積み、インカレクラシック(現インカレロング)で優勝。今でも鮮明に覚えている情景がたくさんあり、良くも悪くも自分の原点はインカレにあったと間違いなく言えます。(今でもインカレ併設大会に参加し、観戦をしていると特別な感情になることができる素晴らしい大会だと思います。)

 

(インカレエリートクラス全成績)

インカレショート2001   予選敗退

インカレ2001 クラシック 9位

         リレー   3位(3走)

インカレショート2002   予選敗退

インカレ2002 クラシック 23位

         リレー   2位(4走)

インカレショート2003   13位

インカレ2003 クラシック 優勝

         リレー   7位(4走)

 

 一方で、毎年OC大会を運営しており、大学3年生時の赤根での大会では、コースプランナー兼競技責任者を務めました。当時、ナショナルチームのトップ選手として活躍していた鹿島田浩二氏(前日のAdvent Calendar著者)にコントローラーを務めて頂き、競技、コースプランのいろはを教えて頂いたことはとても大きな経験でした。

 

‐大学卒業後‐

 大学卒業直後に、日本代表としてユニバーシアード(2004年)に行く機会に恵まれ、そこで大きな壁を感じはしたものの、さらに上の世界選手権(以下WOC)を目指すことに。その頃は2005年に日本(アジア)で初めてのWOCが予定されており、トップ選手は皆そこをターゲットに猛練習を積んでおり、日本オリエンテーリング界全体が2005年を中心に回っていました。しかし結局、WOCセレクションを通過し、WOCに出場したのは2010年までかかることになりました。

 一方で、大学卒業直後に、地域クラブの京葉オリエンテーリングクラブに所属し、クラブカップリレーで優勝を目指しつつ、超一流のマッパー田中徹氏とタッグを組んで、コースプランナーとして(当時はまだ珍しかった)スプリント大会を開いたり、インカレ運営(2004年度、2006年度は競技責任者)を務めたり、母校のオフィシャルや大会コントローラーを務めたりもしました。

 ナショナルチーム(日本代表)としては、WOC2010,2011,2012,2013,2015、およびASOC2008,2010,2014に出場。その中での個人的に選ぶベストレースは、団体戦はWOC2015(1走27位)、個人戦はASOC2014ロング(4位)。

 

‐最近の活動‐

 近年はOMMという2日間のナビゲーション耐久スポーツに出場したり、その経験を生かしてナビゲーションスポーツの講師をやらせてもらったりもしました。でも自分にとってはやっぱりオリエンテーリングが一番楽しいです。

 また現在は茨城県日立市に住んでおり、地元の茨城大学オリエンテーリングクラブ、ときわ走林会にお世話になりながら、北関東のオリエンテーリング練習機会を積極的に活用し、WOCを目指している最中です。

 

勝ちとは何なのか

 長々と自己紹介してきたが、振り返ってみて、自分にとってオリエンテーリングは競技であることが、あらためてわかった。そこで本記事では私の経験、知識を交えながら、オリエンテーリング勝つことについて考えてみたいと思う。具体的なハウツーや、ノウハウを示しているわけではないですが、読者の皆さまが、少しでもオリエンテーリングという競技を考える一助になれば幸いです。

 

‐勝つとは‐

 まずは「勝つ」ことの定義を辞書で確認してみる。大きく分けると、相手に勝つ、自分に勝つの2つの意味が見て取れる。

 

争って相手を負かす。競争して他の者をしのぐ。 《勝》 ↔ 負ける 「大事な試合に-・つ」 「選挙で-・つ」

(多く「克つ」と書く)欲望などを抑える。 「誘惑に-・つ」 「己に-・つ」

③ 一方の力や傾向などが他方より強い。まさっている。 《勝》 「赤みの-・った色」 「理性の-・った人」

④ 能力を超えた負担を負っている。 《勝》 「荷が-・ちすぎる」“

‐引用:weblio辞書‐

 

‐なぜ勝ちたいのだろう‐

 なぜ勝ちたいのだろう。野球やバスケットボールをやっていた時は、勝たないことで怒号をくらったり、罰則があるから負けたくないという気持ちもあった(そのようなスポーツ根性の時代でした)。でもそういうことも含めて、勝とうとするのは当たり前だと。

 人は本能として競争意識を潜在的に持っているのかもしれないが、やっぱり世間一般的に「勝つこと」=「良いこと」という方程式が成り立っており、幼い頃からそのような考えが身近にあったことが大きかったのではないかと思う。

 オリエンテーリングを始めて、順調に成長して結果が出始めている時は、勝ちの意味について考えることはなかった。チームあるいは自分のために勝ちたいと思い、上手くなりたいと思って練習するのが楽しかった。しかし、明確な目標を見失った時、あまりにも大きい壁にぶち当たった時、故障やスランプから抜け出せない時、「なぜ勝ちたいのだろう」という気持ちと度々向き合ってきた。実際に負けたことからの方が、学びがたくさんあったということも事実としてある。

 ではなぜ勝ちたいのだろうか。勝つことは一般的には(特にスポーツ界では)とても価値があることだと考えられていると思う。でも、そういう一般論を無視した場合、自分にとって勝ちの価値とはどういう所にあるのだろうか。

 

‐何を勝ちと考えるか‐

 思考を繰り返し、勝ちの定義を「自分で決めた目標を達成する」「成長する」と考えたこともある。これは、自分で勝つことを定義し、相対的なレースの順位やできあしではなく、自分にとっての満足感、次につながるもの(ある意味絶対的なもの)に重点を置くという考え。それで良いと納得していた時期もあるが、何か違う。沸き上がるような、燃えるようなそんな感覚がない。そして再度思考を重ね、相対的な勝ちを目指さないことは、自分が勝てなくなったことに対する逃げや言い訳ではないかと考えたこともある。

 

‐もう一度勝ちたい理由を考えてみる‐

 ではなぜ勝ちたいのか。今は、自分にとっての満足感に過ぎないのかもしれないと考えている。勝つことを本気で目指し、仲間ライバルと切磋琢磨し、その過程を味わいながら突き進む。そして、実際に勝てることが自分にとって一番楽しいことだからだと考えている。欲張りなことに、相対的な勝ち、絶対的な勝ちどちらとも目指したいと。

 

‐勝ちの価値‐

 皆さんは下記偶数番号と奇数番号どちらに価値を感じますか?

 ① ほとんど練習をしていないが、才能で勝つこと

 ② 想像を絶する練習を積み、元々の才能がなくとも努力でカバーして勝つこと

 

 ③ 勝つことにこだわりクラスを下げて勝つこと

 ④ 最難関クラスにこだわりそこで苦労を重ねて勝つこと

 

 ⑤ 競技歴は短い若い選手が怖いものなく無心で挑み勝利を手にする

 ⑥ 苦労を重ねた競技歴が長い選手が経験と工夫で勝利を手にする

 

 ⑦ 大金をはたいて戦力、環境を充実させて勝つ

 ⑧ 今いる戦力、環境の中で成長させて勝つ

 

 ⑨ ラフプレーやファウルを厭わず勝つ

 ⑩ 正々堂々と勝つ

 

また勝つことの比較ではないが下記はどうですか?

