オリエンティア Advent Calendar

オリエンテーリングを語ろう。

田舎から渇望されるスポーツになろう

八ヶ岳レジャーセンター大泉の近藤です。

山梨県北杜市にある宿屋で今はオリエンテーリング関係者の皆様を中心にスポーツ合宿所の様な形で運営をしております。周囲はいくつものテレインに囲まれている=田舎です。

今回はそんな田舎に住んでいる個人として、田舎で事業を営んでいる事業者として、オリエンテーリングが今後発展していくにはどうすれば良いかについての見解を寄稿致します。

私が「こういう世界になれば、もっと好き勝手オリエンテーリング出来る様になるんじゃないか」という希望を書き連ねた物なので、そのあたりはご理解頂いた上でお読みください。

●田舎はアウトドアスポーツを求めている!

 田舎では都会に住んでいる皆様が驚く様な速度と加速度で高齢化が進んでいます。これによって田舎の経済は衰退し活気が失われています。これと相性が良いのがアウトドアスポーツで、実際に北杜市では自転車やトレイルランニングの大会が年間複数回開催されており多くの参加者を集めています。北杜市より顕著な所は山ほどあるかと思いますので、そういったスポーツイベントを歓迎してくれる地域は文字通り山の様にあるはずです。

 山林を縦横無尽に走るオリエンテーリングは、当該地域においてより多くの理解を得て実施されなければ成立しないスポーツです。そして地域の多くの人から理解を得ていれば得ている程、テレインが制約少なく永く使える様になると思います。

オリエンテーリングはそこまで求められていない!

 オリエンテーリングもこの類のスポーツに含まれますが、北杜市においてはトレランや自転車程地域から引く手が多いという状況では無いと感じています。トレランや自転車の大会は開催地域ぐるみの一大プロジェクトや毎年のお祭りという感じがしますが、残念ながらオリエンテーリングの大会はそこまでには至っていない印象です。

 その理由としてオリエンテーリングと他スポーツの違いとして、①経済活動規模が小さい②時期や場所が不定、という2点があると考えています。①について、他スポーツは社会人の参加者が多く一人当たりの消費額が大きいです。また、運営者の事前準備だけでなく、競技者の事前試走の需要もあります。②について、他のスポーツですと毎年大会の開催時期が決まっていて会場もコース決まっています。地域としてはどの時期にどの程度の活動が行われるのか予想しやすく、また一度お客さんを掴めばその次の年以降の集客も見込めます。また、前例を重んじる役所への通りも良いです。

●もっと地域にお金を落とそう、落とさせよう!

 オリエンテーリングの大会が行われた時、テレイン近辺にどの程度のお金がもたらされるのでしょうか。事業者という目線から言えばお金を落としてくれる人達を歓迎するのは当然です。しかし、「当日早朝に出発して会場につき、走り終わったらコンビニで買った昼食を食べ、そのまま帰る」という様な遠征ではあまり歓迎されないように思います。「前日の夜に着き、テレイン近くの宿に泊まり、昼食は会場の出店や近所の飲食店で食べ、温泉に入って帰る」という行動をする事で地域に沢山お金が落ちます。

 大会に参加する人全員がそれを意識して行えるのであればそれで良いのですが、運営者側にもいくつか出来る事があるのではないかと考えています。一つはスタート時間を早める事で前日入りを促し、また大会終了を早める事で大会後にその地域で滞在する誘因を高める事が出来ると考えています。また、出店者に関してもワンコインでの価格設定や大会参加費に出店での飲食代を含めてしまう(複数出店者がいる場合は工夫が必要ですが…)等の方策もあるかと思います。あくまで一つの打ち手なので、もっと効果的な方法はあるかもしれませんが。

●自分達が地図を作った地域に尽くそう!

 お金を落とすだけでなく人手も出すと、田舎にとっては、より無くてはならない存在になれると思います。トレイルランニング大会では運営者や参加者が事前に山道の整備を行う事があります。それは山を管理・所有・利用する人にとってはとても嬉しい事です。オリエンテーリングでも同じような事が出来るのではないかと思います。

 山梨県南アルプス市で活動している南アルプスマウンテンバイク愛好会という団体は「地域の奴隷です」と公言する程、地域の活動に協力しています。具体的には山道の整備だけでは無く、集落の土木作業や、お祭りの手伝い等も行うそうです。そうした活動を続けた結果、山の中にマウンテンバイク用の道を造成出来るまでに至ったそうです。また他所から「うちの山でもやってくれ」と言われるくらい地元から歓迎されているという事例があります。https://www.minamialpsmtb.com/history

 オリエンテーリングでも山の整備(ゴミ拾い・芝刈り・倒木処理)はすぐにでも手伝えることがあると思います。また、走行可能度という観点からも自分達がより快適にテレインの中を走れる事にも繋がる事だと思います。そんな活動を続けていけば、「オリエンテーリングの人たちに山を任せておけば安心」と思って貰えて、大手を振って山の中を走れる世界が来るんじゃないかと思います。また、地域の子供へのオリエンテーリング体験会実施、企業/団体への研修等もニーズがあるのではないかと思います。

 詳細は知りませんが京葉OLクラブの活動は私の考えている事ととても近い事なんじゃないかと想像して勝手に感心しています。(※ヘルメットを着用した方が良い様に見えますが…)https://twitter.com/Keiyo_OLC/status/1200626568625700865

●大会の参加費をもっと上げても良いんじゃないでしょうか?

 特に学生大会で感じる事が多いのですが、参加費が安すぎると思います。例えば2017年のKOLC大会@筏場は参加費4000円、つい先日あった岩手県立大学大会は1400円と爆安です。私はそれぞれ倍の参加費を払っても全く惜しくない感覚です。調査技術の進歩やプロ業者増加によって学生大会も高質な物が多くなってきているので、特に社会人相手にはそれに見合う価格設定をしても良いと思います。その利益分を部費に回し、部費から遠征費やインカレ等の大会参加費の補助を出す形にすれば、学生であっても前述の様に田舎にお金を落とせるようになるのではないでしょうか。

 その為には当然お金を払ってくれる社会人層の獲得(というか離脱防止)も肝要になります。私はおそらく離脱していない側の人間ですのであまり確かな事は言えませんが、仕事が忙しかったり家庭が出来たり地方への転勤・配属になったりが離脱の要因として挙げられるのではないかと考えています。本稿の内容とは少し外れるので、これに関する意見はまた別の機会に述べれればと思います。

●クラブの日ごろの練習も公開練習にしてしまおう!

 数年前の小泉さんの記事にもありましたが、オリエンテーリングは練習の機会がとても少ないと思います。オリエンテーリングを始めたい人も、続けたい人も練習する機会ってとても少ないです。(これも社会人の離脱要因になっている気がします)しかし、特に学生クラブにおいては平日でも夜に集まってランニング中心のトレーニングをしているクラブが多いかと思います。また合宿とかも「宿は自分で取ってね」というスタンスで公開する等の方策で、近くに住んでる(主に)社会人オリエンティアも巻き込んでいけたら面白いんじゃないでしょうか。ラントレだったら数百円、合宿だったら数千円であれば全然払ってくれる様に思えます。これもまた学生クラブの活動資金減に出来るのではないでしょうか。

●大会はテレインを選ぶけど、練習会は定期的に同じ場所で開催しよう!

オリエンテーリングの大会を毎年同じ地域で出来ても、同じテレインで開催する事は難しいと思います。しかし、練習会であればそれは容易に出来るので、一つのテレインを練習用のテレインとして定期的にそのテレインで公開練習会やトレーニング合宿でも開催すれば、田舎からも有難がられ、結びつきは強まっていく様に思えます。

●仕事で田舎に行っても絶望しない、逆にオリエンテーリングし放題!

 これらの話は活動しているクラブの拠点がテレインのある地域に近い事が前提になっています。都会にあるクラブや人が、地方にあるテレインや地図の運用をしていく事はなかなか難しい物があると思います。

 じゃあ地方にオリエンティアっていないのかとなると、配属やら転勤やらで意外とそうでもないはずです。きっとそういう人は知り合いが居ないと、どんどんオリエンテーリングから離れて行ってしまうので、地方の大学の方はそういう社会人の受け入れや勧誘に勤しむのも良いのではないでしょうか。

 遠征時の移動で高速道路をから見ていると「何ここオリエンテーリング出来るじゃん」という場所をいくつも見かけます。田舎はオリエンテーリング天国なので、地方に居る・来たオリエンティア/元オリエンティアは「周りに地図がないなぁ」ではなく、「大量の新規テレイン開拓余地有という天国の様な場所に来た」とマインドチェンジして貰えると願っています。


私自身もレジャセンに引っ越してきて2年以上が経ち、少しづつではありますが、この地域とオリエンテーリングを繋ぐ活動の糸口が見えはじめたという感覚です。同様の考えを持つ方が増えて他の地域でもオリエンテーリングの普及が進む事を願っています。

この記事でオリエンテーリング関係者の田舎に対する目線や付き合い方が変わるきっけとなれば幸いです。ゆくゆくは「オリエンテーリングの人たちを誘致して町おこしをしよう!」「オリエンテーリングの人たちに自分達の山を預けよう!」という様な声があがるようになればいいですね。

以上

jogのすすめ

おはようございます。こんにちは。こんばんは。
12/23のAdvent calendarを担当します、筑波大学オリエンテーリング部3年の根本啓介(@simple_plan727)と申します。
オリエンテーリングは1年目です。

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ICS2019

先日たまたまAdvent calendar立案者の方と呑む機会があり、「書いてみなよ~」という一言をきっかけに書くことになりました。

不特定多数に向けて文章を書くのは初めてで駄文に仕上がっていますので、時間がある方だけ読んでください。

自己紹介

をしておきたいのですが、まずはこれを見てください。

 

茶の里いるま(新茶)
北東スプセレ(MEC)
CC7水戸一高チーム(relay1走)
水元公園スプリント満喫大会(relay3走)
インカレ調整練習会-スプリント-(ME)
インカレスプリント(ME)

 

何のリストか、勘の良い方はもうお判りでしょう。


そう。私が今までに出場した大会、ではなく、今までにDISQした大会です。

リレーでもペナってますね。大罪人です。(水戸一チームの皆さん、稲毛さん、佐野さん、その節は本当にすみませんでした。)


「めっちゃ遅い上に、めっちゃペナる人権がない人」って認識で合ってます。
最近ポス番を見ることを覚えたので、これからはきっとペナりません(きっと)

 

オリエンテーリングを始めるまでは、陸上競技部の長距離パートに所属して走っていました。チームはこの前、国公立大学としては26年振りの箱根駅伝本選出場を決めましたね。


練習の目的


本題です。

私の周りで「練習のこと書いてよ!」って意見が多かった(気がする)ので、それについて。

以下、完全に持論ですので、バシバシ意見・質問等下さい。

 

まずオリエンテーリングの世界に入って思ったのは、
「ラントレ(?)のときに明確な目的持たずに走ってる人多いな、、」でした。

 

インターバルや階段ダッシュの狙いを聞いても、答えられる人はほとんどいませんでした。森に入るときには各々テーマを持ってる人が多いのに。

 

少し考えれば当たり前のことですが、練習にはその練習を行う目的があるはずです。逆に言えば、目的がない練習は練習と呼べない。


練習は常に、現状と理想のギャップを埋めるための手段です。

まずはjog


ポイント練1個1個を見ていったらキリがないので、jogについて書きます。


やっぱりjogが練習の基本ですし、jogって一口に言っても種類と目的は色々あります。

 

最初に言っておきます。


これは専門が長距離の人たちの共通認識だと思いますが、jogをやらずにポイント練をやっても意味がないです。故障も増えます。


そして、月間走行距離300km以下の人であれば、ポイント練を行わずともjogだけでもっともっと速くなれる、と私は思ってます。


「ポイント練は辛いしやりたくないけど、足は速くなりたーい」という方、まずjogです。

 

一応、3000mの自己ベストが10’00″くらいの人の目安のjogペースも記しておきます。もちろん適正ペースは人によって全然違います。(後に説明するLT値に関係します。)


絶対的な数値で見るというよりか、他のjogと相対的にどれくらいのペースなのかを理解する助けにしてください。

色々なjog


① ベースjog(4’50~5’30/㎞)
その名の通り基本となるjog。最も頻度が高い。何か理由がない限りは大抵このjog。

 

目的は、
1) フォーム固め・改善
2) 関節・筋肉・腱の強化(怪我予防にも)
3) 遅筋繊維の能力向上 及び 有酸素系エネルギー代謝の能力向上

 

(有酸素系エネルギー代謝は簡単に言うと、いくつかあるエネルギー代謝のうちの最も長時間運動に向いているエネルギー代謝です。)

 

単にjogを「ポイント練とポイント練の繋ぎ(ラントレとラントレの繋ぎ?)」とだけ捉えている人は少なくありませんが、量で見れば時間的にも距離的にも練習の大部分を占めることになる重要な練習になります。

これは市民ランナーからオリンピアンまで例外はありません。

 

ペースを上げようとも抑えようとも考えない。というか基本何も考えてない。考えているとしたら「暇だな」か「今日のご飯何にしようかな」。

 

② 強化jog(4’20~5’00/㎞)
走力向上を狙ったjog。①のベースjogより速く、ペース走よりも遅いペース。気持ち良いな、と感じるくらいのペースを保つ。

時間は最低でも30分間。

 

大体は①のベースjogのつもりで走り始めて、「あれ今日身体動くじゃん、もうちょいペース上げちゃおう~」って感じで始まることが多い(自分の場合)。

 

目的は、
1)スプリントのレースに近いスピード領域でのフォーム固め・改善
2)LT値の向上

 

LT値(Lactate Threshold;乳酸性作業閾値)という単語は聞き馴染みがないかもしれません。
LT値は「血中乳酸が持続的に増加することなく行いうる最高の運動強度」と定義されています。ここでは「乳酸が溜まり始める強度」という認識で構いません。

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https://mag.onyourmark.jp/2011/11/zagaku06/10148

↑わかりやすい図

 

図のようにヒトは血中乳酸が急増する点があり、その点をLT値と呼びます。

 

(図のOBLAというのは、血中乳酸濃度が4mmol/lになる点です。長距離選手にとっての5000~10000mにおける「レースペース」です。これはポイント練じゃないと叩けない領域なので、今回は説明を省きます。)

 

厳密なLT値の測定は専門の設備がないと不可能なので感覚的には、
「きついけど気持ち良い」
「楽だけどきつい」
という感じの強度になります。(伝われ)

 

このjogをするときは大抵インカレを走る自分とか、成功している自分を妄想しながら走ってます。ペースが良い感じに上がっていくのでオススメです。

 

疲労抜きjog(アクティブレスト)(5’30/㎞~)

 

目的は、
1) 疲労抜き

 

書くまでもない。だーらだら走りましょう。

 

7’00/㎞だろうが8’00/㎞だろうがオールOK。少しでも身体動かしたほうが疲労回復は早いので、とにかく身体が動いていれば良し。


「まあ走らないよりはマシだろ~」と自分に言い聞かせながら走りましょう。このjogは頑張ってはいけません。

 

近くにいる人も巻き込んでしまいましょう。ペースを気にする必要ないし、誰かと走れば惰性でいける。


あと、jogの最中はなぜかみんな口が軽くなるような気がします。普段聞けないような話が聞けることも少なからずあるから楽しい。

 

番外編

 

④TT jog(~5’00/㎞)


相反する単語が並び、一見矛盾しているネーミングのこの練習。ちょっと前に元東大生箱根ランナーの近藤秀一さん(現GMOアスリーツ所属)がnoteに書いて話題になっていたものです。

note.com


筑波大の長距離でも「集団走」って名前でやってたなー、と思い出したので、一部抜粋しながら紹介しておきます。

 

目的は、
1) LTとOBLAの向上
2) (レース感覚の養成)←オリエンテーリングに関係ない

 

簡単に言うと「jogの範囲内でペースを上げまくる練習」です。


強化jogのつもりで始まるものの、終わりが見えてくるにつれてガンガンペースが上がっていきます。みんながみんな周りを振り落とそうとします。終わった後には軽いクールダウンが必要なレベルまで上げます。(筑波大長距離のAチームではラスト3㎞が3’00/㎞強まで上がっていました。)

 

ただ、この練習を行うにはいくつか条件があります。


ⅰ)TT jogを予定に組み込んではいけない
→あくまで競り合いやランナーズハイの状況下で、ペースを上げてしまう結果がTT jog。ペースを決めてしまったらビルドアップ走と変わらない。


ⅱ) 行うならペースの上がりにくい朝
→夕方だと身体が動いてしまうので、jogの範疇を逸脱する可能性が高い。


ⅲ)自発的参加しかあり得ない
→周りを巻き込むなら負けず嫌いなひとがおすすめ。強制するのはナンセンス。

 

こんな条件揃うことないわ!と思われるかもしれませんが、最悪ひとりでもできる練習です。興味があったらやってみてもいいかもしれません。

 

この練習のメリットは、
・幅広い速度帯で走ることになるため、筋肉や呼吸循環器系に多様な刺激が入る
・jogのつもりで始まるので、ポイント練のような心理的障壁が低い
ことです。

 

私は今でも、(朝練が嫌いなので)数か月に一回だけやりますが、朝からやり切った感が出てしまって、その日の午前に授業があったら大抵ダメになってます。


自己責任でお願いします。

補足


① jogの後は必ず「流し」を行ってください
流し とは6~8割で70~200m程度を数本走ることを言います。海外かぶれしている人はウィンドスプリントとか言います。
jogで小さくなってしまった動きを大きな動きに戻すイメージで走るといいと思います。
ゆったりペースでばかり走っていると、次第に小さくて固い動きが染みつきます。流しを疎かにすると、スピードを出せなくなる恐れがあります。
とにかく気持ちよーく走ればOK。

 

② 完全休養も重要
疲労抜きjogのことを書いたので、「疲れてても毎日jogしなきゃいけないのか、、」と思った方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
練習の強度にもよりますが、最低でも週に1回は何も運動をしない完全休養日を設けたほうが良いと思います。
月間走行距離の目標を設定している方は、目標を設定する際に週1回の完全休養日も考慮に入れると余裕をもって距離を踏んでいくことができます。

 