 

 ⑪ 多くの強豪選手が出場を回避した大会であり、自分のパフォーマンスはかなり低かったが、優勝することができた。

 ⑫ とてもハイレベルな大会で、とても難しいテラインであり、自分のパフォーマンスとしてはキャリアハイであったが、ぎりぎり入賞できる順位にとどまった。

 

 ⑬ 勝つためにスタイルを変えて勝つこと

 ⑭ 自分の信じるスタイルを貫き、そのスタイルの極みに近づくものの優勝を逃す

 

 今の私は全ての問いにおいて、どちらかと言うと偶数番号の方に価値を感じている。だからと言って奇数番号の考えを否定するわけではなく、そういう価値観もありだなと思っている。何よりも勝つことを優先するのも一つの価値観。努力が尊い、困難な勝ち、苦労して得た勝ちこそ勝ちでしょうと押し付けるつもりはない。どちらとも勝ちは勝ちという価値観だってある。オリエンテーリングと同じでベストルートは人によってそれぞれ。ラスポ~ゴールまでの区間で勝つことに執念を見せる。それも一つの価値観。

 一方、その時々に置かれている心境、境遇によって、勝ちの価値は変わってくるのではないかと思う。絶対的な自分の価値観といっても、結局は自分の体験、今の境遇から価値観を決めているのではないか。何か基準や比較がないと考えは生まれないのではないか。自分の価値観といってもその都度変わりうるもので、何かを基準にして勝ちの価値を決めているのではないかと思う。もし私がスポーツで勝つことで生計を立てているのであれば、何よりも勝つことを優先する選択をすると思う。それでも自分の価値観のもと決めたものを本稿では「絶対的」と言うこととしたい。

 

‐もう一度勝つことの意味を考える‐

 私にとって「勝つこと」は目標になり得ても目的ではなく手段だと思う。目的はゲームを楽しむこと、喜怒哀楽の感情を楽しむこと。成長を感じること。その上で、勝ちを目指して練習、レースに出場し、実際に勝てることが一番楽しいから。自分にとっては以下の方程式。

レースにおける満足感 =(相対的な順位+自分のレースの評価)× 準備に要した努力度

 勝ちの価値を信じ、勝ちを目指して、日々練習する。これは自分が現役学生オリエンティアだった時のスタイル。色々考えてきたけど、結局目指す姿、やりたいことは自分の原点にあるのかもしれない。そして、勝ちの価値がわからなくなったら、一度歩みを止めればいい。

 

レースを振り返る

 次に過去のレースを振り返ることで、勝ちの心境を探ってみたいと思う。

 

‐勝ったレースを振り返る‐

 選手権と名のつく大会で私が勝った経験は、下記のレースとなる。

 

  1. 日本オリエンテーリング学生選手権 クラシックの部(2003年度)※1
  2. 全日本スプリント大会(2012年度)
  3. 全日本ミドル大会(2014年度)

 

※1 現在のインカレロング。2003年度までは秋にインカレショート(現インカレミドル、当時は予選、決勝方式)を行い、春にインカレクラシック(現インカレロング)とリレー(当時は4人制)を行っていた。旧方式での最後のインカレが自分にとっても最後のインカレでした。

 

 ここでは、レースまでの軌跡、レースの詳細は割愛するが、振り返ると下記の共通点があったように思う。

 

・故障や不調期間を経た後のレースで、納得のいく練習が積めていた。

・練習が積めているため、オリエンテーリングが心底楽しい。

・自分のオリエンテーリングスタイルとテラインの相性が良い。

・レース直近~レース中においては、絶対に勝ちたい、勝てるという気持ちではない。勝ちを狙っていない。落ち着いた心境。

 

 練習を積むためのフィジカル、メンタル的な休養が十分取れており、そこから十分な練習が積めることで心技体が高いレベルで推移。十分な練習により自信がつき、レース(結果)に対する不安な気持ちがなかったということが功を奏したと思う。テラインとの相性については、裏を返せばきちんとテラインの特性を理解した上で、テラインに応じた対策を行うことが重要であると言えよう。(余談ですが、2017年3月のインカレでは、通常の山塊、森と異なるフラットなスピードテラインでした。走った感想としては、森で練習するよりも、公園でパークOの練習をする方が対策になっていたのではないかと感じました。)

 

 一方で、連続して勝つ(連覇をする)ということは経験がなく、そこにはまた違った次元の心技体のレベルが必要になることは間違いなく、連覇する選手のメンタル、準備面についてもいずれどこかの機会で聞いてみたいと思っている。

 

‐インカレクラシック インタビュー記事(寺垣内 航)‐

 続いて2人の選手のインカレに関するインタビューを紹介したいと思う。

 1人目は筆者。最後のインカレを終えた後に、松澤 俊行氏(※2)に受けた下記インタビュー記事を参照。

 

オリエンテーリングマガジン2004.06 松澤俊行著 『松澤俊行のオリエンテーリング道場「勝者の心得」』”

http://www.orienteering.com/magazine/2004/06/12_dojo.pdf

 

※2 松澤 俊行

大学4年時のインカレクラシックは2位。2000、2003、2011年度全日本チャンピオン。今年度5年ぶりにWOC日本代表に返り咲く。茶の間管理人。

 

‐インカレミドル インタビュー記事(今井 直樹)‐

 2人目は今井 直樹氏(※3)。インタビュアーは筆者。インタビュー日は投稿前日。

 

寺垣内:4年生最後の秋のインカレロングでは7位ということでしたが、その後どのような心境で春のインカレミドル、リレーを迎えましたか?

 

今井:インカレロングに向けて誰よりも体力面でのトレーニングをした自負があり、勝てる自身に満ち溢れていたので、インカレロングで7位は今まで何をやってきたのかと思うくらい辛い結果でした。

その後、競技に力の入らない期間がありましたが、ショートセレの運営で当時インカレロング入賞者の図情大の高橋や千葉大の小林のレースへの取り組みや練習方法を聞き、まだまだ自分にやれることがあることに気づかされ、インカレミドル、リレーまで今までやってこなかったような練習にも積極的にチャレンジしました。

インカレロングの時とは異なり、大会当日まで優勝できるという自信はなかったものの、心身ともに緊張感もなく自然にレースへ望めました。

 

寺垣内:レースでは1か所のミスが大きかったと思いますが、ミスの原因はどのような所にあったのでしょうか?(確か勝ちを意識したためだと記憶しています。)

 

今井:中間ラジコン前に2分前の東工大の小山に追いついて、想定よりも早く追いついたことで優勝を意識しすぎ、1レッグだけ集中力が切れた時に大きなミスをしました。

十数秒で優勝を逃したのに対してそのレッグだけで2分ミスしたというところは、4年生の最後でもいつもの大きいミスしたなと思います。

 

寺垣内:レース後の「誰よりも速く山を駆け抜けた」という言葉がとても印象的でしたが、その時の心境(本音)についてお聞かせください。

 

今井:半分負け惜しみです。ただ、インカレロングの時とは異なり、タイム・巡行速度は誰よりも早いという実感値と結果が伴い、やってきたことは間違っていなかったという点で充実感はありました。そういう意味で、自然に出た言葉です。

 

寺垣内:ずばり勝ちたかったですか?

 

今井:もちろん個人戦では優勝するために4年間を賭けていたので、優勝・勝ちたかったです。ただ、結果が全てではないと思いました。

 

寺垣内:(スポーツの勝負という意味では)負けたという事になろうかと思いますが、その経験はその後生かされたと思いますか?

 

今井:勝ちたいという反面、負けたからからこそ、その後僕は良い経験が待っていたと思います。インカレロングで優勝できず、これ以上練習しても上手くならないと思ったときでも、改めて現状を見直し目標に対しての道筋を考えて実行するというプロセス自体は、仕事や恋愛そのものでやっていることと同じで、間違いなく活かされていると思います。

また、視野も広がりました。リレー含め4年間思い描いていたことを、成し遂げられなかったことを後輩に託したいと思い、自ら監督として育成やマネジメントに携わりました。

指導した後輩の結果に、自分が競技しているように一喜一憂できるような経験をできたのも、インカレで優勝できなかったからこそ見えた世界です。

目標を達成できなかった時こそ、改めて自分を見直せ、新しい経験をできるチャンスだと思います。

 

寺垣内:(生かされていたとしても)やはり勝ちたかったですか?

 

今井:当時は勝ちたかったです。たらればで、インカレミドルで勝っていたら個人の競技に専念できる環境に身を置いて、今でもオリエンテーリングの一線で活躍していたかもしれません。

今はというと、インカレ競技生活や監督時代の経験が生きて、仕事や生活さらに趣味の広がりが出ているという点では、よかったかなと思います。結果は何であれ、インカレに向けてチャレンジできた大学生活は充実していてよかったです。

 

寺垣内:翌日のリレーに向けての気持ちの心境はいかがでしたか?