③ スプリントの走力とロングの走力
当然走力にも色々あります。
スプリントはやはり3000~5000mの走力が求められますが、ロングでは要らないよなあ、という感じがしています。
ロングで求められるのは「jogペースでどれだけ坦々と走れるか」の方が近い気がしています。これも3000mのタイムのように客観的に評価できるものがあったらいいですね。
まあ、私はまだロング走ったことないんですけど。

 

④ 読図走
読図走大事ですよね。でも強化jogの時に読図走はやらない方が良いと思います。
何を目的として練習するのか(何をこの練習の最重要目的とするのか)を明確化すれば、強化jogと読図走が両立し難いことが分かるかと思います。

 

おわりに (以下、本題とは関係ないので興味ない方は読み飛ばしてください。)


私は周りから「ストイックだ」と言われることが多いような気がします。実際数人からは「ストイックな人」というラベルを張られているのかもしれません。

 

高校生までは自分でも「目標に向かって頑張れる人」なんだと思っていました。
でも筑波大の長距離パートに入って、それが覆された。

 

・月間走行距離700~800㎞以上
・お菓子、ジャンキーなもの、アルコール類の飲食自重
・故障をしない

 

が最低限かつ当たり前の世界で、私は4年間箱根駅伝出走を目指して頑張り続けることはできませんでした。実際長距離パートに所属していた2年間だけを見ても、チーム内で私のことをストイックだった、という人はいないと思います。

 

度重なる故障でチームの練習の流れに乗れず、いつの間にか妄想の中ですら箱根を走ることはできなくなっていました。おそらく、やり切ろうと自分で決めて始めたことを途中で投げだしたのは初めてだったと思います。

 

そんなアスリートに(或いは競技者にすら)なれず、もうスポーツはいいや、と思っていた私が今オリエンテーリングをしているのは、高校の同期と先輩のおかげです。

 

小学校から競技としてしかスポーツをやってこなかった私は、オリエンテーリングを始めて、スポーツが持つ競技以外の魅力を知りました。


これからオリエンテーリングが生涯の趣味になっていくのかもなあ、とぼんやり考えていたりします。

 

増澤すず先輩、ぽりくん(堀江直人)、自分がオリエンテーリングに出会うきっかけをくれて、ありがとうございました。

 

また、今オリエンテーリングを楽しんでいられるのは、筑波大学オリエンテーリング部の43期をはじめとするみんなのおかげです。自分に居場所をくれて、ありがとうございます。

 

以上、この記事で誰かひとりでも、これからの練習のヒントを掴めれば嬉しいです。

 

追記
私は挫折してしまいましたが、今も頑張り続けている人たちがいます。10日後に控えた箱根駅伝で、自分の大学or母校が出場しない、毎年応援している大学がないという方は、ぜひぜひ筑波大学の応援をよろしくお願い致します。

 

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おしまい。



AsJYOC体験記

はじめまして、こんにちは。主催者側から声をかけて頂きAdvent Calendarを書かせていただくことになりました。東大OLK所属、実践女子大学2年の阿部悠と申します。


私は、AsJYOC2019に感想について書きたいと思います。


8/28スプリント 

スプリントでは通るべき道を見つけることができず行き過ぎてしまったり、ハッチを切ってしまったりしたことで散々な結果となってしまいました。また、ゴルフ場は波のようなアップダウンがあり、体力が削られてしまい思うように走ることが出来ませんでした。しかし、人工特徴物が浮き輪のイルカわシャチだったり、人工柵が設けられていたりと思うようには行かなかったけれどとても楽しかったです。


立食パーティー

夜は立食パーティーをして、ナイトアクティビティをしました。立食パーティーでは、美味しいものを食べて、海外オリエンティアと話をすることができて良かったです。


ナイトアクティビティ

ナイトアクティビティは10人くらいチームになり、各ポストにある情報を集めて正解にたどり着くゲームになっていました。チーム内でまわるポストを振り分け、集めて終わったら集合し、みんなで頑張って答えを出そうとしましたが全く分からず時間内に正解にたどり着くことは出来ませんでした。それでも、海外オリエンティアの子達と苦手な英語で何とか伝えたいことを伝えたり、上手く通じなくても協力できたことに喜びを感じ、楽しかったです。

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8/29レストデー

午前はほうとう作りを体験し、午後はハイジの村とまきば牧場に分かれてレストデーを楽しみました。午前のほうとう作りでは班に分かれて野菜を切ったり、麺を伸ばしたりなどの作業をみんなで交代しながら作りました。麺を伸ばす作業が新鮮だったのか、海外オリエンティアの人達は友達と目を合わせながらニコニコと楽しそうにしているのを見てとてもほっこりしました。

私はハイジの村の方に行きました。信玄餅のソフトクリームを食べたり、(遊具で遊んだり)、咲いている花を見たりしました。また、ハイジの物語はクララが立ったシーンしか知らなかったのですがハイジのテーマ館でアルプスの少女ハイジの物語を一通り知ることが出来ました。

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作ったほうとう

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遊具で遊ぶ瑞穂さん


8/30スプリントリレー

私は日本代表の2軍の1走として走りました。リレー前日までは1軍になれなかった悔しさとあまり経験をしたことがない1走になってしまった不安とマススタートへの緊張感で気持ちの大渋滞がおき落ち着きませんでした。でも、何も特別なことはしなくてもよくて、いつも通りやればいいんだよと言われて、気持ちがごちゃごちゃとしていてレースに対して何も考えられていない状態から自分がリレーでいつも通りのオリエンテーリングをするにはどうすればいいのだろうとレースについて考える余裕ができました。それがあってリレー本番では緊張はしていましたが大きなミスをすることなく落ち着いてレースができたのだと思います。レース中では違うクラスの人達も走っていたので今自分がどのくらいの順位なのかは分からず、自分の前には何人か人が走っていたので自分は後ろの方にいるのかもしれないと頭の中でよぎりました。もう前の人から離れないように、離されないようにという気持ちで走り、ラスポ辺りでは抜かす、抜かされないぞ!という一心でゴールまで走りました。ゴール後に自分が2位で帰ってきたことを知り、安堵しました。リレーではチーム一丸となってレースに臨めて良かったです。


8/31ミドルディスタンス

ミドルのテレインは難しく、直進もしっかりと当てないと上手くいかないと聞いていたので直進が下手な私は物凄く焦っていました。大会では直進があたっていましたが普段の私のオリエンテーリングでは全く当たらず、1年生の頃の直進は45度近く別の方向にいってしまうくらいに下手でした。

でも、どうして直進が上手くいったのか自分なりに考えてまとめてみました。(普段、多くのオリエンティアの方が意識していることばかりだと思います)


"普段していた直進"

・コンパスを目的地に合わせてコンパスの針だけを磁北線に合わせる(現在地と目的地を結ぶ線に合わせるようにコンパスを置いていた。)

・ルックアップをして目の前に見えた木を目印にして走る。

・目印の木に着いたらまたコンパスを見る。(この時大体コンパスと地図がズレている)

・なので、またコンパスを目的地に合わせて針を磁北線に合わせる。

普段はこの動作を繰り返して直進をしていました。


"大会でした直進"

・コンパスを目的地に合わせ、リングを回してリングにある線と磁北線を合わせてから針を合わせる。

・ルックアップをして目の前に見えた木を目印にして走る。

・目印の木に着いたらリング内の線と針を合わせる。

大会ではこの動作を繰り返して直進をしました。


"大会でやった直進で良くなったところ"

・コンパスと目的地に合わせる動作がなくなった。

・現在地と目的地を結ぶ直線にコンパスを置く必要がなくなった。

・コンパスに隠れていたところが見えるようになった。

・拾える地形が多くなった。

・現在地が特定しやすくなった。


"直進で意識したこと"

・下るのか登るのかを確認する。

・沢や尾根の地形を確認する。

・目の前にどのような地形が見えてくるのか想像する。

・沢や尾根を切る時はコンパスをする回数を増やす。


エイミングオフをしつつ大会でやった直進の動作と直進で意識するところを気をつけたことで上手くいったのだと思います。また、現ロスをしてしまったら焦ってしまいリロケができずテレインを彷徨うだろうと思い、これを大会ではしてはいけないと思い直進は外さないと強い意志を持ったことで集中力が高まったことも直進が上手くいった要因だと思います。

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表彰式・バンケット

表彰の後1~3位の人達で写真をとる時に台北のオフィシャルさんに大きな声で「small、small!」と言われたのがとても印象に残っています。

バンケットでは最後の方でミニレクリエーションがあってお題にそって他国のオリエンティアと写真を撮り交流する時間がありました。

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イラストの女の子とツーショットを撮る金子さん


余談①

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余談①

8/10〜8/15→調査

8/16→10:00~22:45バイト、休憩時間は1時間未満

8/17→オリエンテーリング@赤城

8/18→スタジアムスプリント@新潟

8/19〜8/22→調査

8/23→ユニバーサルスタジオジャパン

8/24→大阪観光

栃木→東京→群馬→新潟→東京→栃木→東京→大阪→和歌山→大坂→静岡→山梨

このスケジュールをこなしたことにより、AsJYOCのトレキャン前日の夜には熱を出しました。トレキャン前日は午前中にオリエンテーリングをしましたが流石に熱が下がっていなかったので午後は部屋で寝るはめになってしまいました。2日目からはトレキャンに参加することができましたが、2週間以上夜中に咳が止まりませんでした。体調管理とスケジュール管理は無理をしない程度に行わなければいけないと思いました。


余談②

ミドルディスタンスの日に家族が応援をしに来てくれました。その時に結果を出せたことにより今までオリエンテーリングに興味を持っていなかった家族でしたが少し興味を持ってくれるようになりました。それまでは、毎週オリエンテーリングをしに行くことに否定的でしたが、日本代表に選ばれたことやこの大会を機に好きなことなら頑張りなと言ってくれるまでになりました。また、特に影響を受けたのが妹で大会帰りの車の中で「私もオリエンテーリングがしたい!」と言ってくれました。このことがアジアチャンプになって1番嬉しかったことで、アジアチャンプになれて心から良かったと思えた瞬間でした。

コース設定から振り返る関東スプセレ2019〜スプリント競技の可能性を探る〜

この記事はオリエンティア Advent Calender 201920日目の記事です。

オリエンテーリングのスプリント競技について語ります。

 

はじめに

「2019年度日本学生オリエンテーリング選手権大会スプリント競技部門関東地区代表選手選考会」

通称「関東スプリントセレクション」略して「関東スプセレ」。

この大会では、秋に開催される学生選手権大会にて選手権クラスを走る選手の選考を行います。今年は6月30日(日)埼玉県飯能市駿河台大学で開催され、総勢294名の中から男子28名、女子11名の関東の代表選手が選考されました。

関東学連所属の皆様お疲れ様です。参加された一般の方、ありがとうございました。時間が経ってしまいましたが、大会を運営する上で大変だったこと、あるいは競技に関してどういう意図でそのコースを出題したのか、等を私コースセッターの立場から振り返りたいと思います。かなりマニアックな記事かもしれませんが、できる限り参加されなかった方や、これからスプリント競技に取り組んでいきたい方にも分かるよう記述いたします。どうぞお付き合いください。お好きなところからお読みいただければと思います。

 

さて、近年人気が上昇しつつあるスプリント競技について、あなたはどの程度競技の本質を知っていますか?

 

私も競技を始めて高々数年なので偉そうなことは言えないのですが、スプリント競技に対する誤った考え方や特殊な競技性の追求が進むにつれ、日本でのスプリントはガラパゴス化しつつあるように感じています。

海外の事情をマスターしているとは言えないものの、本場のスプリント競技に目を向けて来た私の知見と今回の大会運営を通して経験したことをここで記すことで、皆さんのお役に立てたり、日本におけるスプリント競技の発展の一助となればと思い主催者のお声がけに乗じて本記事を書かせていただくことにしました。

以下が本記事の内容となります。

 
目次

 

自己紹介

はじめまして。慶應義塾大学OB1年目、丘の上・GROK所属の上島浩平と申します。

私は大学からオリエンテーリングを本格的に始め、現在5年目になります。両親も妹もオリエンティアです。

得意な種目はミドルディスタンスとスプリントで、どちらも現地と地図の一致が常に求められる点が好きです。

主な実績は、学生選手権2017優勝、アジア選手権2018優勝(どちらもミドル)などがあり、スプリントに関してはまだ誇れる実績はないのですが、学生選手権2018 5位、アジア選手権2018 5位などあります。

国際大会は世界選手権2017・2019、世界大学選手権2018、アジア選手権2018に出場しました。

運営経験は第7回KOLC大会(@筏場国有林)にて作図責任者を務めました。

 

現在は自身の競技力向上とともに、日本でも海外のような難しいスプリントができること・本場のオリエンテーリング環境を体験できることを目標に取り組んでいます。競技者として様々な経験をさせていただいたので、少しでも日本のオリエンテーリング界に返せるような働きができればと考えています。

 

私の目指す世界

突然ですが私のお気に入りのスプリントを紹介します。

それはこちらJWOC2015のコースです。(初見で練習したい人のためURLでの紹介にしています)このコースは他の追随を許さぬほど面白いレッグの連続なのですが、特筆すべきは3-4の最速ルートの見つけにくさでしょう。正解が気になる人はこちらをご覧ください。最初このルートを知った時、目から鱗でした。一度知ってしまえばそのルートの単純さとタイムへの効果は明らかで、それ以外の選択肢がないようにすら思えます。一体誰がこんなルートを瞬時に見抜けるのでしょうか。

日本のスプリントでも同じような経験があります。それはICS2015のME5-6になります。私は周到に予習をして走った(当時は観戦のため地図が先に配られ、その後チャレンジコース出走でした。)のですが、下図の①ルートが全く見えませんでした。答えが与えられた状態ではなぜそれが見えぬのか不思議に思うかもしれませんが実際多くの人が気づかなかったと思われます。それを優勝の稲森は初見で見抜いた訳で、そのルートファインディング力、そしてこのレッグを生み出したコースプランナーのアイディアに感服し、スプリントの面白さとはこの誰もが予知しない創造の産物にあるのだと感じました。

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M5-6 (インカレ報告書より引用)

それを走りながら見つけた人はすごいけど、生み出すことにはまた別のすごさがある。オリエンテーリングの地図は芸術だと私は思います。もちろん地図自体の美しさは見る人を魅了します。しかしそれと同じくらいコースにも美しさが存在します。素晴らしいコースは人々の記憶に残り、後世に伝えられるでしょう。そんな伝説となるコースを自分の手で生み出すことが今の私の目標です。

 

関東スプセレ運営記録

さてここからは、2019年関東スプリントセレクションの開催にむけてどのような気持ちで臨み、コースを考え、当日を迎えたかをコース設定者である私の立場から振り返ります。

 

実行委員会結成

スプセレ実行委員会が決まったのは昨年12月の関東ミドルセレ終わりの会場でした。私はスプセレに強い思い入れがあったので(スプセレだけは強く過去3年で1位1位2位でした)コース設定を担当させていただくことになりました。前年度の実行委員会と地図版権元の入間市OLCが渉外を済ませておいて下さったおかげでその時には駿河台大学での開催が決まっており、自分の中では多くの通行不能な柵や水系があるテクニカルなテレインだというイメージがあったこともあってコース組みにワクワクしていたのを思い出します。

ところが実行委員会立ち上げと同時に、テレイン内の約1/4ほどが部活動エリアとのことで使用が制限されてしまうことが判明します。(図のハッチが掛かっている部分)

開始早々に少し気落ちしますがそれでも残りの部分でもなんとか形にできそうだったので、今後どのような方針で進めていくかのコンセプトとコース案を作成しました。

 

【コンセプト】

・スプリントの醍醐味である選択と判断を試すコースにする

・旧図だけで対策するような一夜漬けする者を落とし、日頃からスプリントに関心を持っている人が通るコースにする

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コース案 パープル太線の位置に大きく人工障壁を設ける予定だった 版権:入間市OLC

選択と判断というのはルートチョイスとナビゲーションを意味します。

ルートチョイスについては複数のルートの選択肢があり、一目では正解のルートが見つけづらく、検討の末正しいルートを選択できればタイム短縮に直結するものが理想であると私は考えています。したがって、単に建物や競技場などの障壁を右か左かといった単純なルートチョイスはあまり良いものだとは言えません。ましてや次のポストへのルートが一つしかないものはスプリントではありません。(もちろん全レッグそうである必要はありませんが。)この点がスプリントといわゆるパークOの大きな違いでしょう。

ナビゲーションについては、迫り来る環境へ即座に順応し、常に現在地の把握と次の行動の決定を実行することを意味します。様々な意見があるかとは思いますが、個人的にはその密度が濃く、常に競技者にとって負荷のかかる状態が続くことが望ましいと考えます。

そしてこれらの前提としてスプリントの最も重要な性質にスピードを出す点が挙げられます。タイムを競う競技なので当たり前なことではありますが、時としてオリエンテーリングの技術的な面ばかり注目され、忘れてしまいがちな事実でもあると思います。いかに高速な環境下で選択と判断が行えるかを競うのがスプリントなのです。

これらの要素は国際オリエンテーリング協会(IOF)フット・オリエンテーリング競技会 競技規則の競技の構成の部分で端的に示されています。

  1. スプリントの特徴は、「ハイスピード」である。スプリントは、競技者が高速で走りながら、複雑な状況下で地図を読み解釈する力、ルー トチョイスをプランし実行する力を試す。

 

このようにスプリント競技としての性質が定義されるのですが、残念ながらこうしたスプリントを楽しめる大会はあまり多くはありません。最近はそういったスプリントを求める意識が高まってきているようにも感じますが、複雑な構造のテレインや市街地を用意することが難しい事情もあり、なかなか欧州のような環境に近づけるのは難しいかと思います。

そこでスプリントとはどういうものか広く知ってもらい、限られた環境の中でいかに良質なコースを組むかを示すコースを作ろうと考えました。

 

さて、話は戻りますが動き出した実行委員会にさらに悲劇が襲い掛かります。

なんと、コース草案をもとに使用エリアとコース内容の確認を駿河台大学に取ったところさらなる制限が与えられてしまいました。それは

・部活動の妨げとなるため、コース案にある大規模な人工障壁の設置(図のパープル太線・ルートチョイスを増やすために考案した)はやめてほしい

・土手の走行は土壌保護のため禁止

・公式戦実施の可能性があるためホッケー場まわりの使用も禁止

でした。もう絶望です。いやいや、難しいエリアがそこそこあってコース組みも工夫しがいがあるからわざわざ手を挙げたのに、駿河台大学のいいところ全部なくなってるじゃん。ちょっと不貞腐れてしまいました。