 

今井:リレーも優勝というのは、表向きは言っていましたが、現実的でないという部分は内心思っておりました。当日は、4年間やってきたことを出し切ることに専念しました。

表彰式を見るととても悔しい気持ちになりましたが、その時に後輩に全て託そうと決心しました。

 

 

※3 今井 直樹

筆者の2学年下の後輩で、ともに良くトレーニングに励んだ仲。大学4年時の成績はインカレロング7位、インカレミドル3位。ユニバーシアード2006日本代表。3000mのベストタイムは8分42秒。2016年に念願の起業を果たし、現在、アールイー株式会社代表取締役

 

 両者ともに最後のインカレまで個人での入賞経験はないことが共通点ですが、
一方は、最後の個人戦で実際に勝つことができ、一方は勝つことができなかった。
私もインカレリレーで勝つことを第一に考えていたことを踏まえると、
どうやら勝ちというものは意識し過ぎると逃げるものなのかもしれない。 

 

競技スポーツで勝つこと

 次に視点を変えて、オリエンテーリング以外のスポーツも含めて、競技スポーツ(以下スポーツ)での(順位的な)勝ちについて考えてみる。

 

‐ルールがある‐

 第一にどんなスポーツでもルールというものがある。ルールで勝ちを定義している。裏を返せば、ルールで勝ちが定義できないものは競技スポーツと言えないだろう。ケンカに勝ち負けはあるかもしれないが、ルールがないのでスポーツは言えない。

 ルールがあるということは、制約がある、管理されているということ。スポーツは一見すると思い切り自由に楽しんでいるというイメージもあるけど、あるルールの制約のもと、管理されて不自由さもあると言えるのではないか。

 

‐運不運の要素を極力排除し公平性を保つ‐

 第二に運不運の要素を極力排除して公平性を保つということが言えよう。一方で、天候や順番等に左右されるものもあり、不確定要素があるからこその楽しさもあると思う。

 オリエンテーリングの場合は、スタート順番、時間差、地図の精度の限界、自然相手のスポーツということで、スポーツの中では不確定要素が強い方なのかと思う。でもだからこそ、何が起こるかわからないところもあるため、オリエンテーリングは面白いのではないかと思う。

 

 上記2つから、スポーツにおいては、ある程度どのような能力が問われるのかが明確である必要があると言えよう。裏を返せばどのような能力が問われるのかがわからなければ、そのスポーツの勝ちの価値が関係者以外にはわからないということなのではないか。

 

団体競技の個人の評価とは‐

 団体競技になると勝ちの価値がより複雑になってくるように思う。団体としての勝ちの定義はあるが、団体の中の一人一人の選手の価値はどのように評価するのだろうか。プロ野球でMVP賞というものがある。最も活躍した選手に送る賞を何人かの審査者で選ぶというものだが、ポイント制でもなければ、基準が極めて明確というわけでもない。非常に難しい評価だと思う。

 私が小さい頃は、プロ野球では投手では先発投手、野手ではバッティング成績が評価されている時代であったように思う。(私のフィルターでそう見えただけかもしれませんが。)一方、最近では投手では中継ぎ投手、野手では守備、走塁ということがより評価される時代になってきたように感じる。かつては実際に球場に足を運ぶ以外は、一部のテレビ中継くらいでしか選手のプレーを見ることができず、新聞等で成績としての数字を見ることが大半だったことが背景にあるのではないかと思う。今はインターネットの発展により動画サイト等で実際の選手のプレーを見ることができ、守備、走塁の凄さが見えやすくなってきたのではないか。

 

つまり、外部環境、時代によってスポーツ選手の評価は変わってくるものなのだろう。

 

 さて再度質問。皆さんは下記①と②どちらを評価しますか?

 

 ① チームの勝ちは少ないが、個人成績では抜群の選手

 ② 目立つ成績がなくてもチームの勝ちに多大な貢献をしている選手

 

 一般的には、やはり成績(数字)の方がわかりやすい。でもそのスポーツを知っていれば知っているほど、裏事情を知っていれば知っているほど、②の選手の成績に出ない貢献度が評価できるようになる。私は走ることを始めてから、トラック競技やマラソン、駅伝選手の速さが実感としてわかるようになった。また実物の選手をリアルで見た時に、本当の凄さをさらに感じることができた。

 

オリエンテーリングと競技スポーツ‐

 オリエンテーリングがより競技スポーツとしての認知を深めたいのであれば(例えばオリンピック種目としたいのであれば)、運不運の要素をより排除すること、観戦者へのわかりやすさ(見えやすさ)が問われる。だからこそスプリント種目が始まったのだろう。

 私自身は正直、無理にオリエンテーリングを一般的に評価されるようにする必要もないとも思っているが、それでも国内でのオリエンテーリングがより競技に近づけば良いと思っている。そのためにはオリエンテーリングのルールを良く理解すること、競技における不確定要素を極力排除すること、問われる能力を理解する競技者が増えることが必要だと思う。

 

 

最後に

 今一度、皆さんにとっての勝ちとは何かを考えてみてはいかがでしょう。周りの仲間やアスリートが、どのような価値観を持って勝とうとしているのか聞いてみてはいかがでしょう。きっともっとオリエンテーリングが好きになれるのではないかと思います。

 本気で取り組んでいる選手の表情はどんなスポーツでも素晴らしいです。そしてその価値は自分で決めれば良いのではないかと思います。

 私自身、WOCという最高の舞台で自分が思い描く最高のレースができることを目指して、プロセスを踏んでいる最中です。自分自身が信じる勝利のために。今もなお勝ちの価値を探す道半ばです。

 最後に。こうして振り返ってみると、本当に多くの皆さまに支えられて競技生活を歩んできました。この場を借りて御礼申し上げます。また、本執筆に当たりご協力頂いた田中基成氏、松澤俊行氏、今井直樹氏に感謝します。そして、読者の皆さま、最後まで長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。それではごきげんよう

ランチェスタ戦略とオリエンテーリング

                                鹿島田 浩二

「初めまして」

の人が多いと思う。競技を始めたのは83年、大学の卒業は93年。それに最後に競技的に走ったのは2015年の全日本、そろそろ2年半くらいオリエンテーリングからご無沙汰してる。中学の頃から競技に目覚めて以来かれこれ30年以上走り続け、10年ほどはJOAで強化委員会活動もしていたが、一身上の都合もあり2年前から殆どオリエンテーリングに携わってない。そろそろオリエンティアと呼ばれるのも気が引けてくるのだが、長い人生ではそんな時期もあると思う。30年以上続けてきたオリエンテーリングという競技は自分にとってライフワークだし、落ち着いて機会が訪れたらまた楽しみたいと思う。

 

 話はがらりと変わるが、古いオリエンティアなので、少し日本のオリエンテーリングの歴史を振り返ってみたい。

 様々な見方はできるものの、競技人口という側面から見るとオリエンテーリングの歴史は3つの局面を持つ。①黎明期から80年代までの隆盛期、②その後の00年代までのゆるやかな長期的衰退、③そして00年代以降のゆるやかな回復だ。もちろん1999年のPWT(パークワールドツアー)開催から2005年の世界選手権開催までは国際大会が連続した時期がある。しかしその一時的な盛り上がりを除けば、オリエンテーリングという競技は比較的緩やかな変化を見せているのが特長ではないかと感じている。

 例えば同じアウトドア競技をみてみると、トレイルランニングはわずか20年かからずにオリエンテーリングと変わらない規模のスポーツから20万人の愛好者を得た。クライミングのジムは5年で3倍に増えているという。一方ウインタースポーツの華であったスキー人口は90年代と比べて3分の1に減ったともいわれる。

 その中で、規模小さいけれどオリエンテーリングは相対的に安定した人口を保っている。何故だろうか。裏を返せば爆発的なヒットもしていない。世の流れに比較左右されることなく競技の歴史を刻んでいる。

 とても感覚的だが長くオリエンテーリングに携わると、時の流れが止まったような感覚を味わうことがある。今の若い学生も30年前の学生も本質的な雰囲気や特長は変わらないし、見た目も親近感の沸く子が多い。世の目まぐるしい変化に比べるとゆったり時間が流れてるような錯角に陥るのだ。それが良さなのか、それとも抱える課題なのだろうか。

 

オリエンテーリングをどうプロモーションするか?」

 おそらくこの議論は、多くの大学新歓の最前線から、JOA内部に至るまで幾度となく繰り返されてきた永遠のテーマだと思う。大会の参加者数を増やすには?世界に通用する選手を生むには?企業スポンサーをもっと集めるには?? 私も、オリエンテーリングに関わってきた人生の中で、長い間、かなりの時間、脳の知恵を絞ってきたテーマである。