そのため、実行委員会内で代替案を出し合いなんとか面白さを追求しようとしたり、交渉の可能性を探しました。渉外担当の粂さん(入間市OLC所属)が何度も何度も駿河台大学の担当の方とメールのやり取りをしてくださりました。その中で直接お会いして交渉する方向になり、わずかばかり希望を見出しました。

 

下見と打ち合わせ

3月の終わりに初めて現地へ赴きました。担当の方と現地で使用場所の確認作業を行い、管轄の部署に使用の可否を確認して頂きます*1。その結果、さらなる使用不可部分が明らかとなってしまいます。

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ハッチ部分がこの時点での使用不可エリア 赤色のハッチが新たに判明した箇所 版権:入間市OLC

大会を開くというのはなかなかに大変なものであると感じます。当然ながら大規模な大会を開くにはそれ相応の安全の確保が必要なのでしょう。

しかし直接相手にお会いしてオリエンテーリングというスポーツを理解してもらうこと自分たちがやりたいことを相手に伝えるということはとても大切なことであるとも実感します。以下の点を許可していただけました。

・簡易な人工柵の設置

・テニスコート西の駐車場の独占使用

使える駐車場が減ってしまった代わりに、一方の駐車場に車が入らないようにしてくださりコースの自由度がかなり高まりました。これはひょっとして、以前と条件を変えれば人工障壁の設置も許されるのでは!?とリベンジの期待が高まります。

 

人工柵設置

より複雑なルートチョイスのため人工的に通過不能な柵を設置する

日本でも浸透しつつあるこの考え方は、本場では一体どれほど普及しているのでしょうか。そしてそれはどのような形で実現されているのでしょうか。

少し本題からは逸れますが、いくつか例を挙げてみます。

WOC2013 Sprint Qualification & Final

Finalは言わずと知れた名コース中の名コースです。どちらのレースでも沢山の人工柵が使用されたとのことです。

JWOC2015 Sprint *2

あまりに素晴らしいコースなので再掲しました。一見人工柵など使用していないように見えますが、こちらも大量に使用していました。

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人工的な通行禁止オブジェクトの有無による比較 文献2より引用

JWOC2016 Sprint 

こちらも本当に素晴らしいコースです。テレインの中心に位置する公園内にオレンジ状のネットが張り巡らされているのが分かります。

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オレンジの線状特徴物が人工柵 Highlights動画より

JWOC2018 Sprint

こちらも(以下略)。素晴らしさを伝えきるのに語彙力が足りません。

ハイライト動画から確認できる範囲では、地図上のパープル太線+パープルハッチの部分に赤白テープが張られているようです。

 

他にも参考となるスプリントはたくさんあるのですが、キリがないのでこの辺まで。

これらの事例から分かるように、以上のスプリントに共通し、それらを神コースたらしめている所以として考えられるのは、

  1. 柵周りのルートチョイスで最適解が一瞬では分からないこと。
    そして、
  2. 人工柵を一度きりの使用で終わらせず、異なるレッグにおいて異なる効果を発揮させること。

の2点であると言えるでしょう。

それゆえ、本大会においてもこの2原則を満足するような人工柵を設置しようと考えました。

そうなると自ずと設置の仕方は決まってきます。

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(左)一箇所目の人工柵 パープル太線が人工柵の位置 (右)実際の様子

こうでしょう。最もシンプルかつ汎用性のある配置はこれ以外ないと思います。具体的な使用例はコース解説をご覧ください。

この独占使用を認められた駐車場以外にも非オリエンテーリング関係者に迷惑がかからないよう最小限の範囲で人工柵を配置したのが以下の部分です。

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二箇所目の人工柵 パープル太線が人工柵の位置

どれもまわりの特徴物と連結させることで、建物まわりの構造を大きく変えています。

第1回試走後の修正調査で芝生養生エリア(パープルハッチ部分)が生まれたため、なんとか利用できないかと考えた結果、この非線形な形状を人工柵とセットにすることで最短ルートを考えにくくする効果を得ました。大学側にお願いをし、大会当日まで養生のための囲いを外さないでおいてもらえたのでとても助かりました。

特に一番南の柵は本番2週間前のタイミングで考えついたアイディアで、渉外担当の粂さんに無理言って大学側との調整をお願いしてもらいました。

これらのほんの少しの工夫により、既存のテレインが大きく生まれ変わりました。こちらに関するコースでの使用例は同じくコース解説をご覧ください。

 

具体的な設置と交渉

この部分に興味のある方は少ないと思いますが、今後の運営の参考として書かせて頂きます。

まず、人工柵に求める要件として、

・反対側の様子が分からないこと:進行方向先の様子が視認できるとナビゲーションの難易度が低下してしまう

・自立すること:このテレインは地面が硬く、また芝生上では保護する必要があるためポールを地面に刺すことができなかった

の2点があり、工事用ネットフェンスと園芸用支柱により下図のような設計としました(これらは交渉を行う際の説明用資料です)。

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ネットフェンスとその設置方法 ちびっこが遊ぶ写真を示すことで安全性を強調

最終的には大場さんのご協力をいただき、余ったパンチ台を支柱の補強に利用しています。

ネットは1mあたり100gと軽い上、反対側も透けません。値段も¥3,200 / 50mと安価で、設置に必要な材料全て含めて¥15,000程度だったのでかなり再現性のあるソリューションかなと思います。 

 

そして、大学側と交渉する際常に注意したのは、絶対に非オリエンテーリング関係者の方に迷惑を掛けないということでした。説明の例を下に記します。

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人工柵の片側をスタッフが持ち、一般の方の通行の際は柵の端を解放する

この点を強調して説明することで、人工柵の設置を快く許していただけました。

 

最後の恐怖

本番まで1ヶ月と半分を切った最終試走が終わり、大学側の担当者の方にコントロール位置の最終確認をしてもらっていた時のことです。これほど制約があったのだからもう大丈夫だろうという思いが一瞬にして崩れました。あれよあれよという間に重大な懸念点が出てきてしまいました。

・テニスコート周りの使用は当日の部活動の支障にならないか

・テニスコート裏からカヌー池に抜ける道付近の電圧ケーブルは危険でないか

・2つめの誘導(コース解説参照)の駐車場は当日使用できるか不明

ここでその部分の使用を断られてしまったらもう終わりです。流石にこれ以上は限界で、各管轄部署からの了承が取れるまでは本当に生きた心地がしませんでした。

結局、全責任を実行委員会が取るという条件は課せられたものの、使用を許可していただけました。

これらは、実際に会って何度も話し合いを積み重ね、試走の様子を見てもらい、粂さんが最初から最後まで懇切丁寧に向き合ってきて下さったことで、担当者の方に最後には協力的に働いてもらえた結果だと思います。再度述べさせていただきますが、我々がどういうことをしたいのか、どこまでなら譲歩できるのか、を相手に伝えること、理解していただくことが最終的にお互いが納得した状態を迎えることに繋がるのではないかなと思います。

 

コースについて後は参加された皆さんご存知の通りです。

楽しんでいただけたならとても嬉しいです。

 

コース解説

この章ではMs(男子セレレクションクラス)/ Ws(女子)/ L(一般参加者むけ)の各コースについて主なレッグを取り上げ、そのレッグの意図や設定した経緯について説明します。また、実際タイムが早かった人がどのようなルートを選択したかを示し、その要因を分析します。なお、表記の仕方はWorld of OGPSアナリシスを参考にしているため遅いルートは赤系統の色で示されますが、これはレッグ順位が6位以内の選ばれし者の中での話なので、必ずしも不正解ルートを意味するわけではありません*3。ご注意ください。

さすがに全員には聞き込み調査できなかったのでルートが掲載されなかった方、どうぞお許しくださいませ。

Ms / Ws / Lの解説へ

  

Msクラス

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Msコース図 版権:入間市OLC

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Ms順位変動 入賞者内で大きく順位変動が起きたレッグを肌色で強調

【総評】

順位変動を見ると大きく2通りのパターンが見て取れます。最初から最後まで安定して速いグループと他の選手が脱落することで相対的に順位が良くなった、あるいはレース後半で挽回したグループです。特に種市選手と桃井選手は3位以下に35秒以上差をつけており圧倒的で、ラップを見てもその凄さは明らかです。ここで強調しておきたいのは、この30秒を作り出すのにどれだけの努力がなされているか、ということです。コース自体はナビゲーションの観点から言えば難しいものではなく、そこそこのタイムで走ることなら誰でもできます。ただ1秒を削るため全てのレッグでベストルートを選び続け、最高速でナビゲーションをし続けるのは至難でしょう。みなさんにはセレ通過タイムを出せたからいいやとかそこに届かなかったからダメだった、で済ませるのではなく削れる部分を限りなく削るところにスプリントの本質を見出して頂きたいです。

 

【1-2】

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Ms 1-2

レッグ線につられて真ん中ルートを選択すると負けなレッグです。S字は大体距離が伸びます。後ろ向きに脱出するルート、あるいは後ろからポストにアタックするルートが速く、ポストに向かって走り出したい気持ちを少し我慢して考えることがよいルートにつながるというよい例かと思います。