 明確な回答はない。一つの意見が出れば、弁証法のように批評、対案が出て意見は収束しない。しかし、いろいろな可能性について考えてみることはできる。そしてオリエンテーリングから少し離れると、今までと違う方向からこのスポーツを見ることもできる。ここ1,2年そのように感じている。そこで、ここではオリエンテーリングのマーケッティングについて、少し考察してみたい。

 

ランチェスタ戦略

 話はそれるが、有名な経済学の古典で、「ランチェスタ戦略」といとわれる理論がある。もともと戦争の理論で、自軍と相手軍の相対的な兵力の比率によって、最適となる戦略を変えるべし、と示した理論である。

 つまりこうだ。もし自軍の数が敵よりも圧倒的に多ければ、自軍は「強者」の戦略をとるべし。全方位戦略である。敵が攻めてきたら、その方向に数で圧倒する軍で対抗して打ち負かす。

一方自軍の数が敵国と変わらないか、むしろ少ない時はどうするか。その時は弱者の戦略である。ある特定の方角に兵力を集中させ、敵の手薄なところにめっぽう強い連隊を形成してそこから突破するのだ。

 古典だが今でも十分応用できる理論だ。マーケットでの強者は、市場のマジョリティのセグメントに注力し、他社の先発の新製品にも同じジャンルの製品で真正面から対抗し、広告は具体性よりイメージ、ブランドを重視する。トヨタスターバックスGoogleなど市場の占有率の高い企業を分析すると、強者戦略をとっていることが分かる。一方弱者は、強者があまり力を入れないニッチな市場を狙ってそこでポジションを獲得する。

 アウトドアランニングという市場を考えてみる。強者はトレイルランニングだろう。自然の中で体を動かす爽快感やチャレンジ精神という二ーズにこたえるために、絶景の中を走るスタイリッシュなランナーをイメージして競技をPRする。これは多くの人の憧れを喚起する王道の戦略である。

 オリエンテーリングはどうだろうか。残念ながら弱者である。だからセオリーに沿えば戦略も弱者を前提とするのが正しく、強者の戦略をとるべきでない。爽快感やスタイリッシュなイメージ、達成感を頑張って宣伝するのは間違いとなる。競技規模、選手のカリスマ、スポンサーの数と華やかさで圧倒的に上のトレイルランニングにどうしても勝つことはできない。同じ理由でフィジカルに強い選手に特化してリクルートしようとしても定着しない。幅広い人々に訴求しようとしても、競技の魅力は伝わりにくいのだ。これは私自身が随分と苦い経験をして実感している。

 ではどういう戦略があり得るか。オリエンテーリングという競技が本質的に持つ特性、強みを見極めて、その強さを発揮できるニッチなセグメントに集中して訴求することが必要になる。

 

 「オリエンテーリングの強み」

を考えてみると、すぐに思いつくのは「地図読みの面白さ」である。アウトドアだけでなく、地図読みが好きな人というセグメントにPRできれば、オリエンテーリングの魅力はより強く伝わり、普及活動は成功するはずだ。

 実はこの視点ではすでに多くの活動がされている。ロゲイニング、OMMやウルトラロングなどの競技を通じて、地図読みに興味をもつ人が増え、そのルートでオリエンテーリングに興味をもつ人も多い。もちろんこのルートは大切にすべきなのだが、思ったより難しい面が多いこともまた分かってきている。一般の人が感じる地図読みの面白さと、オリエンティアが求める地図読みでは、精度、こだわりの面で隔たりがあり、その壁を越えて興味をもてる人の数は意外と限られるのだ。

 かつて誰かが、「オリエンテーリングは盆栽のようだ」と表現したことがある。うまい表現だと思う。確かに緑の植物が好きな人でも、盆栽の芸術を理解してのめり込むには一段ハードルがあるだろう。盆栽の形式美から特別の何かを感じ取ることのできる人だけがのめり込む。オリエンテーリングの地図読みも似た要素がある。

 

  他に攻めどころのセグメントはないだろうか。 

 

 これに対しての確実は答え存在しない。しかし、一つの可能性セグメントは、「知的集団」である。

 

 オリエンティアなら納得するだろう。インカレの歴代優勝上位校の大学、世界選手権代表に占めるマスターへの進学率、数少ないアクティブな高校の進学率など、客観的な数値で他のスポーツと比較したら、特異的な数値になるはずだ。

 一例をあげる。例えば東大の全学部生は1万4000人程度であるが、オリエンテーリング部の人数は70-100人程度(私の知る限り、今は違うかもしれないが大雑把な数としてとらえてほしい)。その割合は、控えめにみても0.5%。これは全国の大学生の数280万人で計算すると1.4万人に相当する。全国民に当てはめれば60万人だ。現在のオリエンティアの数よりはるかに多い。つまり、オリエンテーリングを好きになる人が偏在している。「理系」に限るともっと偏在してるかもしれない。

 いずれにしろある種の知的興味の高い人は、特異的にオリエンテーリング(の地図読み)に興味をもつ。そしてこれは通常のスポーツとは明らかに異なるセグメントで、マーケッティング上無視できない現象である。

 

 冒頭で、私は、「何故オリエンテーリングは、他のスポーツの競技人口が大きく変わる中、極めて緩やかな変化しかしないのか?」という疑問を投げかけた。私の仮説は、「知的集団」という他のスポーツとかけ離れた特異的なセグメントに訴求する魅力を持つオリエンテーリングは、世の中のブームに影響されず、競技人口をコツコツとつないできたからだと考える。

 

 「知的興味の高い人がチャレンジするアウトドアスポーツ」

 オリエンテーリングを、そう定義してみる。マーケッティングの対象は社会人であれば、学術機関、研究機関、企業の研究所、大学であれば今の学生に加えて大学院や研究生、留学生などがターゲットとなる。中学高校であれば有名進学校、各地ですぐに候補はあがるだろう。そしてアピールは、自然を走る爽快さ、かっこよさ以上に、情報処理能力、マネジメント力を総合した知的ゲームとしての側面を強調する。爆発的な人口増加は望めないが、潜在的に獲得可能な競技人口に近づけることができるかもしれない。

 

 それでは身体的能力が高いアスリートのエリート選手層が育たない、と心配する人もいるかもしれない。しかし、心肺機能の高い人はそういった人たちの中にも確率論で一定の数いるはずだ。母数が増えれば確実にフィジカルの強い選手も増える。

 

 少し異なる分野だが、トライアスロンは、「経営者に人気のスポーツ」、というイメージが定着している。一つの能力を高めるのではなく、複数の要素を高めて総合的な成績を追求する、というセルフマネジメントが企業経営に通じるという解釈だ。正直そこにアナロジーがあるか、疑問も感じるが、上手なマーケッティングだと思う。いったん経営者同志のつながりで同胞の人を巻き込むようになると、マーケッティングの力は自走するからだ。

 

 「知的集団」に向けたマーケッティングは、何も新しい考えではなく、おそらく多くの人が感じている点だと思う。一方でこの説はオリエンティアにとって感じても口にし難い。自身が「知的である」と自画自賛していることに繋がるからである。私自身も同じような躊躇いを正直感じる。

 

 もちろん、今までと同じように老若男女どんな人も参加できるオープンなスポーツを目指すことは変わらないで欲しいし、その点ではもっと初心者に分かりやすく入りやすいスポーツになることを意識すべきとも感じる。しかしスポーツとして能動的にPRするセグメントを特定することは不自然なことではない。魅力的なアウトドアスポーツが多い中でオリエンテーリングが確実なポジションを確立するには、一つの戦略なのではないか。

 

 皆さんどう思うだろうか。様々な感想、意見、反論があると思う。それが当然だと思う。これは弁証法であり、一つのテーゼだ。建設的なアンチテーゼはウエルカムである。その上でジンテーゼが生まれるならば願ってもないことなのだから。

OCADでマスコットキャラクターを描こう

こんにちは。アドベントカレンダー20日目を担当いたします、東北大OLC3年目の高橋ひなのと申します。正直、特別オリエンが速いわけでも顔が広いわけでもないので、僭越ながら自己紹介から始めさせていただきます。

 

自己紹介

東北大2015年度入学。伊佐野はる香、臼井沙耶香、髙橋友理奈という走力おばけ同期に囲まれ、日々刺激を受けながらトレやオリエンをしています。実績と言えるのはJWOC2017出場くらいです。今年度の東北大大会では同期の井上雄斗、加藤悠太とともに作図者を務めました。将来は地図制作や大会運営で生計を立てたいと考えていたりします。

 

本題

さて、ノリで「書きます!」と言ってしまったものの、何を期待されているのかわからない…。何を書こうか…。ということで、思いつく限りの選択肢でツイッターアンケートをとりました。

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はい。ということで、テーマはマスコットキャラクターの描き方です。アイディアを出すところからOCADで作図するときのコツまで。拙い文章ではありますがお付き合いいただけると幸いです。

 

過去作品

まず、私がこれまでに描いたマスコットキャラクターを紹介しようと思います。

 

その①

1年生練習会2015マスコットキャラクター:アオバク(テレイン:青葉の森)

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東北大OLCでは、毎年11月頃に1年生が初めて開く練習会があります。そのとき地図に入れたものです。当時の私はOCADでコースを組むことしかできず、マスコットはJPEGデータで無理矢理入れました。(後日当時4年目の阿部稜さんがOCADデータ化してくれました。)

 

その②

緑の生命(2016年版)マスコットキャラクター:獺祭くん

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東北大川内(カワウチ)キャンパスのキャラクターです。1年目の2月頃描きました。当時4年目だった宮西優太郎さんに「川内のマスコット描いて!2週間くらいで!できれば全部面状記号で!」と言われ、当時3年目の橋本航汰さんが部誌に載せていたOCAD講座を読みながら、初めてOCADで絵を描きました。無茶ぶりはときに人を成長させるらしいです。

 

その③

第39回東北大大会マスコットキャラクター:青葉嬢(テレイン:青葉の森)

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実は1年練のときの副産物です。兜に尾根・沢をデザインしました。ちょっと色数が多すぎてうるさくなってしまっています。

 

その④

第40回東北大大会マスコットキャラクター:サイカチグマ(テレイン:サイカチ沼)

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テレイン名から発想しましたが、実際熊がよく出るテレインでもあります。サイカチ沼は釣り人が多いので釣り竿を持たせ、釣り糸で「40」の文字を作りました(無理矢理)。

 

こんな感じで、約2年半で4体のマスコットを作りました。今回はまた新しいマスコットを作っていこうと思います。お題は、これから私が個人的に調査する予定の「長命館(チョウメイタテ)公園」(仙台市泉区)にしました。

 

アイディアを出す

まず、どんなマスコットにするかテレイン名から連想します。今回であれば「長命館公園」。長命…チョウメイ…チョウ…メイ…。長命という字面的に、長生きする動物なんか良いかも知れません。鶴とか亀とか。しかし私の脳内には「チョウ(蝶)の翅が生えたメーメー(羊)」とかいうとんでもないキメラがよぎってしまい、インパクト強すぎて離れてくれませんでした。ので、今回はなんかキモそうなそいつをマスコットにすることにします。命名「ちょうメェ~くん」です。史上最高にダサい。

テレイン内に目立つ特徴物があればそれをモチーフにマスコットを作るのも良いですよね。いつかの東大OLK大会の「時をかける人特くん」とか好きです。

 

下書きする

いきなりOCADで描き始めるのも難しいので、スマホアプリかなんかで適当に下書きをつくります。

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こんな。まあコンパスとフラッグはモチーフとして入れたいなあという感じです。こいつを下絵地図に入れて作図をしていきます。

 

留意点

Empty Symbol Set(自分で一から色とか記号とかを作って使うやつ)を使います。ちなみにOCAD9を使っています。

こだわりたいのは、

  • 面状記号オンリーで描く
  • 同じ色を二層以上で使わない(伝わるだろうか…)

の二点です。

面状記号オンリーで描くのは、線状記号は拡大縮小しても太さが変わらず、潰れてしまったりバランスが崩れてしまったりするからです。

同じ色を二層以上で使わないのは、後で面倒なことになるのを避けるためです。黒の上に白を重ね、更にその上に黒を乗せる場合、カラーテーブルに黒が2回、記号欄にも黒の面状記号が2つ並ぶことになります。ややこしいし、後で色を変えたりするときに非常に面倒です。白の上に黒を乗せるのではなく、白を穴あけして下の黒を見せるようにすれば層を増やすことなく表現できます。

 

作図

まずマスコット全体を塗ります。これが一番下の層です。ドラフトモードでなぞりながら、たまに下絵を非表示にしてバランスなどを確かめます。

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次に、面積の大きいモフモフの部分を塗っていきます。「塗り/境界線の描画」を使って、黒の面を赤の面で上から塗ります。「記号の複製」みたいにずれないので便利です。ちなみに線を線で塗ることも可能です。(これは宮西さんが発見しました。)

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モフモフを削っていきます。下に他の色を入れそうなところは全部開けておきます。フラッグと翅の模様は一番上の層で入れる気がするので、フラッグのところはとりあえずそのままにしました。

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こんな感じで繰り返します。

 

それっぽくなってきた。

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面のハッチ表示にするとこんな感じ。後から穴あけしたりしないところはある程度大雑把にやってます。

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穴あけ。ちゃんと一番下の黒が見えます。

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フラッグと翅の模様(コンパスの針)を入れました。数値モードで描くとラクです。ドラフトモードでも見やすそうな色を使って描いていたので、ノーマルモードで見るとかなり毒々しいです。

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あとは色を調整するだけです。できるだけ色数は抑えて、うるさくならないようにします。彩度も抑えめの方が良いと思います。

 

完成。長命館公園は桜の名所なのでモフモフを桜色にしました。

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カラーテーブルはこんな感じ。角も最終的にオレンジにしてしまったのでオレンジが2層ありますがまあこれは仕方ないですね。

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はい。以上でマスコットキャラクターの描き方は終わりです。長々とお付き合いいただきありがとうございました。OCADの基本的な使い方からちゃんと書くと思っていた方はごめんなさい。詳しい方に聞いてください。

色々と試行錯誤しながらOCADを使っていますが、まだまだ未知の存在ですね。もっと良い方法がある!とかあれば、ぜひ教えていただきたいです。

 

それでは、皆様よい年末年始をお過ごしください。

空気にならないためには速くなるしかなかった

 

フェリス女学院大4年のなりさわと申します。

あと5日でクリスマスってことお知らせします。

 

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〇自己紹介

日本学生オリエンテーリング連盟の副幹事長やってます。

去年度は会計で働き、「お金ってやつはマジで重い。」と二重の意味で知り、副幹事長になってからは、「きやくってやつはマジでむずかしい。」という知識を得ました。

 

今回、オリエンテーリングを始めた理由とそれからの定着について書きます。

絵日記以上は求めないでください。

フェリス女学院大学は、大昔の先輩から長い年数を空け、2014年になりさわとおおるいの2名で準加盟校として復活しました。

自大学の先輩はおらず、集まろうにも部室やトレーニングは存在しません。なぜKOLCに入部を決め、なぜ幽霊部員クラブ三昧パリピ女子大生注1に変化しないまま、オリエンティアとして定着したのか。

 

まず4年前にKOLCに飛び込んだ理由。

 

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こんなんだったからです。

四年間を自分のためじゃなく、他人に時間を費やして過ごすのは向いていない、と悩んでいるときにKOLCに出会いました。一枚だけぴらぴらの小さなビラが混ざっていて、他と比べると地味素朴である意味目立っていました。

 

今でも惹句は覚えています。

「学生トップになれるスポーツ」

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なりたい。 

 

これが理由の一つです。

新歓一日目で悪天候に見舞われ、雹が頭をカチカチ打とうと、ずぶ濡れ凍えてから夜の部ピザ食べ放題に行こうと何も気になりませんでした。

だってレモンのはちみつ漬け渡すとかじゃなくて自分が選手になれる・・・

 

しかし入ってから気づきました。わたしは順調に影薄くなっていきました。

周りの同期が大学の先輩と共通の講義の話題で談笑している中、フェリスの先輩がいないことで話しにくく延々と猫をかぶったまま自分を出せず、クラブに馴染めない。この気配を察知したわたしは考えました。

 

「速くなるしかない。」

 