手前に戻るルートは道路に出た後スピードを上げられるのでベストルート想定でしたが、距離がそれほど変わらずナビゲーションも少し難しい程度の最左ルートも悪くないようです。

 

【4-5】

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Ms 4-5

アタックをよく考えずレッグ線方向に進むと遅くなるレッグ。真っ直ぐでも一見そこまで悪そうなルートではないですが、右ルートに比べ15mほど長いです。不思議ですね。手前の藪の塊をどう巻くかも、地味ですがルートチョイスの鍵になっています。右ルートの赤丸で示した入り口に入りたいけどそこまで真っ直ぐ行けない...!みたいな効果(脱出直後にすぐ右ルートの選択を決めていないとここでプランに揺らぎが生じる)を狙っています。手前の薮の細かい隙間を抜けるとかはあまり本質的ではありません。

 

【6-7】

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Ms 6-7

距離が短いがナビゲーションの難しい真ん中ジグザグルートを上手くこなせたらそれがベストルートだと考えていました。勢いの出せる右ルートが最速でしたね。しかし種市選手曰く、次の8ポに向けて切り返しが必要なので右回りだと勢いが殺された、とのことです。

このレッグは5ポまでのコースの回しからルートチョイスをいれつつメインの9-10のレッグへと繋ぐためなんとか捻り出したレッグです。1-2と似たような感じのレッグになってしまう点を避けたくてかなり悩んだ末、真ん中に人工障壁を設けるアイディアを思いつきました(この点については人工柵設置の項もお読みください)。ルートによっては同じ導線を辿ってしまいますが、一応想定ベストルートは異なるルートどりになるぞ、ということで自分を納得させました。笑

 

【9-10】

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Ms 9-10

前半部一番のメインレッグ。始めにこのレッグを考えました。10ポの置いてある立体構造を最も面白く使用するにはこの方向のレッグ以外ありえません。このレッグに繋げるため1ポ〜9ポの流れが決まりました。KOLCでは清水君がこれとほぼ同じレッグ(向きは逆、ポスト位置はWs6-7と同じ)を予想して団体LINEで流しておりこの時だけルートチョイスに関するコメントが9個もついたので、私はそれを見て「ですよね〜」と思ってました。笑

私はオレンジで示されたS字ルートが正解だと考えていましたが、地面の性質と単純さで左ルートが速かったようです。このルートだと既出のレッグで走る部分と同じ箇所を通行することになってしまうので少々申し訳なかったです。Ws / Lの参加者のルートと比べると面白いです。Ws6-7 L9-10

 

【11-12】

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Ms 11-12

エリア移動後にある面白レッグの一つです。既出の通りオープン部分に人工障壁を導入することでルートチョイスを増やしました。なまじ地図の予習をして臨むとその部分で袋小路に陥ります。このレッグの意図としては誘導後に負の方向にあるため気づきにくい左ルートを選択できれば距離が最短になる、というものでしたが距離が最長の朝間ルートが最速というまさかの結果になりました。ちょっとこれは理解できません。

反省点としては、左ルートが立ち入り禁止区域と近いため走行可能か否かを判別しにくかったことがあります。ごめんなさい。言い訳をさせてもらうとすれば、WUOC2016 SprintのMen14-15のように立ち禁が近いところもルートとなる可能性があるよ、ということも頭に入れておいてもらえると今後役に立つかもしれないです。

 

【13-14, 14-15】

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Ms 13-14, 14-15

13-14はレッグ方向に脱出すると距離が伸びるというレッグです。この手のトリックはスプリントで頻出なのでよく考えてから脱出するようにしましょう。溝井選手にルートを聞けなかったので最速ルートが謎ですが、実はこのレッグは次の14-15と合わせて考えるレッグでした。14-15の最速ルートがそこそこの激斜*4なのであらかじめ13-14の登りを先に済ませておくと体力を分散させることができます。もちろんガッツで行けるのがベストなのですけどね。

14-15については先に謝らせていただきたいです。このレッグで驚異の難易度753を叩きだしてしまいました。本来ならフォレスト種目で求められるようなコントロールへの難しいアタックはスプリント競技において避けるべきであり、この山林部の使用は不適切だと考えていましたが、テレインの制約上どうしてもこの部分を使用しないとコースをうまく回せませんでした。そのため最低限コントロール位置には注意を払い、小径の分岐に置くことで小径を辿れば必ず辿り着ける設定と、ナビゲーションが容易な道回りのルートを残すことでリスク管理を問うレッグとしました*5。難易度が高かった要因としては登りからの下りで勢いがついたままコントロールへアタックすることになったこと、キャンパス部からフォレストへの対応が遅れ距離感が分からなくなってしまうこと、それまでとルートチョイスのテイストが変わり一見簡単そうに見えるため気が抜けてしまうこと等が挙げられるかと思います。

改めてこのレッグによりセレ不通過となってしまった人には本当に申し訳ないと感じています。でもこの部分をうまくこなすことがセレ通過の本質ではないということだけは理解して頂けると嬉しいです。

 

【16-17】

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Ms 16-17

16-17はコントロールまわりで柵をどう対処すれば最速になるかを考えるレッグで、距離としては真ん中のルートが最短になる素直な設定でした。しかし11-12と同じく爆走ルートが最速となり、ちょっと理解を超えます。

 

【17-18, 18-19】

続く17-18, 18-19は19-20へ繋げるためのつなぎレッグです。本来はもう少しひねりを入れたかったのですが、東の駐車場が使用不可になったこと、南のフォレスト部が藪気味だったことから諦めました。なので少々無理な形とルートチョイスも単純で個人的にはコース設定の際あまり参考にして欲しくはないレッグです。

 

【19-20, 20-21】

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Ms 19-20, 20-21

19-20は一度使用した人工障壁を異なる方向からルートチョイスさせるために最初期に設定したレッグです。このレッグは皆に走ってもらいたかったので全てのクラスに設けました。自分でもどのルートが最速なのかよく分からなかったのですが、全てのクラスを見るに右まわりが最速なようです。狭さと足場の悪さに距離の短さが打ち勝った形です。

20-21では距離の短さと階段を避けることによるスピードアップのどちらをとるかを課題として設定しました。どちらかがタイム的に劣っていることもなく、ここは自身の走り方の特性によって選択すべきところでしょう。ただ、階段だと地図読みに集中できないというデメリットはあります。

 

Msのコース解説は以上になります。 

Wsクラス

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Wsコース図 版権:入間市OLC

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Ws順位変動 入賞者内で大きく順位変動が起きたレッグを肌色で強調

【総評】

女子セレクラスでは5ポまでにあらかた入賞ラインが落ち着き、続く中盤の7~10ポで順位変動が起こり、終盤は大きな順位入れ替えが起こらず、といったレース展開になりました。その中でも増澤選手は圧倒的で最終的に2位以下に40秒差をつけての優勝でした。4-5や8-9などで致命的なルートミスをせず、まとめたレースをすることが結果に繋がった印象です。男子セレクラスに比べ全体的にミス率が高い点がそれを物語ります。したがって、今回上手くいかなかった方は、まずは悪くないルートを即決し、きちんと辿れることを目指しましょう。その後1秒を削る努力をしていけばよいと思います。

 

【△-1】

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Ws △-1

突然ですが、このレッグの難しい点はどこだと思いますか?

・パッと見で最短ルートが決めきれない

・真ん中がごちゃっとして隠れルートがありそうで探してしまう、がない。(ないんかーい!ごめんなさいね。めちゃくちゃ考えましたが思いつきませんでした。)

・地面の性質の違いによる走りやすさの比較検討

等色々あるかと思いますが、実は地図上には現れない隠れたトリックが最も難しいと私は思います。それはスタート誘導の向きとスタートフラッグから1ポまでの向きが全く異なるということです。これの何がまずいかと言うと、スタートフラッグに着く前に地図の正置ができなかった場合、今まで走ってきた方向の意識がないまま1ポの方向(下図左・青矢印)に向かって走り出そうとします。スタート誘導と青矢印の方向が同じ場合、何も問題はないのですが、このレッグでは赤矢印のように全く異なる方向でした。その結果、スタート直後の勢いがついたままあらぬ方向へと走ってしまい、即、現在地ロストに陥ります。 

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(左)スプセレWs△-1 (右)WOC2018 qualification

実はこの現象は、私が世界選手権の予選を走った時に起きたことと同じです。スタート地点が地図の左上ギリギリだったため地図上での現在地確定と正置が遅れ、道路の交差点で頭の中が???状態になりました。

来年1月から有効の新しい地図図式ではスタート誘導が地図上に記載されるようになるためこの危険性はある程度軽減されますが、このような現在地までの進路のベクトルが意識されてないことによって起こるミスオリエンテーリングにおける主要なミスの1つでもあります。今回うまくいかなかった方は今後気をつけましょう。

なお、この理由により何人かの立入禁止部分への侵入を許してしまったのは私の想定不足でした。ごめんなさい。より詳しくは「失格に関して」の章ので述べています。

 