共通の話題がないなら作り、環境に依存したコミュニケーションをとろう。オリエンテーリングに努力する姿勢をみせて、楽しみな一年生として判断してもらおう…

こうしてわたしだって先輩と軽いノリで話したい、という下心半分の意欲がオリエンテーリングに入り込むきっかけになりました。

高校ではバンドマンでしたが、学生時代、運動音痴のくせに持久走だとかシャトルランの類だけは良い成績だったので、幸いにも1人で黙々と走ることは苦にならず、しかもここでは走れば走るだけ目立てることに気づいた私は、最初の一年が肝心と目を付けて、放課後は他大学のトレに週2で通うようになり月の走行距離も伸ばしました。

トレへ向かうのに往復で880円が毎週、今はできない。

 

こうして4年間所属するコミュニティで楽しく過ごしたい、仲良い先輩がほしいという浅ましい理由で走りまくり、誘われるがまま練習会に参加し、関東新人戦とインカレロングWFでは表彰を受けることができました。そして気が付けば上を目指しては挫折し、また次の目標に向けて立ち上がるオリエンティアとして4年間が経っていました。

 

こんなかんじです。

オリエンテーリングをはじめたきっかけはティアの数だけ

あると思うので、ぜひお酒の席ででもエピソードお聞かせください。

 

おしまい

 

注1 パーティーピープル  party people 

https://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%91%E3%83%AA%E3%83%94%E3%81%A8%E3%81%AF&ie=UTF-8&oe=UTF-8&hl=ja-jp&client=safari

使用例↓

パリピの彼女らにとっては月曜日も最高の夜に変換可能。



リレーで勝つために/インカレスプリントの提訴の件

リレーで勝つために

 

こんにちは、トータスの堀田です。Advent Calendar 17日目を担当します。

はじめに簡単に自己紹介をします。オリエンテーリングを始めたのは東海中高、次いで東大OLKへと進み、現在大学OB 5年目です。インカレでは個人戦ミドル6位、団体戦2位が最高位です。全日本ではジュニアで優勝、シニアではスプリント3位、ミドル優勝、ロング6位。国際大会はJWOC2008、AsOC2010、WOC2014、WUOC2016に出場しています。

 

さて、何をネタにしようと思って色々考えたのですが(インターハイのこととか、4年間やったオフィシャルのこととか)、オリエンテーリングのリレーにフォーカスしてみることにしました。リレーは昔から大好きで、それが高じてWOCではリレー1本走るためにイタリアまで遠征しました(嘘です、個人戦では選ばれなかっただけ)。上では敢えて書きませんでしたが、国内2大リレー大会と言える7人リレー、全日本リレーで昨年今年と連覇したりと実績十分です(?)。

 

今回はリレーで勝つためにどんなことをすればよいのか、戦略から走り方まで思うことを書いてみようと思います。

 

1.メンバー集め

当たり前ですが、これが最重要です。7,8割はこれで決まります。

たとえ自分一人がどんなに早くても、リレーでは勝てません。逆に誰かがコケても他のメンバーがカバー出来れば勝てる。そこがリレーの難しいところであり、面白いところですよね。

「自分が順位を上げなきゃ」と気負って走るのと、「ミスっても他のメンバーが何とかしてくれる」と思って走るのと、どちらが良いでしょうか。多くの人は後者の方が良いパフォーマンスが出せるでしょう。信頼できるメンバーとチームを組むことで、個人レースの内容にも影響が出てくると思います。それに、目標を共有してチームとして盛り上がってレースに臨む方が絶対楽しいですよね。そういうメンバーとチームを組むことでレース結果も、内容も、気の持ちようも、変わってくるはずです。

 

2.自分のオリエンテーリング特性を知り、リレーの戦術に生かす

リレーになるといつも早い人とか、逆にうまくいかない人とかいますよね。自分のオリエンテーリングの特性を掴むことで、リレーの時に意識すべきことが分かり、そして戦略にも影響してきます。

 

例えば自分の場合だと、以下のような感じでしょうか。

・足はそれほど速くない。下りやロードは遅いが、登りはそこそこ。

・プランやリロケートの判断は早い方。コントロールではプランのために止まるが、時間は短い。

・周りの人を利用してスピードを上げられるが、つられることもある。

・一人になると安定は取れるが、爆発的なタイムはなかなか出ない。

 

では、ここから考えられるリレー特性は?

・集団走を利用してよいタイムを出せるが、パターン振りに注意する必要がある。

・走る区間では集団に引っ張ってもらいたい。アタックや脱出では集団に利用されがち。

・登りや細かい先読みで勝負をかけるところを選べば、集団から抜け出せるかもしれない。

・一人で前を追っていくのは得意ではない。ミス待ちになる可能性が高い。

 

こんなところでしょうか。

 

実際、WOCのリレー1走では1番のパターン振りで遅れつつもギリギリで集団走に滑り込み、追うレース展開。ビジュアル後のパターン差で(集団ごと)ミスり、終盤の一気登りで集団の先頭に出ました。(最後はミスって遅れました)。昨年のWUOCのリレーは2走で、序盤で形成した集団でビジュアル前までは良いレースが出来ましたが、やはりパターン振りに引っかかり集団から脱落しました。

大体上に書いた特性通りのレース内容ですね。パターン振りで隣ポに引っかかるところは反省してほしい。

 

3.チーム戦略(走順)を考える

前項で出たようなメンバーのリレー特性に個人の希望も合わせ、走順を決めます。走順の決定には、テレイン特性、ライバルチームのメンバーや走順の予想なども非常に重要です。ここでは実際に走順を決めるときにどんなことを考えていたか、具体例を示してみます(チームで話し合ったことや個人の脳内妄想を含みます)。こうして戦略を考えておくと、自チームだけでなく周りのチームの動きも把握しやすく、想定から外れたときも落ち着いて対処できると思います。そして何より、戦略通りに勝てたときが気持ち良い。

なお、ここで挙げているのは戦略がうまくいった例。実際はこんなにうまくハマることは少ないです。

 

A.全日本リレーの場合

愛知県の2軍、ルーパーの菅谷さん・名大の南河と。1軍がまず勝ってくれるだろう、安定を狙う必要はないということで、失敗した時のことは考えず「一番いい順位を狙える」走順とすることに。チーム数が多く走順も読めないので特定のライバルは考えず。

テレインは公園なのでスピード重視のレースと思われたので、安定感はあるが3人では一番走力の低い菅谷さんを1走にし、集団走に乗ってスピードを上げ、遅れても無難に戻ってこられる作戦。2走は追うレース展開をやりたいという希望から南河。走力的にもエースとして攻めてもらう想定。自分は公園内の細かいナビゲーションの競り合いで勝負して逃げ切る、というイメージで3走に。

 

実際のレースは1走でトップ+3分と想定通り、2走で3位と予想以上に順位を上げてくれて、イメージ通りの展開(思ったより早く来てくれてトップとのタイム差を見ていなかった)。自分のレースはすぐ前にいた山梨を序盤のちょっとしたナビで離し、ミスって落ちてきた1軍を最後のパターン差で離す、ということで先に書いたような自分のリレーっぽい走り。

 

B.7人リレーの場合

トータスのライバルチームになると思われたのは、地域クラブだと京葉とルーパー。学生はKOLCと東大OLK。今年はレギュレーションが変わったので学生も女子2人。そして走区もエース区間が3,4走に、距離の短い所謂女子区間が5,6走に変更。

とはいえこれまでの7人リレーの様子からも、序盤は学生が引っ張り、地域クラブは女子区間で上がって来る展開になることは容易に想像できたので、それに合わせた走順を組むことになる。

トータスは女子2人実力者を揃えているので、大まかな流れとしてKOLC、東大OLKには4走まででいかに差をつけられずに5,6走で抜き去れるか。京葉は女子が稲毛なのがネックだが男子5人の実力で勝てるか、ルーパーは細川の不参加とやはり女子区間で勝負できるというイメージ。

7人リレーの常として、複数チームで出走する参加者は正規チームでの走順に制限があり、トータスの走順決めで影響があったのは増澤が2走までに出走するというところ。1走か2走か、というところで、増澤の走力に期待して1走に。これも7人リレーの常だが、長いレースだけに序盤での遅れはそこまで痛くないはず、万が一大きく遅れる場合を考えても2走よりは1走の方が取り返しやすいという判断。女子を1人序盤に出走させるということは裏を返せば、最終順位に影響してくる終盤に他のチームが女子のところ男子を使って一発逆転を狙える。

走順決めでもう一つ議論があったのは3,7走。前提として公園を会場としたリレーということで、走力勝負となることは予想される。当初は走力に定評のある結城を3走として1走での遅れを早めに取り戻し、5,6走でトップに立ち逃げ切ることを考えていたが、最後までもつれたときに他チームにプレッシャーをかけられるということで結城を7走に変更し、代わりに自分が3走に入ることとなった。

 

実際のレース展開はOK-infoの記事の通り。京葉が同じ戦略だったり、東北大や名椙が思ったよりも早かったりということはあったが、ほぼ戦略通りのレース展開だった。

 

(おまけ)C.インカレリレー

Advent Calendarの読者層を意識して、インカレリレーの戦略についても簡単に。

過去10年の結果を見ると、インカレリレーは先行逃げ切りがかなり強い戦略です。

出走チーム数が少なく大人数の集団になりにくいこと、学生の4年間ではリレーの経験が多くないことから、集団を利用してペースを上げて前を追うのが難しいのではないかと思います。また先行する側の方が精神的に余裕を持てるようにも想像できます。例年、コースの技術的難易度はそれほど高くなく(大ミスは出にくい)、ミス待ちで勝てるタイプのコースは組まれないことも影響しているかもしれません。

 

4.集団走の走り方(守り)

実際の競技中にどんな走り方をするのか、戦術的なアプローチの話に移ります。ここでは主に、走力で劣る場合にそれでも競っていくための方法論を書いていきます。

 

A.とにかく食らいつく

集団から離されたら終わりです。よほどの上級者でもなければ、たとえ最後尾でも集団にいるのと、一人でナビゲーションするのは、速度がかなり違ってくるはずです。

集団走をすることで得られるメリットは巡航速度の上昇だけではありません。追走者は先行者の脱出や進行方向、アタック動作を見ることが出来ます。先行者は追走者がいることで自分のナビに自信を持てるし、ミスしても追走者がリカバリーしてくれるから思い切って進むことができます。そしてアタック時にはたくさんの目でコントロールを探すことが出来ます。

少し話が逸れましたが、集団で走ることは巡航速度にもナビゲーションにおいても利点があります。逆に、集団から脱落すると大体の場合は離される一方になるので、多少体力的に無理をしても集団に食らいついていくべきです。もちろんじりじりと離されて脱落することはありますが、そうした時にも一人で離れるのではなく、同じく脱落する選手とうまく集団を形成していくことも重要です。

集団走を続けることで純粋にタイムのメリットがあるだけでなく、後の走順にも集団走のメリットを生かすチャンスを繋ぐことが出来ます。

 

B.相手を選ぶ

最初に集団走を続ける重要性を書きましたが、走者の競技レベルのバラつきが大きい場合は、並走すべき相手、追うべき相手の選び方も重要です。エントリーリストを見て並走したい相手、先行しておきたい相手を事前にチェックしておくことで、集団走を生かした走りができると思います。

あくまで私見ですが、一番良い相手は、自分より少し走力があるがナビゲーションでは勝てる走者、次いで走力差があまりなく自分よりナビゲーションが上手な走者ですね。

 

C.順位か、タイムか

リレー全体の結果を考える上で、序盤の走順においては順位よりもタイム差が重要となります。トップ+5分の3位と、トップ比+2分15位のどちらが良いか。当然後者ですね。前項とも重なってきますが、集団の最後尾で前にたくさん走者がいるのは、特に1走の走りとしては決して悪いものではないと思います。だから集団からは離れてはいけない、というわけです。

逆に、終盤の走順ではタイムよりも順位を意識した走りが求められます。どんなにミスをしてタイムが遅くても、他チームより前で帰還することが重要。後続に追いつかれない限り、並走者と集団でミスをするのもそれほど問題にはならないです。特にアンカーの仕事は一人でも前の走者を抜き、1秒でも他チームより前で帰ること、これがすべてです。

 

5.集団走のコツ(攻め)

前項はいわば、集団走における「守り」の走りについて書きました。今度は逆に、「攻め」の走り、並走者を出し抜き、集団を引き離す方法について語っていきます。

 

A.走力で引き離す

単純ですね。走力で勝っている場合には有効です(当然)。しかし、タイミングを選ぶことで、走力差のあまり無い相手に対しても使うことが出来る方法だと思います。

たとえ引き離しても、姿が見えていると追う側は楽になるので、少し見通しの悪い場所や、視野が大きく変わる場所を使うのが良いです。追う側に一気に引き離された印象を植え付けられます。

あとは、自分の特性に合わせて引き離すタイミングを選ぶことです。登りが得意なら登りで、下りが得意なら下りで勝負をかけて一気に引き離したいところです。

 

B.ナビゲーションで出し抜く

相手より良いルートを選ぶこと。手続きの多い場所や難しいアタックでスピードを上げること。コントロールからの脱出を速くすること。数秒の差でも、相手を引き離すきっかけになる動作です。やってはいけないのは、勝負するポイントでミスをすること。ミスって逆に引き離されては馬鹿馬鹿しいので。そのために、少し先読みすることが大事になってきます。余裕があるときに先読みして勝負するポイントを決め、プランをします。

 

C.一旦後ろにつく

私が良く使う方法です。実力差のない相手を引き離すときには、一番有効な布石だと思っています。

前を走っている側は後走者よりナビゲーションの負荷が高い、要は余裕がなくなるわけです。後ろにつき、相手のナビゲーションに引っ張ってもらうことで先読みの余裕を作り、狙ったところで勝負に出ることが出来ます。先行する走者が悪いルートに行ったり、ミスってくれることもあるので、後ろについてしっかりナビゲーションしているだけでも前に出られる時もあります。こういう時、相手は次のプランやナビゲーションが出来ていないことが多いので、このタイミングでスピードを上げて引き離したりします。

 

実際のレースでは、上記の方法を組み合わせて並走者をうまく出し抜いたり、引き離したりしていきます。

例えば、全日本リレーの15→16では、14→15の道走りの間に赤ルートが早いことを読んでいました。14→15のアタックで愛知1軍の松井さんが前になったので、後ろからどっちのルートに行くのかを見ていました。分岐から松井さんは青ルートの方に進んだため、「よしよし」と思いながらスピードを上げて赤ルートを進みました(松井さんはその後青ルートの途中から藪を切ってランク1に出ました)。ここで、少しだけですが先行することが出来ました。しかしこの少しが、特にレース終盤の体力も集中力もギリギリになって来る時には重要な差になってくると思います。

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6.情報収集・伝達の重要性

最後にチームでの情報伝達(主に1→3走)の話をします。

コース予想が難しいテレインの場合は、コース全体の回しや大きな登りの有無、難しいレッグが出てくるタイミングなど、コースの概略的な情報を伝えることは、次走者への有効な情報伝達になるでしょう。

コースの回しがある程度予想出来ている場合は、より細かい情報を伝えることが出来ます。

 

また全日本リレーの例ですが、2→3では主要道をくぐった後すぐに右の細い道で登るのが正解ルートになっています(赤ルート)。地図表記が細かく非常に読み取りにくいところですが、気づかずに直進すると(青ルート)、上の道に出るのに遠回りして藪を切らなければならないようになっています。

愛知県チームの1走2人と話している中で「一番南の山塊に入るところはトンネルくぐってすぐ右の階段が早い」と聞いていたので、地図を読み込むことなく赤ルートを選びます。ここですぐ前を走っていた山梨は真っすぐ進み分岐を通り過ぎたため、先行することが出来ました。この先は登りの後ヤブい沢に下るレッグだったため狙い目と思い、スピードを上げて逃げ、山梨を完全に切り離すことに成功しました。

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 愛知県チームでは前日に公園の案内マップを見て、コースの大まかな回しを予想していました。その上、橋や広場や遊具の名前を憶えて情報伝達に使ったりしていました(有効だったかはわからないが、大体通じた)。

ちなみにまんのう公園の案内図は前週の7人リレーの会場であるアルプスあづみの公園で入手したそうです(どちらも国営公園)。情報収集力が高い。

 