 【1-2, 4-5】

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Ws 1-2, 4-5

 1-2の想定ベストルートは香取選手のルートでした。レッグにつられてまっすぐ脱出するとナビゲーションがやや複雑になります。その点最初に我慢して舗装道路に出た方がスピードを上げられ、途中で地図読みも安心して行えるでしょう。まあ増澤選手に一本取られましたが。

このレッグで想定外だったのは青ルートで示される左ルートを選択する人がいたことです。2ポの位置をもう少し左にしておけばよりよいレッグだったと今では思います。

 

4-5では複雑な形状をした建物周りの最短ルート探索力を問いました。右ルートでもそこまで距離が伸びる感じはしないのに22mも違うのです。これには設定した自分ですら今でも不思議に思います。ただやはり結果は正直で、速かったひとは全員左巻きでした。右巻きは長い上、狭い通路を通るのでかなり遅いです。ここで大きく差がついたと思われます。

どうしても脱出時にポストに近そうな右ルートを選択したくなってしまいますが、ぐっとこらえて最後までルートを読みきりましょう。面白いレッグというものは大抵レッグの後ろの方に思いもよらぬ罠が仕掛けてあります。

 

【6-7】

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Ws 6-7

前半部のメインレッグ。Msとは始まりのポスト位置が異なります。男子と異なり奥の階段を使うルートが速くて驚きました。これを見るとやはり地面はコンクリだとスピードが出るようです。オープンは芝生なので走行性は抜群なのですが、コンクリには敵わないということでしょう。単に選手の走力差もある程度含まれるとは思いますが。

 

【8-9】

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Ws 8-9

このレッグは誘導後の負の方向に伸びる左ルートを選択できれば勝ち、というものでした。距離はそこまで変わらないものの池の右側を通るルートは、等高線1本下って登り返すためやや遅くなります。

後者のルートを選択するには藪の隙間に気づく必要があります。ところが旧図では解像度が低いため潰れて分かりません。しかし前回大会の地図を持っているか、ストリートビューで入念に予習をした人ならこの隙間の存在に気がつくはずです。そこでそれを知っている人がルート選択で使いたくなるような、でも、ルートとしては負けな裏の裏をかくレッグを作ろうと思ったのがこれです。引っかかってくれました?

 

【9-10, 11-12】

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Ws 9-10, 11-12

9-10は主に3通りの選択肢を用意しその距離の違いを見抜け、というレッグです。真ん中の黄色ルートが最短です。が、走りやすさで緑ルートでした。 当初10ポの位置を道の手前側のテニスコート角にしており、Ms13,18ポと直線状配置になるから隣ポミスしそうだなあ、なんかレッグ自体も面白みに欠けるなあと思って悩んでいたところ、ふと現在の位置を閃きました。その時の、ポスト位置を少し変えるだけでこんなに違うのか、という驚きは今でも鮮明に覚えています。スプリントのこういうところが面白いなと思います。

 

11-12は男子クラスで大波乱を起こしたフォレストエリアでのレッグです。できるだけアタックが容易な場所で、フォレスト区間が短くなるようにし、なおかつMsと異なる場所としてラフオープン角に設定しました。そのためほぼ坂登りルート一択となってしまい、さらに男子コースと異なり一つ前のレッグで登りを分散させることが出来ないため、かなりしんどいレッグだったかと思います。違うテイストを楽しめた、ということにしておいてください。幸いレッグ難易度は223とそれほど高くなく(最高は8-9の287でした)、コース設定者としては一安心です。

 

【14-15, 16-17】

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Ws 14-15, 16-17

14-15についてはMs19-20と同一です。ルート毎のタイム差はほぼ同じ感じですね。私は試走では灰色ルートを選択したのですが、距離も長くイマイチだったようです。

 

16-17はレッグ線と橋が被る点が右寄りなのでそれにつられて右ルート選択したら負けだよ、という課題でした。が、Lコース含めてほぼほぼ左でした。今思えば、橋を渡ってみて欲しかったので始まりのコントロールをもう少し右に設定すればよかったです。

左ルート沿いのガイドレールは地図上では通行可能柵で表される*6ため飛び越え可能なのですが、女子クラスでは奥まで回り込む人が多かったです。そうなると、右ルートより距離がやや伸びてしまいます。

 

Wsのコース解説は以上になります。 

 

Lクラス

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Lコース図 版権:入間市OLC

【総評】ではなく、【ただのコース設定者の所感】

本来はセレクラスではないため、Lコースはそこそこのお気持ちコースでいいやと考えていました。しかし、私の親友がスプリントに対し地図を描くまで熱中してくれ、さらにこの大会に照準を合わせるなどとJogNoteに書きだす始末です。他にも、僕が初めて対外的なレースを手がけるということで楽しみにしてくださる人がいるということを感じたりと、生半可な気持ちで望むわけにはいかず、気を引き締めて取り組みました。

そのため、セレコースと同じくLコースについても本気で考えました。あと少しでもMsクラスの参加者が増えていれば2コース制になって完全に破綻していたでしょう。それくらいこれ以上ないと自負できるくらいのコースを作ったつもりなのでご覧いただけると幸いです。*7

ただ、もう書き疲れてしまったので解説は少なめです。コースとルート図から感じ取ってください。

 

【1-2】

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L 1-2

△-1を犠牲にすることで生まれた神レッグ。自分で言ってしまうのかという話ですが。

まだこのテレインにこんなポテンシャルがあったのか、とこのレッグを閃いた時衝撃を受けました。

 

【4-5, 6-7】

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L 4-5, 6-7

見ての通りです。

もうちょいバラけるルートだとよかったです。まあ既存のコントロール使っているのでしょうがないですね。

 

【9-10】

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L 9-10

Ms9-10と同じ。面白いのは、セレに向けて予習しないと手前の階段で降りるルートが見えない点です。そのため後ろから回り込む人が多くいました。橋の部分の表記が分かりにくいとの意見もあり、どう表現すればより良いのか今でも悩みます。

 

【11-12】

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L 11-12

しかしこちらの藪の隙間は見えた模様。 なぜか皆真ん中ルートでした。Ws8-9と同じです。

 

【12-13】

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L 12-13

11-12, 13-14とロングレッグが続くことさえ許せれば、これも相当に面白いレッグ。真っ直ぐを選んでしまいがちですが、左の崖の隙間ルートが見えると勝ちです。

 

【13-14, 16-17】

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L 13-14, 16-17

13-14はフォレスト区間のレッグでは全てのコースの中で一番面白いレッグだと思います。ただ、森の中での距離が長いほど不確定要素の混じる可能性も高くなるのでこれは一般クラス向けとしました。

 

16-17は山塊から出てきた時にセレコースの競技者と同じ動きをさせたくなかったので、こうしました。

 

【19-20, 21-22】

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L 19-20, 21-22


 

やっぱそれぞれ右・左がベストルートですよねー。

19-20はMs19-20, Ws14-15と同じで、21-22はWs16-17と同じです。

 

Lのコース解説は以上になります。

 

 

失格に関して

スプリント競技の複雑化に伴い多くの失格が出てしまうことが最近問題になっています。本大会も例外ではなく、一定数の失格者を出してしまいました。その原因と我々が行なった予防策、反省点を振り返ります。

なお、7日目の記事にて大石君がスプリントの失格について非常にわかりやすい記事を書いてくれました。こちらも併せてご覧ください。

orien-advent.hatenablog.com

 

失格の要件としていくつかの種類があるのですが、今回はその中でもよく起こる、①コントロール飛ばし/隣接コントロールへの誤パンチ ②誘導不通過 ③立ち入り禁止区域への侵入・横断 ④通行禁止特徴物の通過 の4点について検討します。

 

①コントロール飛ばし / 隣接コントロールへの誤パンチ

本来通過すべきコントロールをなんらかの原因により通過しなかったことで生じる失格です。この手のミスをなくすため我々が注意したことを以下に記します。

・隣接コントロールには近いポスト番号を使用しない。なるべくどの桁も異なる番号を使用し、形が似た番号を避ける。

・隣接コントロールが多いことをプログラムで周知する。できるだけコントロール間を広くとるよう試みたが、テレインの制約上どうしても近くに置かざるを得ないところがあり、競技規則逸脱*8の箇所が1つあったため。

・連続する3つ以上のコントロールは直線上に配置しない。

・コントロール番号は白抜きをし、視認性を向上。*9

 

実際どの箇所で失格が発生したのか可視化してみました。

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①の原因によるMsクラスにおける失格箇所ごとの総計 同一人物による複数箇所失格はそれぞれ計上 Wsクラスについては失格数が少ないため省略

グラフを見る限り、とりわけあるコントロールに集中しているわけではなさそうです。最も回数が多い9・19ポでも全完走者数の2.4%でした。全体の傾向として、やはり隣接コントロールが多い箇所か複雑なナビゲーションが求められるところが多い気がします。

 

②誘導不通過

大石の記事で何度も触れられているようにとても難しい問題だと思います。運営者の想定と競技者の行動を一致させるために多くの労力をかけました。

そもそも誘導とは「そこ以外の通行をしてもらっては困る」という渉外由来のものと演出由来のものの2つに大別できますが、渉外由来の方で不通過が出てしまうと大問題に発展しかねません。そのため誰もが絶対に辿れる誘導を最優先に考えるべきです。

本大会では競技中、スタート誘導とゴール誘導以外に2つの誘導がありました。

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2つの誘導 このコースはMsだが全てのクラスで同じ誘導が存在する

一つ目(左)は競技者がロータリーに侵入することなく北西から南へのエリア移動を行うため*10、二つ目(右)は駐車場の端を通って東エリアへ移動するためのものです。パープルハッチがかかったエリアは車の通行が激しいため、誘導形式で競技者の通行を制御する必要がありました。この誘導を絶対に辿ってもらうため我々が為したことは次の4点です。

・競技中の誘導の存在を公式掲示板で周知する。

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これを無視する競技者は流石にいないでしょう

・誘導の始点と終点を明確にする。始点にはコントロールを置き、終点には写真のようなプラカードによる掲示を行った。

・レーン方式の誘導にする。特に一つ目と二つ目の誘導の左側にはペットボトルやミニコーンを用いて少しだけ高さを設けた誘導とした。

・誘導員による声かけを行う。”誘導をたどって下さい”など。

 

一つ目の誘導はどうしても地図で見にくく困惑する人がいたのですが、ほぼ全ての人が誘導をきちんと辿ってくれたようです。距離が短い誘導をどう分かりやすくすればいいは検討の余地がありそうです。アイディアを募集しています。

 

③立ち入り禁止区域への侵入・横断

これに関しては、立ち入り禁止エリアを通過することでタイムが短くなるコースを作らないことが第一だと思います。前述のIOF競技規則にも明記されています。

  1. コースは、競技者が私有地や立ち入り禁止地域を通ってショートカットしようとすることを避けるように組まなければならない。

本大会ではそのようなルートの選択肢がないコースを設定しました。しかし、実際は多くの立禁侵入者を出してしまい、もっと根本的な想定ができていないことを突き付けられました。それは地図が読めずに誤って侵入してしまうというシチュエーションです。インカレの選手権クラスならまだしも、初心者中級者も多く参加する大会なのでそのような状況は当たり前でした。

最も問題となったのはスタート直後のロータリーエリアの立禁です。

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スタート直後 全てのクラスが同様なルートを辿る

第一に、スタート直後の誘導の向きとスタートフラッグから1ポへ向かう進路の方向が異なるということです。実はこれは課題の一つとして設定したものなのですが(Wsコースの解説を参照ください)、スタート直後に直ちに正置し、プランを組み立て、地図をすぐ回転させるというのは難しすぎました。結果、立入禁止区域に直進してしまう人が続出してしました。

第二に、地図表記の仕方が最善ではなかったことです。本来はロータリー左端まで立入禁止なのですが、下の青矢印の動線が見づらいため立禁表記を少しカットして記載しました。そのせいでどこまでが侵入禁止なのか不明確になってしまいました。

そして第三に、立入禁止区域とそうでない区域の境を統一できなかったことです。地図上のパープルの破線部にはテープ付きコーンを置けたのですが、車両の通行する道路上にそのような掲示ができず、判断を競技者に委ねてしまいました。

 

スタートフラッグの位置を変えるか、そもそもこのようなリスクのある場所にスタート地区を設定しない*11等の対策が取れたかと考えます。

 

④通行禁止特徴物の通過

通行禁止の藪の隙間など怪しいところにはかなりテープやネットを張ったのですが、我々の想定外のところで通行してしまう事案が生じました。できるだけそのような箇所を使用しないか、とにかく片っ端からテープを張るか以外の解決策が見つかっていません。こちらも良いアイディアがあれば教えていただけると幸いです。

 

終わりに

「スプリントの可能性を探したい・示したい」

そのような思いを持って私含め運営者一同この関東スプリントセレクションに向き合ってきました。そこで感じたのは関東の代表を決める大事な大会でセレクションとしての目的を達成しつつ新しいことに挑戦するバランスの難しさでした。間違っても実力以外の要素や競技者以外の外的要因によって適切でない代表が選ばれる事態は避けねばなりませんし、また、新しいことをやるというのは自分たちが為したことが前例となり、日本のオリエンテーリング界の方向を決めてしまう可能性すらあります。常にそのことを考え続け、恥ずかしくない大会として世に送り出したつもりです。いかがだったでしょうか。ぜひ、直接あるいはSNSを通して意見感想を教えて頂けると嬉しいです。この度の経験・フィードバックをこれからのオリエンテーリングに生かして参ります。

そして、スプリント競技自体について述べさせていただくと、スプリントはオリエンテーリング種目の中でも速くなるための筋道が最も明確な競技だと思います。ある程度経験がモノを言うフォレスト種目と異なり、正解のルートが誰でも納得できます。コース設定をする時もセンスといったよく分からないモノに頼る必要がなく、ひたすら複雑なルートを考えては距離を図ってを繰り返すことで面白いコースを作れるのです。私は明確な判断が下せるこの部分にスプリント競技の楽しさを見出しました。この記事を通して皆さんに少しでもそれを感じていただければコース設定者冥利というものにつきます。

最後になりましたが、本記事が少しでも誰かの役に立てることを祈って、この記事を締めさせていただきます。お読みいただきありがとうございました。

  

謝辞

大会の開催・本記事の執筆にあたり本当に多くの方の協力を得ました。

全ての方に感謝したいのですが、ここでは特にお世話になった方にお礼申し上げます。

実行委員長・しょーじ:スプリントに対する思いを共有できた彼が実行委員長に手を挙げてくれたおかげで納得のいく大会が開催できました。絶対の信頼がおける彼の元でこそ自分の理想を突き詰められたと思います。

運営責任者・直くん:自分がコース関連以外に全く意識せずに済んだのは彼があらゆることに対し配慮してくれたからでしょう。ありがとう。

競技責任者・豊田:自分の無理な注文に何から何まで丁寧に付き合ってくれました。最後の詰めは本当に大変だったと思います。ありがとう。

渉外責任者・粂さん:この大会は粂さん抜きに語ることはできません。大学側との調整と交渉をどれほど粘り強く続けて下さったか、感謝してもしきれません。駿河台大学でこの度のスプセレが開けたのはすべて粂さんのおかげです。本当にありがとうございました。

イベントアドバイザー・瀬川さん:方針や競技的な疑問、コースチェックすべてに対して瀬川さんにアドバイスや指摘を頂きました。自分の悩みに対してどんな時も的確な答えを導いてくださり、瀬川さんがいなかったらどうなったかなど想像すらできません。辛く不安な時の精神的支えでした。本当にありがとうございました。

地図業者・坂野さん:地図修正をメインに印刷、シーリング、資材の貸し出し等幅広い分野でお世話になりました。かなり多くの地図に関する私の注文に対応してくださり、感謝しています。

その他多くの役職の方:各作業、試走、当日運営ととてもお世話になりました。会計・広報・渉外補佐・エントリー・資材・交通・スタート・フィニッシュ・計セン・会場どのパートが欠けてもダメでした。それぞれのこだわりのおかげで満足いく大会に仕上げられたと思います。ありがとうございました。どのメンバーも大好きな人たちです。

入間市OLCの方:素晴らしいテレインとその地図を提供して頂きました。当日は運営を多くの方に手伝って頂きました。また、本記事での地図画像について掲載許可を頂きました。ありがとうございました。

査読者:本記事は公開前に大石、粂さん、瀬川さん、妹に見てもらい多くのアドバイスをいただきました。ありがとうございました。

 

脚注

*1:駿河台大学の組織構造として、外部との折衝には総務部が担当し、そこが体育課、施設管理課といった課を有する各部署に問い合わせるという形態だった。そのため担当部署に我々が直接交渉を行うことができなかった。

*2:

http://www.orientering.no/media/filer_public/ee/62/ee621c8f-3c4c-4e7a-a1d6-993fab3e2928/presentasjon_arrangorseminar_nof_jwoc.pdf

*3:World of OのGPSアナリシスに名前が載ることが一種のステータス。直近の事例で言えば伊藤選手がWOC2019Longで緑系統の色で何度か載ったのが記憶に新しい。女子では稲毛選手がしばしば登場する。

*4:疲れて左をふと見るとそこに絶景が広がる。筆者の想定とは裏腹に試走時は好評な意見もままあった。

*5:WOC2013 Sprint Qualification等を参考にした。https://www.woc2013.fi/kartat/

*6:旧図では通行不能な柵として表記されていたため、部内の予想コースではそれ周りの対策がかなり行われていた。それを見てコース設定者はしめしめと思っていた。

*7:そして誠に残念ながら僕の親友は大会2日前に九州へと旅立ったしまった。

*8:今年4月にサイレント改定され、スプリントにおけるコントロール間の最低距離が15m→25m(同特徴物では30mのまま)と変更された。本件はこの条件を逸脱。

*9:より厳密に言えば、白抜きより内側の数字本体部分に透過処理を施した通称坂野メソッドを使用。詳しくはこちら

*10:誘導より南の道路が通行可能表記になっているにも関わらず誘導がくねっと道の東側まで続いているのはここに存在する横断歩道を渡らせるためである。11番コントロール南の駐車場へ出入りする車を止める口実として横断歩道での歩行者優先原則を利用した。

*11:しかしどうしてもスタート地区はここ以外考えられなかった。3分前、2分前、1分前とスタート時刻が近づくにつれて、競技が行われるテレインに近づいていく。国際レースで感じるこの緊張と楽しみを皆にも感じてもらいたかった。