さらに、伝えられる情報はコースについてだけではありません。

全日本リレーでは3走で出走する直前、1走の菅谷さんから「最後のパターン振りが有利」であることを伝えられました。パターン振りは3人ですべてのパターンを走破することになっているので、前の2人がどのコントロールを通過したのか分かっていれば3人目のパターンもわかるわけです。レース最終盤、ビジュアル通過時点ですぐ後ろに松井さんがつけていましたが、最後有利パターンなのは分かっていたので、下手を打って抜かれないようにだけ気を付けていれば勝てると思っていました。

競り合う展開のレースでは、3走の最後のパターン振りというのは順位を決定する非常に大きな要因になります。有利だと分かっていれば焦って先行しなくても並走していれば勝てる見込みは高いし、逆に不利なコントロールが残されている場合はどこかで先行しておかないと最後に負ける見込みが濃厚になってしまいます。あらかじめ有利か不利か分かっていれば、レース中の戦略を考えて走ることが出来ます。

特に1走では周りに他チームの走者が多く、自分が有利/不利パターンを引いたことが分かりやすいです。コースのどのあたりでパターン振りがあり、自分が有利/不利だった、という情報だけでも、3走には価値ある情報と言えます。

 

7.まとめ

走順や戦略を考える楽しみ、1走スタート前の緊張感、情報伝達その他の盤外戦術、競り合いの緊迫、応援…どれもリレーならではの面白さがあると思います。

雑多にいろいろと書いてきましたが、結局言いたいのは「リレー楽しいからもっとやろうぜ」ってことです(笑)

 

ここまでお読みいただいてありがとうございます。皆さんの心のリレー熱に少しでも助力できれば幸いです。

 

 

 

インカレスプリントの提訴の件

 

物議を醸したインカレスプリントの会場付近の誘導。裁定委員の1人として、その場に立ち会って思ったことなどを書きました。

最初に断っておくとこれはあくまで個人の見解であって、裁定委員会の見解でも、裁定委員他のお二方の意見とも全く関係ないものです。また、インカレ実行委員会の見解については報告書に記述されるはずなので、是非そちらを読むべきと思います。

 

0.ルールブックと今回の裁定

~日本オリエンテーリング競技規則より~

  1. 地上における表示

15.1 競技者が通ることを義務づけられたルートには、標識をつける。標識は、オレンジ と白のテープまたはストリーマを一緒につける方式が望ましい。

 

  1. 競技中の行動

23.3 競技者は、自分のコース内の誘導部分では、終始誘導に従う。(後略)

 

~日本学生オリエンテーリング選手権実施規則~

第14条 コース

14.4 コース上の誘導区間は、競技者は必ずこれをたどるものとする。(後略)

 

第22条 現地における表示

22.1 誘導区間は,赤と白の2色のテープにより示される。

 

誘導区間を設定する場合、運営者にはテープ等による誘導を行うことが、競技者には誘導区間を辿ることが規則に明記されています。つまり、これが日本のオリエンテーリングの、そしてインカレのルールということです。

 

もちろん誘導を辿らないことがルール違反となる前提として、誘導を辿らないことで公平性を欠く、つまり辿らないことでタイムを縮められる等の利益を一部選手が不正に得てしまう恐れがあるということが考えられます。提訴文にもあるように、誘導を外れたルートの方がタイム的に不利に見えることは確かであり、その点では失格という厳しい措置を取るほどの内容ではないという見方もできます。しかし今回の場合、誘導を外れたルートではさらに次のコントロールの付近を通過することになり、誘導を辿る場合と比べてその後のナビゲーション上有利になる情報を得ることが可能となっていました。つまり、そのレッグで誘導を外れて遅いルートをとってしまったが、その次のレッグにおいては有利になっており、一概に誘導を外れたルートが不利であったとも言えないわけです。

こうしたことから、誘導を外れた場合には辿った場合と比べて当該レッグのタイム、ナビゲーションに関わる情報を含めた公平性を欠くことになるため、私は失格を妥当と考えます。多くの学生がインカレのために並々ならぬ努力、準備を重ねてきていることはよく分かっているし、できれば失格にせずにせめて記録を付けてあげたい気持ちは運営者も裁定委員も十分に共有していましたが、インカレが選手権大会であり、スポーツとしてオリエンテーリングに取り組む以上、ルールを遵守することは最も基本的なことです。

 

1.運営者の責務と判断

運営側の視点から、誘導の設営は適切であったかについて考えてみます。

今回、会場に至る誘導は前のコントロールから一貫して短冊上のストリーマが道の左側に、同じ高さに付けられ、会場付近では右側にもレーン上にストリーマが設営されていました。また、誘導の終わりには、誘導区間のかなり早い段階から見える位置に設置されていました。つまり、コントロールから純粋に誘導を辿るとなると、短冊テープに従い道の左側を常に通行し、途中からは看板により誘導区間の終わりが早い段階から視認できる状態であった、ということです。

一方で、一部の選手が誘導を外れて入り込んでしまった学校入口には、特にテープ等は設置されていませんでした。これは判断が分かれるところであるかもしれませんが、立入禁止の青黄テープを巻くわけにもいかない(車両の出入口であり、一度会場に入った選手がミスをして通過する、などの恐れもある。地図表記も困難)といったことを考えると、学校入り口部分には表示をしないという実行委員会の判断は誤ったものではなかったと思います。

もちろん、これがベストであったというわけではなく、それ以外の適切な方法を採ればより良い現地表示や誘導をすることはできたのではないかとも言えます。今回の場合で言えば、観戦エリアとの区切りとしてテープ等による表示を行うことが出来たかもしれません(表示の意味が競技者にも観戦者にも伝わらない恐れはあるが)。会場のレイアウトを工夫し、観戦者で誘導を外れるルートを埋めることが出来たかもしれません。

 

2.競技者の責務とリテラシー

次に競技者の視点から、この誘導について考えてみます。

今回の件に限らずオリエンテーリングを競技として行う以上、先の規則にもある通り、誘導に従うことは競技者の責務です。今更言うまでもなく、誘導を正しく辿らないということはルールを逸脱した反則行為であり、失格とされても文句は言えません。

 

過去2回のインカレスプリントを振り返っても、誘導辿り、コントロール不通過や立入禁止区域への侵入など、様々な理由で多くの失格者が出ています。インカレだからこそ気持ちが前に出てしまうのはわかるし、スプリントは高速で走行する競技の特性上、こういったミスが起こりやすいことは確かですが、インカレスプリントももう3回目。厳しい言い方ですが、同じようなことで毎年多数の失格が出ているわけですから、スプリントは秒を争う以上、いろんな意味でシビアに見られる競技だということをもう少し心に留めた方が良いのではないかと思います。

 

3.まとめ

正直なところ、スプリントについては競技面も運営面も、私自身も十分に理解しているとは言えません。

競技者の視点からは、もっと選手権レベルで運営される大会が増えて、よりスプリントという競技への理解を深める機会が増えてほしいと思います。スプリント自体が観戦を重視した種目ではありますが、過去には観戦者が走者のルートを塞ぐように立っている場面も何度か目にしました。

また、スプリントはどこでも練習できる面がある(ストリートOやキャンパススプリントなど)反面、非常に練習の難しい面(タッチフリーでの計時、多数の観戦者など)があります。ほかにもインカレで言うなら、近接コントロールや立入禁止表示、誘導辿りの対策を意識的に行った大学がどのくらいあるのか、気になるところではあります。競技者としてどのようにスプリントに取り組んでいくのか、全日本やインカレを本気で志すのであれば、独自練習の創意工夫も求められてくるのかもしれません。

 

スプリントの運営はテープ誘導一つ、計時方法一つとってもフォレストとは違う難しさがあります。実行委員長をやらせてもらった松本の全日本スプリントも、地図調査や表記、テレインの制約、競技の公平性の担保、予選決勝の運営といった多くの課題を抱え、頭を悩ませながらの運営でした。今回インカレでのもう一つの提訴から見えてきた課題として「0.1秒単位での計時の公平性を担保するスタート方法」がありました。回を重ねていけば、まだまだこうした課題は出てくるのだろうと思います。

 

運営者側も競技者側もまだまだ知識や経験が十分でなく、ノウハウを蓄積していく時期にあるのだろうとは思いますが、日本で選手権大会として、本当に厳密に開催されるのは全日本とインカレのせいぜい年2本だけなので、その中で得られた課題や知見は共有し、今後に生かしていってほしいと思います。